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2. 新潟県佐渡島
2.1 「循環型エコアイランド推進プラン」
 新潟県環境生活部廃棄物対策課では、平成12年度に、有識者(新聞論説委員、政策の専門家)、行政(市町長、新潟県担当課長、保健所担当課長)、事業者(漁協、農協、建設業)、住民代表から成る「循環型エコアイランド検討委員会」を設置し、佐渡島の廃棄物等処理システム構築に向けた提言を行った。
 
2.2 廃棄物等取扱方針
 佐渡島では、一般廃棄物のリサイクル率が低く、産業廃棄物処理施設の不足などによる不法投棄や野焼きなどの不適正処理が行われることがあった。佐渡島としては、廃棄物等取扱方針として、以下の項目をうち立てた。
 
・廃棄物の発生抑制
・「島内完結型(ゼロエミッション型)の廃棄物循環・処理システム」の構築
・・・島内で排出された廃棄物はできるだけ島内において再生利用・処理を完結する
 
佐渡における廃棄物循環・処理システムのイメージ図
(拡大画面:83KB)
資料: 新潟県環境生活部廃棄物対策課「循環型エコアイランド推進プラン ごみゼロの美しい佐渡を目指して」(平成13年3月)
 
2.3 具体的な提言
(1)一般廃棄物について
(1)発生抑制
(2)リサイクルの推進
・島内におけるごみ処理の統一化
・生ごみのリサイクル(堆肥、飼料化)
・ホテル、旅館等からの食品廃棄物のリサイクル(堆肥、飼料化)
・家電リサイクルの島内統一システムの構築
 (小売店、運搬業者等関係者の協力による効率的収集・運搬システムの構築)
・廃食用油のリサイクル(石鹸、ベジタブルディーゼルエンジンへリサイクル)
・観光客に対する協力要請(ごみ減量化、分別の徹底等)
・溶融スラグの資源化の推進(島内灰溶融施設から発生するスラグのリサイクル)
(3)適正処理施設の確保
 
(2)産業廃棄物について
(1)発生抑制
(2)リサイクルの促進
・漁業系産業廃棄物(魚腸骨の飼料化、FRP廃船処理ルート整備)
・食品系産業廃棄物(堆肥、飼料化)
・建設系産業廃棄物(業界団体によるリサイクル業者育成、共同リサイクル施設整備)
・使用済み自動車(使用済み自動車リサイクル体制の整備)
(3)適正処理の確保
・農業用廃プラスチック類(回収・処理ルート整備)
・中間処理施設の整備(業界団体によるリサイクル業者育成、共同リサイクル施設整備)
・最終処分場の整備
 
(3)関係者の役割について
(1)島民の役割
・ごみ減量化
・回収への協力
・リサイクルの推進
(2)事業者の役割
・環境に配慮した事業活動の推進
・業界団体等によるリサイクル業者育成および共同リサイクル施設整備
(3)市町村の役割
・分別収集体制の整備
・分別基準の統一
・集団回収への支援
・処理施設の適正な維持
(4)県の役割
・市町村等への助言および支援
・不適正処理への指導および法に基づく厳正な対応
・廃棄物処理やリサイクルのための情報提供
・リサイクル関連産業の育成(リサイクル製品認定制度の創設、県の事業におけるリサイクル製品の率先使用)
・リサイクル施設、処理施設設置への支援
(5)観光客の役割
・市町村等が実施するごみの減量化およびリサイクルの取り組みに協力(ごみの分別排出、ポイ捨て禁止)







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