日本財団 図書館


3.1.2 循環型社会の枠組み・仕組みに関する法律
(1)環境基本法
(1)主旨
 「環境基本法」は、環境問題は地球的規模の問題であり、次世代に対しても影響する問題であることを示している。基本理念として、以下の3点を示している。
・環境の恵沢の享受と継承
・環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築
・国際的協調による地球環境保全の積極的推進
 また、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とし、「環境基本法」に基づき、政府の環境保全に関する基本的な計画として「環境基本計画」が策定された。
 
(2)循環型社会形成推進基本法
(1)主旨
 「循環型社会形成推進基本法」は、循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律である。循環型社会を、「廃棄物等の発生抑制」「循環資源の循環的な利用」「適正な処分が確保」されることによって、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会であることを示した。
 また、循環型社会の形成に向け、国、地方自治体、事業者及び国民が全体で取り組んでいくため、これらの責務を明確にすることを示した。特に、事業者・国民の「排出者責任」を明確にし、生産者が自ら生産する製品等について、使用され廃棄物となった後まで一定の責任を負う「拡大生産者責任」の一般原則を確立した。
 
(3)資源有効利用促進法
(1)主旨
 「資源の有効な利用の促進に関する法律(通称、資源有効利用促進法)」は、循環型社会の構築のため、廃棄物の発生抑制、部品等の再使用、使用済み製品等の原材料としての再利用を総合的に推進するための枠組みを整備したものである。
 
(2)改正
 平成3年に施行された「再生資源の利用の促進に関する法律」が改正され、「資源有効利用促進法」として公布された。
 
(4)廃棄物処理法
(1)主旨
 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法)」は、昭和45年に廃棄物の処理責任、処理方法、処理施設、処理業等を規制する目的で制定された。平成6年の改正は、最終処分場等の処理施設不足、不法投棄の増加等を鑑み、循環型社会形成のための適正処理体制の観点から行われた。
 
(2)改正
 昭和61年、平成3年、平成6年に改正が行われている。
 
3.2 個別循環資源に対する法規制
3.2.1 容器包装リサイクル法
(1)目的
 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(以下、容器包装リサイクル法)」は、一般家庭から排出されるゴミの大部分を占める容器包装材を再び商品としてリサイクルすることにより、ゴミの減量化と再資源化を図ることを目的とし、1995年(平成7年)に制定された。2000年(平成12年)からは対象を拡大し、完全施行されている。
 
(2)リサイクルルート
 容器包装リサイクル法では、リサイクルルートを以下のように三通り設定している。
 
図−3.2.1 リサイクルルート
(拡大画面:89KB)
出所: 『平成12年度版 容器包装リサイクル法』(経済産業省作成パンフレット)
 
 
対象となる容器包装
 分別収集の対象となる容器包装は、以下の通りである。このうち、リサイクル義務が生じるのは、ガラス製容器、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装、発泡スチロールである。
 
表−3.2.1 分別対象となる容器包装
義務の有無 容器包装
リサイクル義務が生じる商品 ガラス製容器、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装、発泡スチロールトレイ
リサイクル義務が生じない商品 スチール缶、アルミ缶、紙パック、段ボール
 
(3)関係者の役割
 容器包装リサイクル法では、消費者、市町村、特定事業者の役割を定めている。
 
表−3.2.2 関係者の役割
関係者 役割
消費者 分別排出
市町村 分別収集
特定事業者 再商品化
ただし、委託料を支払うことにより、指定法人に委託できる
指定法人
(財団法人 日本容器包装リサイクル協会)
再商品化の代行
リサイクル促進
注: 特定事業者は、対象となる容器を製造、または利用する事業者、対象となる包装を利用する事業者のうち、売上げ高、従業員数が一定以上の企業。
 
(4)分別収集に取り組んでいる市町村
 平成12年度にリサイクル義務が生じる商品の分別収集を行った市町村は、以下の通りである。ガラス製容器、ペットボトルについては、分別収集に取り組んでいる市町村が多いが、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の分別収集に取り組んでいる市町村は少ない。
 
表−3.2.3 分別収集に取り組んでいる市町村数(平成12年度)
品目名 無色の
ガラス容器
茶色の
ガラス容器
その他の色の
ガラス容器
紙製
容器包装
ペットボトル プラスチック製
容器包装
分別収集に取り組んでいる市町村数 2,618 2,631 2,566 343 2,340 881
全国市町村数に対する割合 81.1% 81.5% 79.5% 10.6% 72.5% 27.3%
資料: 環境省HP「平成12年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集及び再商品化の実績について」







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION