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青少年吟剣詩舞道育成基金協賛 第十七回 少壮吟士吟詠チャリティー
日時:平成十四年十二月八日(日)
場所:神奈川県民ホール
主催:財団法人吟剣詩舞振興会関東地区少壮吟士会
後援:財団法人吟剣詩舞振興会
東日本・中部・北海道地区連絡協議会
神奈川県吟剣詩舞道総連盟
吟詠大会発祥の地、横浜に響く美しき吟詠
 第十七回少壮吟士吟詠チャリティーは、詩吟のメッカといわれ、日本で初めて吟詠大会が開かれた横浜の地で盛大に開催されました。詰め掛けた多くの愛吟家は、華麗で勇壮な舞台に釘付けになっていました。
 
式典で挨拶する小林北鵬大会実行委員長
 
 少壮吟士吟詠チャリティーは足元の悪い中にも関わらず、早朝から多くの方がつめかけ、二、四三九席すべてが埋まる大盛況の中で始まりました。満席になることは、それだけ少壮吟士が期待されていることの証でしょう。式典では、横田岳吟士から矢萩保三財団事務局長へ、大会の趣旨である「青少年吟剣詩舞道育成基金」の寄付目録が贈呈されました。
 今回は、笹川鎮江会長もご出演なさった日本で初めての吟詠大会が開かれた横浜の地、しかも通称、武道館大会といわれる財団最大の企画行事の第一回が行なわれたのと同じ日の開催となり、吟詠家には意味深いチャリティーとなりました。
 
青少年吟剣詩舞道育成基金への寄付目録を受理する矢萩保三財団事務局長。左は横田岳実行委員
 
 プログラムの第一部は少壮吟士愛吟集(その一)、(その二)が披露されました。「春の花を尋ぬ」の伊藤契麗吟士からはじまり、「名槍日本号」の横田岳吟士まで、吟界のリーダーたる少壮吟士の吟詠は技術だけではない、その人柄をも感じさせる奥の深い吟であり、多くの愛吟家を感動させていました。また、少壮吟士OBの方々も出演され少壮吟士時代と変わらぬ見事な吟詠を聴かせてくださり、さすが少壮吟士を経験した吟詠家の吟はいつまでも素晴らしいものだと感心しました。
 第二部は関東少壮吟士会による企画・構成吟詠「維新の群像」で、賛助出演として剣詩舞界からも、大勢の実力者の先生方が顔を揃え、賑やかな顔ぶれ、艶やかな舞台となりました。内容はペリー来航から明治維新へとつづく歴史の流れを追いながら、その時々に詠われた詩歌を吟剣詩舞で味わうものでした。舞台美術、場面転換のうまさ、そして台詞による歴史の説明など、芸術性の高い演出が光っており、非常に優れた舞台を堪能させていただきました。あらためて少壮吟士の力量の高さに驚かされた、約二時間の舞台でした。ちなみに、プログラムに書かれた「維新の群像」の美しい筆文字は、笹川鎮江会長の手になるものでした。
 これからも少壮吟士の方々は、現状に甘んじることなく精進を重ね、人を感動させる吟詠を聞かせてくれることでしょう。また、そうした期待をもたせる、素晴らしい内容の少壮吟士チャリティーであったことを、残念ながら見ることのできなかった方々へお知らせしておきます。
 
「おりょう哀歌」(成田峯麗作)を歌う女性七吟士
 
企画番組で「黒船来る」(雲井龍雄作)を男性吟士全員で合吟
 
吟詠は海老澤宏升氏、詩舞は榊原静慧氏とその社中の皆さんで「大政奉還なりて」(桃山玉園作)
 
「独柳」(杜牧作)を吟じる杉山翔鴻氏と、これを舞う小林玲舟氏とその社中の皆さん
 
フィナーレで、出演した全少壮吟士が手を振り、観客の拍手に応えた







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