表彰式
5月22日(水)
午後5時30分〜午後6時30分 いずみホール
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フェスタの演奏終了が10分程遅れるも、審査集計が予想以上に早くできたため、予定どおり5時30分から開始しました。
フェスタの金賞は前回から名誉芸術監督であったユーディー・メニューイン卿の名前を冠に頂くことになり「メニューイン金賞」としています。
芸術監督・審査委員長
岩淵龍太郎
第4回「大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」が、全世界から611名余の応募を得て、その中から最高レベルの団体が選考を通過して、第1ステージから最終ステージに到る素晴らしい室内楽の饗宴を繰り広げてくれました。誠に感動的な出来事でありました。
期待されていた21世紀は8ケ月程前に前代未聞の事件によってその蓋を開けるという悲劇に襲われました。然しそれに依って人類が求める善きもの、美しきものへの追求が挫折されることなく、むしろ強められたことの一つの象徴が今回の第4回「大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」の成功であったと認識して感動しております。
またこの万事困難な時代に、敢えて本事業にご支援、ご協賛賜わりました各方面の総べての方々に改めて深甚なる感謝と敬意を表する次第であります。
「音楽芸術」は人類文化の宝物であり、「室内楽」はその本質であります。このジャンルで予想以上の成果があったということは、様々な困難にも拘らず我々に生きる意思と喜びを改めて確認させてくれました。
第1部門の弦楽四重奏においては発足以来第一級の成果を挙げて参りましたが、特に第3回の成果は前代未聞のものでありました。今回は第2次予選の課題曲、アルバン・ベルクの「抒情組曲」という超難曲を、総べての団体が見事に演奏を行ったということで、第3回に引き続き世界の弦楽四重奏演奏における飛躍的躍進を明示しておりました。
第2部門のピアノ三重奏は、以前は3人の名人が集まってやれば良いとまで言われたジャンルでしたが、今回は一人一人の技量の高さは勿論、演奏者の楽曲への内容的理解、3人のバランス感覚の傑出している点は驚嘆すべきものでした。
本選の課題曲が特にベートーヴェンの最高の傑作だけに、メロディーやリズムの意識が顕在的・潜在的にもっと欲しい所でした。勿論例外はありますが、どんなにテンポが速くても3拍子は3拍子、2拍子は2拍子であって、1小節が1拍に感じられるようなリズムでは本質から遠ざかってしまいます。上拍(up
beat)に、より意昧のある表現が求められることを指摘して置きたいと思います。文字通り世界第一級の能力のある若手演奏団体である故に、より深みと高みのあるベートーヴェンを是非期待しています。
フェスタはご承知のように全世界からこれまた絢爛豪華な多彩な音楽団体が集まり、聴衆審査という他に例をみない方法によって個性的な団体が顕彰されました。
悲喜交々、21世紀の冒頭においてこの様な有意義な文化的事業を成功に導いてご頂いた総ての方々に繰り返し御礼を申して、総評の締め括りと致します。
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