表紙説明
名詩の周辺
常盤孤を抱くの図に題す(梁川星巌)
奈良・吉野町
この詩は、作者が中国地方を旅した際、広島県三原で四条派の女流画家が描いた「雪中を逃れていく常盤御前と三人の孤児」の絵を見て作ったものです。
常盤御前は、源義朝の愛妾で義朝との間に三人の男子、今若、乙若、牛若(後の源義経)をもうけますが、義朝は平治の乱に平清盛と戦って敗戦し、常盤は難を免かれて大和・竜門の里へ逃れます。
竜門の里は現在の吉野町で、昭和三十一年(一九五六)に、上市町、吉野町、中荘村、国樔(くず)村、中竜門村、竜門村の六町村が合体して、あらたに吉野町として発足しました。吉野町は、町の中心を流れる吉野川沿いに早くから開け、町の北部は竜門岳がそびえる竜門山地。南部は桜で有名な吉野山があります。
吉野山は、七世紀後半、役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたといわれる修験道の霊場として知られ、また南北朝時代、南朝の本拠となった地です。このため南朝の史跡が数多く残されており、鎌倉時代には源義経や弁慶、静御前などの悲話の舞台として義経主従にまつわる史跡もこの地の各所で見ることができます。
(竜門の里・吉野山=近鉄吉野線吉野駅下車。吉野山へはさらにロープウェイに乗りかえ、吉野山駅下車徒歩約15分)
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水六訓
一、 |
あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。 |
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一、 |
常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。 |
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一、 |
如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。 |
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一、 |
自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。 |
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一、 |
動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。 |
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一、 |
大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。 |
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
OPINION
明日への提言
財団創立三十五周年記念事業としての第三十五回武道館大会及び平成十五年新春のつどいが無事終了しました
河田神泉
財団創立三十五周年記念事業として開催された昨年十一月十日(日)、日本武道館における財団創立三十五周年記念・第三十五回全国吟剣詩舞道大会並びに、去る一月十一日(土)、笹川記念会館における財団創立三十五周年記念・吟剣詩舞振興、平成十五年新春のつどいは、大盛況の裡に無事終了することができました。これ偏に関係役員並びに会員の皆さまの一致ご協力の賜ものと存じ、心から感謝を申し上げます。
笹川鎮江会長は、昨年三月号の本誌『明日への提言』の中で、財団の菅原雪山理事と箕輪緑崇評議員のお二人に平成十四年度の財団創立三十五周年記念事業準備のためのオブザーバーとして財団常任理事会に参画いただいた旨の発表をされましたが、早いもので、それから一年の歳月が流れました。このたび、記念行事が無事終了し、お二人ともホット安心されていることと思います。
一年間にわたり常任理事会のオブザーバーとしてご出席いただいた菅原雪山理事と箕輪緑崇評議員のお二人は、一月三十一日(金)開催の平成十四年度第十三回常任理事会の出席をもって任務を終了することになりましたが、私ども常任理事会では、昨年一月二十九日より、常任理事会に新風をもたらすべく通常審議へもご参画いただくことになったお二人には、この貴重な経験を生かして、今後とも大いに活躍して頂きたいと考えております。
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