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4. 講習会場
 学科講習や実技講習を行う会場を選定するときは、受講者の障害の程度によって、あらかじめ次の設備などについて確認しておく必要があります。
 
(1)学科会場
(1)駐車場
 身体障害者の多くは自動車を利用していますので、駐車場のある会場が望まれます。
 特に車いす利用の場合は、自動車の脇に自分の車いすを置いて乗降しますので、広いスペース又は車いす専用の駐車場が望まれます。
 
(2)スロープ、通路幅
 車いす利用者が、駐車場から教室、トイレ等への移動通路は、床面の段差が無くスムーズに走行出来るか、また通行に十分な幅(最低80cm以上)があるかを確認しておきます。
 
(3)教室
 机は、車いす利用者が車いすを使用したまま利用できるよう、床から机の下までの高さが75cm程度あるものを準備します。(机の下に棚が無いほうが良い)
 
(4)トイレ
 バリアフリートイレの有無を確認しておきます。
 
(5)レストラン
 会場内に車いすのまま、移動出来るレストランがあれば理想的ですが、会場内に無い場合は、講習時間などの関係から弁当などが手配出来るか確認しておきます。
 
(2)実技会場(マリーナ)
 既存のマリーナの多くは、健常者を対象として作られて来ましたので、車いす利用者が駐車場、移動通路の階段、トイレなどについて、不便または不自由と感じられるマリーナが多くあります。このため、試験機関は車いすを利用する身体障害者に対する実技試験を行うに可能な場所(バリアフリーマリーナ)として下表に掲げる10ケ所のマリーナを平成13年11月にリストアップしました。
 実技講習はバリアフリーマリーナで実施するのが理想ですが、ここにリストアップされていないマリーナであっても、身体障害者本人が他のマリーナでの受験を希望する場合は、希望したマリーナで実技試験を受けることができます。
 
バリアフリーマリーナ(平成13年11月現在)
地区 場所 マリーナ名
北海道 北海道 室蘭市 エンルムマリーナ室蘭
東北 福島県 いわき市 いわきサンマリーナ
関東 神奈川県 横浜市 横浜ベイサイドマリーナ
北陸信越 長野県 諏訪市 諏訪湖ヨットハーバー
中部 静岡県 湖西市 ヤマハマリーナ浜名湖
近畿 兵庫県 西宮市 新西宮ヨットハーバー
中国 広島県 広島市 広島観音マリーナ
四国 愛媛県 新居浜市 マリンパーク新居浜
九州 福岡県 福岡市 西福岡マリーナ
沖縄 沖縄県 沖縄市 沖縄マリーナ
 
(1)休憩場所
 休憩出来る場所があると理想的です。
 
(2)更衣室
 雨天時、雨具などの着替えが必要になるので、事前にマリーナに車いすで利用可能な更衣室の有無と利用可否を確認しておきます。
 
(3)附近の応急病院
 万が一のことを考え、事前にマリーナに附近の応急病院の有無、所要時間などを確認しておきます。
 
(4)桟橋の状況とその対応
  a. 陸上から桟橋までの通路の傾斜が大きいとき
 車いすが暴走し落水の恐れがありますので、上りも下りも車いすに乗っている人が高いほうを向くように補助して移動します。万が一を考え、車いすと陸上固定物とをロープで繋いでおくと良いでしょう。
   b. 桟橋の幅が狭いとき
 航行船の波等により大きく揺れる桟橋は、体幹保持が難しい身体障害者にとっては良い状態とは言えませんので、車いすの前後方向を桟橋の揺れ方向と直角にすると体を安定させやすくなります。この場合、体の後傾により身体障害者の不安が増しますので、補助員などが車いすの後方で待機すると良いでしょう。
 また、場所や天候によっては、桟橋上では車いすを使用しない方が良い場合もあります。
   c. 乗下船時の船舶の動揺
 身体障害者にとって、桟橋から船舶への移動は健常者以上に危険が伴います。そのため、船舶を出来るだけ桟橋と確実に係留し、船舶の動揺を少なくしたり、補助員などが乗下船の反対側に乗り、船舶のバランスを取るようにすると良いでしょう。
   d. 雨天のとき
 雨の日は、雨具により機敏な動きが出来ない、滑りやすい、視界が悪いなど、健常者にとっても良い条件とは言えません。
 身体障害者にとっては、松葉杖が滑る、車いすのブレーキが利かなくなる、車いす利用者が濡れた桟橋上をはって移動しなければならなくなるなど、条件はさらに厳しくなります。
 
 指導者はこのような場合、動作に時間がかかっても受講者を急がせることなく、細心の注意を払って確実に作業を実施させるようにしましょう。







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