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2. 海外調査ニュース
●情報収集事業
調査団名 :アジア・大洋州B班
対象国 :インドネシア
調査分野 :都市交通
調査期間(日数) :14.6.20〜7.2(13)
 
【調査の概要】 マカッサル都市圏総合交通計画調査
 
調査の背景・現況
 インドネシア国スラヴェシ島最大の都市マカッサル市(旧称ウジュンパンダン)は周辺都市を含め約200万の人口を持つマミナタサと呼ばれる都市圏を形成している。また、郊外においては約120社からなる工業団地が整備され、周辺域の農林水産業の成長と併せて、都市圏の急速なスプロールにより、交通渋滞、公共交通サービスの低下、沿道の大気汚染等の交通問題が激しくなってきている。1987年11月から1989年3月にかけて、国際協力事業団(JICA)は「ウジュンパンダン都市圏道路整備計画調査」を実施し、それに沿ってマカッサル市役所は、用地取得や財源の確保が難しいにも拘わらず、環状道路・放射道路の整備を進めてきている。しかし、交通量の急速な増加に道路整備が追いつかず、至る所で混雑が発生するとともに、市民の足であるバスの運行環境は一層悪化してきている。
調査事項
1)道路整備状況
 JICA調査で提案された道路(リング道路新設、ペタラニ通り拡幅)の整備状況の確認
2)交通・運輸状況
 車両の登録台数、ミニバスの運営・経営状況、ロータリー・バスターミナルの整備状況
3)調査実施機関の状況
 マカッサル市役所の道路局・運輸局の組織状況、バスターミナルの運営状況
現在の問題点
(1)幹線道路の交差点、バス停付近等におけるピーク時での渋滞の激化
(2)道路交通における車と手押し車、ベチャ、モーターサイクル等の混在
(3)ミニバスの道路上での客待停車による渋滞発生
(4)郊外バスターミナルから市内中心部を結ぶミニバスヘの乗り換えの不便さ
(5)スタミ道路のタロウ川に架かる橋梁の交通容量不足と老朽化
(6)無秩序な路上駐車
(7)信号機の不足並びに故障
今後の見通し
 南スラヴェシ州政府及びマカッサル市役所は、日本政府の技術協力による総合都市交通計画調査による整備計画の策定に大きな期待を有している。早急に要請書をとりまとめ、中央政府の経済企画省(Bappena)に送付する予定とのことである。
所見
 交通改善対策として、駐車規制、ベチャ専用レーンの設置、信号機の改善、一方通行の見直し等のソフト対策であるTDM(交通需要管理)を適用、バス運行の改善によるバス利用客の促進等既存インフラ施設の有効利用を焦点に当てた即効性のある総合的な都市交通改善計画の立案が必要と考えられる。
 
 
 
 







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