日本財団 図書館


吟剣詩舞だより
平成十四年度紘仙流祥誠会・瑞祥流瑞裕会
夏季吟詠研修交流会
 
 八月十八日、伊達政宗開府四百年で沸く、みちのく仙台で“詩吟を通し美しく正しい日本語と心を身につけ、両会派の研修発表で交流親睦を図る、併せて財団行事に参加できる体制を作る”を目的に両会派夏季吟詠研修交流会が開催されました。
 オープニングセレモニーは財団会詩大合吟で始まりました。次いで仙台開府四百年を記念して“政宗公遺訓”を両会長ならびに会員により琵琶のひき語りが披露され、先人の教えと詩吟への心構えを一同新たな気持ちで心に刻み込みました。瑞祥流金子瑞裕会長、紘仙流奥村紘彩会長挨拶の後、吟詠一部、二部、三部と昼食をはさみ五時間三十分にわたり、独吟、合吟、連合吟等が発表されました。
 特に両会派合同吟詠、夏季吟道大学に参加しての所感(志賀節子)発表、とり舟体操。財団東日本コンクール宮城県代表者吟詠(紘仙流・菅原清子、青沼政子)など盛り沢山の内容で緊張の中にも新たな発見も多い、充実した一日となりました。
 今回は内容を深める一方、財団笹川鎮江会長の細やかな心配りの祝電に一同深く感謝、そしてこれからの吟剣詩舞道の発展を祈念し、また財団が推し進めています青少年育成基金に会場の花などの経費を切りつめ、少額ではありますが寄付させていただきました。
(事務局 中條伯仙)
 
両会長ならびに会員による琵琶の弾き語り「政宗公遺訓」
 
平成十四年度北辰神桜流
吟剣詩舞道大会
 盆が過ぎ、処暑を過ぎても酷暑一向に衰えぬ気配の中、去る八月二十五日(日)名古屋港湾会館大ホールにおいて、恒例の北辰神桜流吟剣詩舞道大会が盛大に開催された。午前十時「神桜館を詠ず」の大合吟、当流会の「合吟コンクール」優勝組の桜峰杯返還で幕を開け、会員多数出演の後、昨年度の「昇段審査会」において、各部門優勝者の吟舞に加えて、昨年度「全国吟詠コンクール」決勝大会出場者の吟詠、当流会の「合吟コンクール」五人制二十四組が参加し愛総連盟の諸先生方々のご協力を得て、日頃の成果を競い午前の部を終えた。
 午後の部は、式典に始まり愛総連盟の諸先生方々の御登壇を頂き、入倉昭星財団常任理事、小幡神叡中部連協書記長、両先生のご祝辞を頂戴し、篠田伸二宗家の挨拶、財団会長・笹川鎮江先生ならびに、武田禧洲愛総連盟理事長、両先生より心暖かい励ましの祝電が披露された。当流会理事長・高木残峰が謝辞の中では、最近の青少年層の精神的問題等に触れ、五常の精神を発揮し、社会浄化に邁進する決意を述べて、大会式典は無事終了を迎える。また、式典前後を真刀で、居合の極意に新会員も目を見張った。続いて来賓諸先生方の範吟範舞に、会場から大きな拍手が送られた。構成吟舞「諷詠・雪月花」は、当流会の理事と各会の評議員により自然と文学にまつわる詩で、それぞれの巻を吟舞によって幻想的な世界へ導いていった。フィナーレは、「花月吟」を会場全員の大合吟により締められた。午前の部「合吟コンクール」の講評を中部連協副幹事長、清水照鵬先生のご指導を受けながら拝聴し、桜峰杯、県、市関係の表彰盾を手にした会員は、伝統芸能の継承に向かって精進することを確認した。
 最後は、中部連協副幹事長石浜陽明先生の万歳三唱で本大会を盛会裡に幕を閉じた。
(事務局記)
 
式典で謝辞を述べる高木残峰大会会長
 
日本詩吟隆楓流
第四十回全国吟詠大会
 去る九月一日、日本詩吟隆楓流第四十回の記念すべき全国吟詠大会を財団法人日本吟剣詩舞振興会、日本コロムビア株式会社並びに日本コロムビア吟詠音楽会の御後援を頂き、飯田橋ホテルエドモントに於いて開催致しました。当日は吟詠界剣詩舞界より名流各会派の宗家会長諸先生を始め、関係各位の御来賓の先生方の御臨席を仰ぎ東京総本部を始め地方会員ともども一堂に会し会場溢れんばかりの盛大な会となりました。
 プログラムは会員の合吟の部に始まり独吟の部賛助出演と進み昼食休憩となりました。
 午後は式典方式は取りませんでしたが大会委員長の挨拶から始まり来賓の先生方のご祝辞を頂き二代宗家の謝辞のあと財団会長笹川鎮江先生のご祝文が披露されました。
 このあと会員主宰の祝い太鼓を組み入れ華麗な技と心地良い響きに酔い知れる一場面もありました。舞台は愈々佳境に入り構成吟「春秋讃歌」の部を迎えました。春を栃の葉吟詠会、夏を栃木県地区本部会、秋を新潟県地区吟詠会、冬を東京総本部で構成し賛助出演の剣詩舞の先生方に華を添えて頂きました。
 御来賓招待吟詠を頂く頃には盛り上がりも最高潮に達し最後は当会員幹部の独吟で目出度く幕を閉じました。折しも初代丸山隆楓宗家鬼籍十年に当たり会員一同改めて一致団結一層の隆盛を目指すことを誓いあった大会でありました。
(隆楓流 厚生部)
 
挨拶に立つ橋場隆吟大会委員長
 
練馬区吟剣詩舞道連盟
創立二十五周年記念大会
 白露も過ぎて、ようやく秋の気配になじむころの九月十六日(月)に、練馬区吟剣詩舞道連盟・創立二十五年周年記念大会が、大泉学園ゆめりあホールにおいて開催されました。
 曇り空ではありましたが、会場は満席の状態でおおいに盛り上がりました。会派支部から多数の出演者が熱演し、独吟、剣詩舞、新体詩等々に大きな喝采を浴びました。
 第二部式典では東京都吟剣詩舞道総連盟理事長・菅原雪山先生より心のこもった祝辞と祝吟を頂き、続いて佐々木朝鵬先生、松岡萠洲先生から祝吟を頂いた後、永年参会功労者にたいする表彰が行なわれました。表彰者の中に九十歳以上の方が七名もいらっしゃって、吟剣詩舞道が健康維持に優れたものの表れにもなりました。
 さらに財団法人日本吟剣詩舞振興会会長・笹川鎮江先生、吟亮流吟風会宗家・鈴木吟亮先生、静凰流会長代行、風慧会会長・小山凰慧先生の祝電が披露され、大会委員長、吉見芳蘭より、吟剣詩舞青少年育成基金の贈呈があり式典を終了することができました。
 記念大会祝宴は会場を練馬区勤労福祉館に移して、多数の参加がご来賓と共に楽しく祝いました。この大会で得た数々の体験は、一人ひとりの生活の糧となって、明日からの、練馬区吟剣詩舞道の発展につながることを信じて、名残を惜しみながら散会しました。
(吉見芳蘭記)
 
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連事業予定表(12月)
時間 大会名 開催場所 責任者
1日(日) 13時00分〜17時00分 日本樽美流吟詠会総本部創立70周年記念祝賀の集い ホテルキャッスルプラザ 後藤岳城
1日(日) 9時30分〜17時00分 第31回全国少壮吟詠家審査コンクール中国地区大会 岡山市春日町勤労者福祉センター 中国地区連協
8日(日) 12時00分〜17時00分 第17回少壮吟士吟詠チャリティー 神奈川県民ホール 小林北鵬
8日(日) 9時00分〜17時00分 関心流日本興道吟詩会 平成14年物故者追悼並びに全国選抜連合吟競吟大会 泉佐野市文化会館泉の森 小ホール 藤井芳洲
8日(日) 9時30分〜16時30分 第31回全国少壮吟詠家審査コンクール九州地区大会 メルパルク熊本ホール 九州地区連協
(10月号掲載の「第31回全国少壮吟詠家審査コンクール北海道地区大会=17日・サッポロ=」は、日程が11月30日(土)に変更になりました)
 
平成十五年度
吟剣詩舞道吟詠集が出来上がりました
購入申し込み受付中
吟詠観賞用として、また剣詩舞・群舞コンクール用として「平成十五年度吟剣詩舞道吟詠集」カセットテープとコンパクトデイスク(CD)がこのほど完成し、発売を始めました。購入を希望される方は財団公認都道府県吟剣詩舞道総連盟事務局へお申し込みください。
この吟詠集には、平成十五年度全国剣詩舞・群舞コンクール指定吟題、全十六題が収録されており、財団主催、平成十五年度の同コンクールで使用されます。
 領布価格は、いずれも消費税込み、送料別でカセットテープ=二、○○○円、コンパクトディスク=三、○○○円
 
テープ及びCDの収録曲と吟者
《剣舞》    
幼年・少年の部
1、 泉岳寺(坂井虎山) 〈吟詠〉田中祐泉
2、 日本刀(大鳥圭介) 〈吟詠〉松野春秀
3、 豪雄義経(松口月城) 〈吟詠〉奥村龍愛
青年・一般の部
4、 乃木将軍を挽す(杉浦重剛) 〈吟詠〉臼井寛洲
5、 逸題(山内容堂) 〈吟詠〉明神春風
6、 涼州詞(王之渙) 〈吟詠〉徳田寿風
7、 偶成(雲井龍雄) 〈吟詠〉山口華雋
8、 和歌・もののふの(菊地武時) 〈朗詠〉池田嶺煌
群舞
9、 本能寺(頼山陽) 〈吟詠〉海老澤宏升
10、 無題〈和歌入り〉(村上仏山) 〈吟詠〉惣那琥龍
11、 蜀相(杜甫) 〈吟詠〉辻島鑑霊
《詩舞》    
幼年・少年の部  
12、 富嶽(乃木希典) 〈吟詠〉中澤春誠
13、 胡隠君を尋ぬ(高啓) 〈吟詠〉岸本快伸
14、 和歌・白鳥は(若山牧水) 〈朗詠〉若原峰洲
青年・一般の部  
15、 平泉懐古(大槻磐渓) 〈吟詠〉伊藤契麗
16、 西宮秋怨(王昌齢) 〈吟詠〉大森英風
17、 芳野に遊ぶ(頼杏坪) 〈吟詠〉中尾仁泉
18、 江雪(柳宗元) 〈吟詠〉大熊秀岳
19、 和歌・天離る(柿本人麻呂) 〈朗詠〉阿部吟鳳
群舞
20、 琵琶湖上の作(室鳩水) 〈吟詠〉田畑水姫
21、 獄中感有り(西郷南洲) 〈吟詠〉北村嶂泉
22、 笛を吹く(杜甫) 〈吟詠〉杉山翔鴻
編曲/舩川利夫 伴奏・箏・石垣清美 十七絃・井原潤子 尺八・河野正明
 
十一月NHK教育テレビ
吟詠放送
 
「吟詠・秋に思う」
●放送日時
十一月二十三日(土)午後一時四五分〜同二時〇〇分
●吟題と出演者
一、和歌・ちはやぶる(在原業平)
〈吟〉河田神泉
二、山行(杜牧)
〈吟〉工藤龍堂
三、立山を望む(国分青
〈吟〉河野鶴声
四、山中諸生に示す その五(王守仁)
〈吟〉林鳳俊
五、一乗寺に遊ぶ伊藤仁斎)
〈吟〉宮本ロサリー 山岡三千世 林綾香
 
十一月NHKラジオ
FM吟詠放送
 
「邦楽のひととき」
●放送日時
十一月二十一日(木)午前十一時〇〇分〜同三〇分
●再放送
十一月二十二日(金)午前五時二〇分〜同五〇分
●吟題と出演者
一、和歌・山遠く(小沢庵)
阿蘇山(安達漢城)
〈吟〉阿部吟鳳
二、和歌・奥山に(猿丸大夫)
秋思(劉禹錫)
〈吟〉大森英風
三、金剛山(山岡鉄舟)
河内路上(菊池渓琴)
〈吟〉矢田星旺
四、秦淮に泊す(杜牧)
楓橋夜泊(張継)
〈吟〉岸本快伸
五、京都東山(徳富蘇峰)
志を言う(藤田東湖)
〈吟〉前山紫峰
六、墨水秋夕(安積艮斎)
〈吟〉松野春秀







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