業務車両
業務車両とは、公的機関、個人、会社等が所有するバン(ミニバス)、ミニバス、バスのことをいう。公共の業務車両の運行主体と対象は、その車両を所有する公的機関である。
個人・会社等が所有する業務車両は、レンタルで公的機関や会社等までの通勤通学に使われている。
会社等によっては、従業員の送迎用に業務車両を所有するところもある。
現在アンカラには、民間の業務用バス・ミニバスが3,800台、民間の業務用ミニバスが260台、公的な業務用バス・ミニバスが630台、公的な業務用ミニバスが160台(軍のものを含む)があり、合計4,867台となっている。
むやみに増加する民間の業務車両を規制する規則が1997年に施行された。この規則により、民間の業務車両は、EGO総局による検査を毎年受けなければならず、合格した車両には運行許可証(免許)が付与され、市警察の監視を受けることになる。
3.e. 私的交通
公用車と自家用車
近年、アンカラの都市交通手段として使用される公用車と自家用車の数が急増している。アンカラ県の自家用車台数は40万台であり、そのうちの35万台はアンカラ市の数字であると思われる。
駐車の問題があり、また市内、特に中心街の道路が不十分であるため、自家用車の使用は制限されている。
タクシー
タクシーの所有者がドライバーも務めていることが一般的である。会社や協同組合に属していないのである。タクシーが共同で利用するタクシー乗り場は利用するものの、基本的には流し運転である。中心街の交通量の40〜45%を占めるのがタクシーである。最近のタクシー台数は7,660である。料金は所属する組合によって決定される。
4. 課題と成果
バス公社は赤字のため、自力で改革を推進することができない。赤字の埋め合わせや車両の整備・交換をするために継続的な補助が必要である。様々なメーカーや型があるため、整備・修理やスペア部品は日常の問題となっている。
人口の増加や都市の成長に合わせて車両の台数を増やすことは、不可能である。ローンで購入するとバス公社の負担が大きい。
報告や調査結果によれば、EGOのバス車両よりも2倍の大きさのバス車両がアンカラで運行されている。この大型バスの多くは、非効率な運行がなされている。一日に片道運行を2回ほどしかしていない。渋滞の激しい商業中心地区でバスの停車スペースやバス停を十分に確保することは、非常に困難である。公共バスが不足すると、ある程度、民間の交通機関に頼ることになるとともに、会社等や公的機関が個別、または無秩序にバスを運行する事態を招く。
ミニバスや民間の交通機関は、利潤追求のみを目的としている。民間の交通機関は、公共交通サービスの代用というよりは、補完するものでしかないだろう。
一方ミニバスは、多くの利点がある。運行速度が速く、快適な上、地形条件に適しているので、乗客にとっては相当に好ましい交通手段である。
しかし、規定の場所以外で乗降を行うなどの規則違反をすることも多く、このような定員が少ない車両の運行を完全に管理することは不可能である。私営バスについては、運行上、ミニバスと相当に類似していることが問題となっている。ミニバスと同様に、できるだけ多くの乗客を乗せようとしてバス停に長時間停車したり、規定外の場所で乗降をするため、バスが大きく遅れてしまう。公営のバスが不足しているため、私営バスを利用せざるをえない乗客がほとんどである、というのが現状である。
活発に成長するアンカラ市は、不確定要素が大きく、決定事項も変更されることが多いので、継続的な計画の立案・実施が必要である。交通マスタープランでは、継続的なフィードバックを行うしっかりとした立案の仕組みを作る必要性や、会社等や機関がこの仕組みと調和・整合性を取って事業を行う必要性が強調されている。研究・計画・実行を総合的に行うためには、中期の都市交通計画5ヵ年計画と短期(1年)の都市交通計画を策定して、計画における決定事項を実施するとともに、定期的な見直しをしなければならない。
中央政府と地方政府の権限が重なっている分野が存在するため、新たな行政システムを模索する必要がある。
5. 公共都市交通に関する将来計画
5.a. 鉄道輸送システム
アンカラ交通マスタープランでは、地下鉄、ライトレール輸送システム、郊外鉄道からなる総延長130kmの公共交通網が提言されている。その中では、地下鉄線・駅・列車区、整備場などの大まかな配置・規模などが出されている。
駅や車庫等の位置・配置は、EGO総局が作成し、UKOMEの承認を得る基本設計図に基づいて作成される1/1000スケールの再建計画で決定されることになっている。
鉄道輸送システムに接続する駅については、駅での乗換需要に対応するようにする。そのためには、駅の基本設計図を周辺配置図とともに作成し、それを再建計画に盛り込まなければならない。駅周辺には駐車場を建設すべきであるが、歩行者優先エリア外に建設することや公共交通乗換エリアを優先することが条件である。
第二計画においても、優先順位をつけて新線の整備を検討し、2015年以降についても検討する。計画線の工事が終了するまで、バスの運行を考慮する。
5.b. 計画線
アンカラ地下鉄ステージ2(Kizilay−  ayyolu)計画
1987年のアンカラ交通マスタープランでは、地下鉄の二期区間として西方への延長が計画されており、具体的にはKizilayを起点として、In  n 
Boulevardに沿ってMETUまでとされている。1994年に改訂承認された交通マスタープランで行われた評価の結果、交通需要水準や土地利用計画との整合性の観点から、本線が優先課題であることは変わらないだけでなく、この沿線の開発により、交通需要も上昇していることが判明した。  ayyolu大型住宅開発によって、  ayyoluまでの延長が必要となったのである。
Kizilay−  ayyoluを結ぶ地下鉄線についていくつかの候補ルートを検討した結果、Eskisehirに至る道路に沿ったルートが、最も効率的で効果的であると判断された。基本設計図とフィージビリティ・スタディは1994年に完了している。総延長は18.3km、駅の数は16である。
本計画はできるだけ早く実施して、住宅地、公共の建物、職場、学校等がある地区からの交通需要の急増に対処するとともに、Eskisehirに至る道路の混雑の緩和を図らなければならない。
本計画は、国営計画機関(DPT)による1997年投資計画に含まれた。
5.c. 地下鉄の延伸
2015年までに次の4路線を完成し、地下鉄網の総延長は44.5 kmとする。
1. Kizilay−Batikent
2. Kizilay−  ayyolu
3. Ulus−Ke  i  ren
4. TBMM−Dikmen
Kizilay、Iskitler、Atat  rk文化センター、Balgatの各駅は、アンカラ・ライトレール・システム(ANKARAY)への乗り換えができるような構造にする。ただし、Balgatについては、詳細な設計を行った上で別途決定する。
地下鉄線の主要な電車区はMacunk  yに建設する。地下鉄網が拡大したら、必要に応じて第二電車区を  ayyoluに建設する。
5.d. アンカラ・ライトレール・システム(ANKARAY)の延伸
2015年までにANKARAYシステムの延伸を行い、総延長を22kmとする。ANKARAYシステムが完成すると次の区間で構成されることになる。
1. Dikimevi−A  TI
2. Kurtulu  −Siteler
3. Maltepe−Etiik
ANKARAYシステムは、上記「地下鉄の延伸」の項で示した駅で地下鉄と連絡する。さらに、Maltepe−Etlik線のCentral
Gar駅、Kurtulu  −Siteler線のCebeci駅、Demirlibahce駅との連絡も検討する。
ANKARAYの中央電車区は、アンカラ中央都市バスステーション(A  TI)の南側に建設する。
ANKARAYシステムの拡大に伴い必要が生じたら、Sitelerの北にも電車区を建設する。
A  TI−  ukurambar間、Dikimevi−Do  ukent間の建設も検討する。
郊外鉄道のアンカラ地区の部分は、距離にして37.5km、駅の数は28ある。この輸送量を現行の水準よりも増加させる。そのために、複線の郊外鉄道に加え、長距離列車や国際列車用の専用線を整備する。
5. e. バスシステム
アンカラ市で運行されるバスシステムは、鉄道輸送システムが完成した後、最も重要な交通サービス要因と捉える必要がある。あらゆる道路や交差点の建設においては、第一計画の中で、バスの運行を考慮しなければならない。
鉄道が整備されるまでは、沿線の高い交通需要に対応するため、バスの運行を最優先に検討する。
Egen QuartersとMacunk  yにあるバスの車庫・整備工場は、本格的な整備工場に改造するとともに、Hippodromeにある中規模の修理工場は撤去する。さらに、Varlik Quartersにある整備場を廃止する一方、SincanおよびOR-ANの車庫は維持する。車庫機能と日常の整備機能を持った施設をGolbasi、Baglum、  ayyolu、Incekに新設する。
バス路線の計画において行われる変更に伴い、Urban中心地の事務所とターミナルは廃止する。
交通マスタープランのチャートにある車庫・整備工場の位置は、大まかなものである。正確な位置については、再建計画により決定する。
アンカラ市が運営するバスの運行範囲は、市と周辺地域の境界内とし、この規則は運行が開始される日から発効する。
Appendix 2
SYSTEM CHARACTERISTICS OF METRO I
Daily Passenger Capacity |
:500,000 Persons |
Number of Passengers Per Day |
:175,000 Persons |
Number of Passengers Per Year |
:50,000,000 Persons |
Number of Trips Per Day |
|
Summer Timetable |
:273 |
Winter Timetable |
:363 |
Number of Trips Per Year |
:111.517 |
Number of Trains (Fleet Size) |
:108 (6×18=108) |
Number of Stations |
:12 |
Average Speed of Trains |
:38 Km/h |
Maximum Speed of Trains |
:80 Km/h |
Length of Route |
:14,661 Km |
Number of Seats Per Train |
|
A Type |
:60 |
B Type |
:62 |
Passenger Capacity Per Train |
:294×6 (1,764) Persons |
Average Waiting Time at Stations |
:17-22 Sec |
Traction Power |
:750 Volt DC |
Total Number of Doors Per Train |
:8 |
Total Number of Escalators |
:24 |
Total Number of Close Circuit Television System
(CCTV):90 |
|