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吟剣詩舞だより
南賜吟道会二十周年・二代宗家披露の大会
 思いもかけぬ早い春の訪れに桜の花も咲きだした三月二十三日(土)、愛知県岡崎市せきれいホールにおいて「天風南賜流南賜吟道会創立二十周年記念並びに二代宗家継承披露吟道大会」を、来賓の諸先生方のご支援と、友好流会の皆様のご協賛をいただき、盛大に開催する事ができました。
 午前九時三十分、会詩合吟で幕を開けたプログラムは順調に進み、式典は午後二時、大会委員長の挨拶で始まり、二代宗家継承の儀を執り行ないました。八十四歳を超えたとはいえ、まだまだ意気盛んな初代宗家(母)より「宗家相傳の書」を手渡され、その責の重さに身の引き締まる緊張感を覚え、同時に未熟な私を二代宗家として御承認くださった会員皆様の温かいお心に背くことなく頑張らなければと、決意を新たに致しました。
 本大会のハイライト、構成吟「みちのく吟の旅」は、本職のバスガイドさんを案内役に、BGMはマリンバ、フルート、キーボード奏者を迎えての生演奏。そして舞は日本壮心流の皆様にお願い致しました。女性コーラス・コール岡崎の「津軽のふるさと」の歌声に乗せ、南賜流主催「みちのく吟の旅」バスツアーに出発です。ねぶた囃子を合図にミニねぶたに灯がともり、津軽じょんからの三味の音が会場に鳴り響きました。新しい試みの太棹の伴奏による吟「津軽じょんがら流れ唄」に続き、岩手県渋民村では石川啄木の短歌二首。宮沢賢治の生まれ故郷花巻では有名な新体詩「雨ニモ負ケズ」を吟じ、宮城県松島は「斉太郎節入り松島」の書道吟。山形では松尾芭蕉の俳句二題を。福島は、智恵子抄より「あどけない話」を歌い、そして終点会津若松では、琵琶吟「花の白虎隊」を熱演。フィナーレは会場バス「せきれい号」にご乗車下さった皆様と共に「荒城の月」の大合唱で幕を閉じました。
 名ガイドの案内と壮心流の皆様の素晴らしい舞と、マリンバ・三味線等楽器の生演奏等々、大会にご協力くださいました皆様のお陰で、会場超満員のお客様に大きな拍手を頂くことが出来ました事は、私は勿論のこと、新生「南賜吟道会」にとりましても最高の贈り物と感謝致しております。
(二代宗家・酒井南賜)
 
新しい試み−−津軽三味線の伴奏で吟じる二代宗家
 
心彰流吟剣詩舞道大会盛会に終わる
 陽春の日ざしがまばゆい四月十四日(日)玉村町文化センターにしきのホールにおいて、心彰流愛吟詩道会の第三十七回吟剣詩舞道大会が盛大に開催されました。
 心彰流愛吟詩道会は、宗家金井心彰先生が、初代土田岳心先生の指導のもとに「荒(すさ)びかけた世道人心を浄化して真の日本の心を呼び起こすこと」を旗印として、昭和四十三年四月に第一回吟詠発表会を開催して以来例年この時季に吟剣詩舞道大会を開催しております。
 当日は県外からご来場者も加わり、千人に近い客席は早朝から終日満員の盛況でした。舞台は、支部会吟詠、師範会吟詠、全国コンクール決勝大会出場者等の選抜者吟詠と進み、午前の部を済ませて昼食休憩に入りました。
 午後の部の幕開けは式典で、心彰流の名誉顧問で、総務副大臣の佐田玄一郎衆議院議員も駆けつけて激励の挨拶をしたほか、衆議院議員の笹川堯先生は、ご名代を派遣して祝辞を述べられ、さらに群馬県議会を支える中堅議員三名の先生が次々に登壇して祝辞を述べ、最後に地元玉村町の町長様が祝辞されました。祝辞の内容は、異口同音に「精神文化の昂揚は吟剣詩舞道の普及に懸かっている」というような内容で、最近における人心の荒廃を嘆き、吟剣詩舞道に寄せる期待を強く感じました。続いて、財団会長の笹川鎮江先生から頂戴した祝電が披露されました。
 式典のあと、総本部企画による構成吟「詩歌に詠ず日本の心」が青年部、心彰流選抜者及び総本部理事並びに常任理事の総勢二百名を超える出演者によって発表されました。
 続いて、ご来賓吟詠のあと、宗嗣吟詠で「歌謡吟日本刀」に剣舞を添え、宗家吟詠「母・非行少年母の愛に泣く」に、特別出演の靜風流宗家志村靜風先生及び志村靜世先生の詩舞を添えてご覧戴き、午後四時に閉会しました。
(米山心煌記)
 
構成吟のフィナーレで200名の大合吟







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