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表紙説明
名詩の周辺 漫述(佐久間象山)
長野・松代町
 佐久間象山は江戸時代末期の洋学者・儒者。朱子学を学び、のちに西洋砲術、蘭学を学びました。松代藩士佐久間一学の長男として文化八年(1811年)に松代町象山(ぞうやま)の麓で誕生。六歳の時から学問、武術を習い、二十歳で免許される程の秀才でした。天保四年二十三歳のとき、江戸に出て佐藤一斎の門に学び、渡辺崋山、藤田東湖等と親交を重ねます。この頃、号を象山(ぞうざん)と改めたようです。
 二十九歳、江戸お玉ヶ池に象山書院を開き、多くの門弟を集めましたが、その後一時帰藩。四十一歳で江戸木挽町に塾を開き、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、橋本左内など維新の英才を数多く輩出しています。この間門人吉田松陰が米国へ密航を企て、以後九年間松代に幽閉されますが、文久二年朝延によって罪を許され、京都に上がります。一貫して公武合体・開港論を主張、このため尊皇攘夷党ににくまれ、京都で刺客に襲われ没しました。松代にはその徳をたたえ、象山神社が建立されています。
(象山神社=長野市松代町。長野電鉄松代駅下車、徒歩約八分)
 
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水六訓
一、 あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
   
一、 常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
   
一、 如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
   
一、 自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。
   
一、 動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
   
一、 大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
 
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
 
笹川良一
 
OPINION
明日への提言
日・タイ文化交流チャリティー公演に吟剣詩舞道代表団五十三名が参加することになりました
笹川鎮江
 
 来る十月十三日(日)、タイ・バンコク市のタイ国政府広報庁三階公会堂において「日・タイ文化交流チャリティー公演」が開催されることになりました。
 たいへん急なご案内でしたが、財団の名流大会などに出演実績のある先生方にご出演のお願いをしましたところ、河田神泉財団副会長を始め随行者を含め五十三名の皆さまのご参加をいただくことになりました。
 このチャリティー公演は、平成五年から九年にかけて行なわれた「少壮吟士吟詠チャリティー」のエイズ根絶活動笹川基金協賛金及び少壮吟士の河田?泉さんが行なった「小さなコンサート」のエイズ根絶チャリティー協賛金、合わせて五百七十万円が笹川記念保健協力財団(日野原重明会長・紀伊國献三理事長)を通じて、タイ国のエイズ患者子弟への育英資金事業を行なうラジプラチャ・サマサイ財団(タンプジン・スマリー会長)に寄付されたことが始まりです。
 七月初旬、タイ側からのチャリティー公演実施決定の連絡を受けて、笹川記念保健協力財団の紀伊國理事長のご案内で財団事務局が現地打ち合わせのためタイヘ行ってきました。その時、今回のチャリティー公演の決定を祝った私の「祝歌」を持参してもらいましたが、これをスマリー会長邸で開かれた夕食会の席で、矢萩事務局長が朗詠することになったそうです。ご出席の皆さまにたいへん喜ばれるとともに、期せずして吟詠というものを理解していただけるという素晴らしい機会になったという報告を受けています。
 その時の「祝歌」の詩文を紹介させていただきます。
 







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