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2.3.6 ボランティアA(T市・ボランティア団体)
 
(1)団体特性
運行拠点都市人口:33万人(平成14年3月31日現在)
保有車両台数:3台 登録運転者数:7名
 
 タクシー会社の予約システムは、会社によっては1ヵ月前でも予約できる保証はない。当該団体では、主にタクシーの利用が困難な高齢者・障害者を移送している。障害者が外出したい時に外出できる環境整備を望んでいる。
 
(2)移送サービスの現状
 ボランティア団体全体としてみれば、介護部門での収益があるために、現状では移送サービスにかかるコストも捻出できるようになった。
 一時期、緑ナンバーでの申請を検討したこともあったが、福祉目的での障害者、高齢者の送迎であれば白ナンバーでも対応が可能と判断し、現在の移送サービスを行っている。
 介護保険に基づいたサービス提供では、限られた人(要介護認定を受けた人)にしかサービスを提供できないことになる。県内では、タクシー事業者が1台福祉車両を保有していた。その後、住民の運動により、2台に増車されたが、介護保険の実施にともない車両は介護保険の用途に向けられてしまい、障害者の利用したい人達が困っている状況が生じているため、そこに対応できるサービスの必要性が高いと考える。
 介護保険利用者であっても、座席への移乗が困難で、福祉車両でなければ利用できないという人にはサービスを提供する。現状では、タクシー会社が使用する車両は大半がセダン車しかないので、やがて利用できない人が増えてくることは確実と考える。
 
(3) 現在の収支状況
 収支は、保険料とガソリン代を差し引くと厳しいが、1日に15件、コンスタントな利用があれば、担当者(1名)の給料はなんとか賄える水準である。
 今後介護保険からの利用の比率を減らしていく方針である。目標としては、現状一般の利用が24%、介護保険が75%であるのに対して、将来は一般の利用50%、介護保険が50%程度の比率としたい。
 ボランタリーベースの人でないと勤まらない厳しい現状があり、職業ベースでは成立しない。別の会社で十分な運転経験のある人が、数日でやめていった事例がある。
 
【例】往復利用で、目的地に1時間以上滞在する場合の利用例
1,655円 + 1,760円  = 3,415円
行きの利用金額 + 帰りの利用金額 = 合計金額(支払金額)
 
行き
(拡大画面:5KB)
 
(7km+6km)×35円燃料費=455円
1時間×1,200円=1,200円
行きの利用金額合計は1,655円
 
帰り
(拡大画面:6KB)
(10km+6km)×35円燃料費=560円
1時間×1,200円=1,200円
帰りの利用金額合計は1,760円
 
2.3.7 ボランティアB(T市・移送サービス)
 
(1)団体特性
運行拠点都市人口:9万人
 
 市が道路運送法80条による有償運送許可を得て、県身障福祉連合会市支部に事業委託した。
 
(2)従事者と活動資金
○運転登録者
計:19名
健常者:7名
身障手帳所持者12名
肢体不自由 1級 1 内部障害 1級 1
2級 1 視覚障害 2級 1
3級 3 3級 1
4級 3 6級 1
 
○ 活動資金
※運転者の時給は1000円 利用者負担は、250/30分
図2-19 ボランティア団体Bの活動資金構成
注: 
移送サービス資金とは、県身体障害者福祉連合会支部の積立金からの拠出。
 
○ 利用者:15名(平成14年現在)







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