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表紙説明
名詩の周辺
 
諸生と月を見る(中江藤樹)
滋賀・安曇川(あどがわ)町
 
 中江藤樹は江戸時代初期の学者。通称は与右衛門。藤樹の名は、彼の家に藤の大樹があり、その下で学を講じたので門人たちが藤樹先生と呼ぶようになったと伝わっています(表紙写真参照)。藤樹は慶長十三年(一六○八)近江国高島郡小川村(現在の滋賀県高島郡安曇川町)で生まれました。七歳のとき祖父の養子となり、幼少より学問・武術に励みましたが、藩主の移封で伊予の大洲へ移り、十八歳のとき父を失います。そのため母を大洲へ迎えようとしましたが受け入れられず、二十七歳のとき、母の孝養を理由に脱藩して故郷小川村へ帰ります。故郷では母の世話をするかたわら門人に学を講じて「近江聖人」と称されるに至りました。
 琵琶湖西岸の町安曇川町には駅前に近江聖人中江藤樹先生の大きな銅像があり、また町内には、「藤樹書院跡」が保護されており、「藤樹神社」「中江藤樹記念館」なども作られて中江藤樹がいまもこの町の人々の大きな誇りとなっていることがうかがわれます。
 
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水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
 
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
 
OPINION 明日への提言
第六回ジャパン・カルチャーミーティング・台湾大会の開催を祝って祝歌三首を贈らせていただきました
 
笹川鎮江
 
 去る六月二十三日(日)、台湾・台北市の台湾鉄路管理局演藝廳(台北駅五階大ホール)で、第六回ジャパン・カルチャーミーティング(略称・JCM)台湾大会が開催されました。
 毎年恒例となったJCMの大会でしたが、今回は財団から出演者への参加費補助はありませんでした。しかし、入倉昭星財団常任理事を始めとする十九名の皆さまが吟剣詩舞代表団として奮ってご参加くださいました。
 私は、このJCM大会には一度も参加しておりませんが、何かご協力をと思い、今回、「祝歌」を贈らせていただきました。主催者(JCM台湾大会実行委員会)並びに団員の皆さまにたいへん喜んでいただきますとともに、大会の中でも朗詠され、司会の方から中国語で内容が紹介されますと、満席の台湾の皆さまからもたいへんな拍手をいただいたそうでございます。
 このことは早くから考えていたことでございましたが、今回初めて実現することができ、たいへん喜んでおります。贈呈した祝歌の詩文をご紹介します。
祝歌
第六回ジャパン・カルチャーミーテイング(JCM)台湾大会を祝して捧ぐ
水無月(みなづき)を飾る(かざる)日台交流(にったいこうりゅう)の
台湾大会(たいわんたいかい)めでたかりけれ
讃(さん)たるやJCM(ジェイシーエム)の活躍(かつやく)で
国際交流(こくさいこうりゅう)栄え(さかえ)ゆくらむ
草(くさ)の根(ね)の民間交流(みんかんこうりゅう)光満つ(ひかりみつ)
弥栄(いやさか)祷り(いのり)言祝ぎ(ことほぎ)まつる
笹川鎮江(ささかわしずえ)作
西暦二千二年六月二十三日
於、台北市 台湾鉄路管理局演藝廳







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