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6. 今後の廃棄物物流の動向
 ここでは、主要廃棄物についての今後の動向を整理する。また、平成22年を対象年とする。
 
6.1 人口動向
 日本では、人口の減少が予想されている。対象離島についても例外ではなく、以下のように減少するという推計値が出されている。
 対馬、壱岐における平成22年の人口は、平成12年と比較し、約1割減少すると推計されている。
 上五島における平成22年の人口は、平成12年と比較し、2割近く減少すると推計されている。
 下五島における平成22年の人口は、平成12年と比較し、約1割近く減少すると推計されている。
 
表−6.1.1 対馬の人口推移(推計)
(単位:人)
  平成12年人口 平成17年人口 平成22年
人口 平成12年比
高位推計 41,230 39148 37228 -0.097
中位推計 41,230 39024 36896 -0.105
低位推計 41,230 38901 36556 -0.113
資料: (株)長崎経済研究所「長崎県の将来人口推計−2025年のすがた−」
  (平成14年8月)
 
 
表−6.1.2 壱岐の人口推移(推計)
(単位:人)
  平成12年人口 平成17年人口 平成22年
人口 平成12年比
高位推計 33,538 32,093 30704 -0.085
中位推計 33,538 31,994 30427 -0.093
低位推計 33,538 31,898 30160 -0.101
資料: (株)長崎経済研究所「長崎県の将来人口推計−2025年のすがた−」
  (平成14年8月)
 
 
表−6.1.3 上五島の人口推移(推計)
(単位:人)
  平成12年人口 平成17年人口 平成22年
人口 平成12年比
高位推計 27,559 25266 22981 -0.166
中位推計 27,559 25210 22836 -0.171
低位推計 27,559 25140 22653 -0.178
資料: (株)長崎経済研究所「長崎県の将来人口推計−2025年のすがた−」
  (平成14年8月)
 
 
表−6.1.4 下五島の人口推移(推計)
(単位:人)
  平成12年人口 平成17年人口 平成22年
人口 平成12年比
高位推計 48,533 45749 43214 -0.11
中位推計 48,533 45641 42924 -0.116
低位推計 48,533 45528 42608 -0.122
資料: (株)長崎経済研究所「長崎県の将来人口推計−2025年のすがた−」
  (平成14年8月)
 
人口推計の手法
 推計は、人口推計の手法として一般的に用いられているコーホート要因法によって行われている。この手法はコーホート(同時期出生集団、今回の推計では5歳階級別・性別人口)毎の5年間の生残率、社会移動率(純移動率)、出生率を設定して、5年後のコーホート人口を算出するという作業を繰り返し行うものである。
 将来の出生数は、各年次における15〜49歳の女子が生む子供の数の合計とすることから、推計には将来の女子年齢別出生率が必要となる。ここでの出生率の仮定値は、国立社会保障・人口問題研究所が平成14年1月に発表した「日本の将来推計人口」における全国の出産年齢階級別出生率の将来推計値(高位、中位、低位)に、長崎県と全国の合計特殊出生率(過去5年の平均)の乖離率を乗じて設定している。そのため、ここでの各離島の人口推計も、高位、中位、低位の3ケースを示した。
 
6.2 現状
(1)ペットボトル
1)排出量
 廃ペットボトルは、一般廃棄物と産業廃棄物に分かれる。ここでは、容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)で対象となっている一般廃棄物を対象とする。なお、事業所から発生する廃ペットボトルは、廃プラスチック類に分類されている。
 ペットボトルは様々な用途に使われており、生活になくてはならない容器となっている。容器包装リサイクル法では、ペットボトルのうち、清涼飲料、しょうゆ、酒類を充てんするために用いられた場合はペットボトル、その他の用途で用いられた場合はプラスチック製容器包装として収集、処理されることになっている。
 
表−6.2.1 全国ペットボトル生産量(平成13年)
容器包装区分 用途 生産量(トン) 割合
ペットボトル 清涼飲料 380,372 85.9%
しょうゆ 11,265 2.5%
酒類 11,090 2.5%
合計 402,727 91.0%
プラスチック製容器包装 洗剤、シャンプー 5,998 1.4%
食用油 3,264 0.7%
調味料 12,838 2.9%
化粧品 7,310 1.7%
医薬品、その他 10,643 2.4%
合計 40,053 9.0%
合計 442,780 100.0%
資料:PETボトルリサイクル推進協議会HP
 
 廃ペットボトルの排出量を示した統計資料はない。そこで、対象年度におけるペットボトル生産量を廃ペットボトル排出量と考える。また、用途別ペットボトルの排出量をみると、清涼飲料用ペットボトルが最も多い。清涼飲料は、個人による消費が多いものと考え、全国の発生量を各県人口比率で割り振り、対象地域における廃ペットボトル排出量を推計した。
 平成12年における排出量(推計値)は、対馬では約150トン、壱岐では約120トン、上五島では約100トン、下五島では約170トンである。
 
表−6.2.2 廃ペットボトル排出量推計値(平成12年)
地域名 排出量(トン) 人口(人) 人口割合
対馬 150 41,230 0.03%
壱岐 120 33,538 0.03%
上五島 100 27,559 0.02%
下五島 170 48,533 0.04%
長崎県 5,400 1,516,523 1.19%
全国 452,000 126,925,843 100.00%
注: 人口は平成12年の数値。
資料: PETボトルリサイクル推進協議会HP
総務省「平成12年 国勢調査」
 
2)処理
 廃ペットボトルを回収した自治体は、リサイクル処理を(財)日本容器包装リサイクル協会に委託する場合と、直接リサイクル施設に委託する場合がある。
 (財)日本容器包装リサイクル協会に委託した場合、日本全国どこの自治体であろうと、一定の料金を支払えば、ペットボトルをリサイクル施設まで輸送し、リサイクルしてもらえる。そのため、離島など輸送コストがかかる地域の自治体にとっては、直接リサイクル施設へ委託するよりも輸送コストが安くなる場合がある。
 今後は、輸送コストを削減するべく、(財)日本容器包装リサイクル協会へ委託する自治体が増えるものと考えられる。
 
3)輸送
 (財)日本容器包装リサイクル協会に委託した場合、荷姿は圧縮梱包状態でなければならない。また原則として10トン車で引き取ることになっているため、10トン分の保管が必要となる(ただし、大型車が入れないなど、10トン車での輸送ができない場合は4トン車などに変更できる)。
 また、自治体が直接リサイクル施設に委託する場合は、フレキシブルコンテナに入れて輸送している。







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