2.4.3 上五島地区
(1)上五島地区における港湾・航路
(1)港湾
・上五島地区の積出港は、有川港と青方港である。
(2)航路
・有川港−佐世保港間では、貨物フェリー、定期フェリーが、青方港−博多港間では定期フェリーが利用されている。
・有川港から佐世保港行き貨物フェリーの利用が、この地区における輸送の中心である。
・青方港では、博多港行きの定期フェリーと、チャーター船が利用されている。
・博多港行きの定期フェリー利用は、トラックが直接乗り込むのではなく、荷物だけがコンテナに入れられ運搬されている。積載効率を上げるために、定期フェリー会社が各種コンテナを作製している。
(2)主要廃棄物の輸送状況
(1)一般廃棄物
・びん類、ペットボトルは、コンテナに入れられ定期フェリーで博多港へ輸送されている。
・トレー、アルミ類は、佐世保行き貨物フェリーを利用して、トラック輸送されている。
・海岸漂着物は、回収者が処理しており、危険物等を除き島外搬出されていない。
(2)廃家電
・廃家電は、宅配便ルートで佐世保市の指定引取場所へ運搬されている。
(3)使用済み自動車
・使用済み自動車の運搬は業者によって異なる。
(1)有川港からチャーター船を利用して北九州港へ。
(2)有川港から佐世保港行き貨物フェリーにトラックが直接乗りこみ、佐賀の業者へ。
(3)青方港からチャーター船で時津港へ。
の3パターンがある。それぞれの運搬量、頻度は、(1)が年間300台で6ヶ月に1回、(2)が年間120台で毎月10台程度、(3)が年間420tで4ヶ月に1回である。
(4)建設廃材・金属くず等
・有川港から定期フェリーを利用してトラック輸送される分と、青方港からチャーター船で北九州港に運ばれている分がある。
図−2.4.5 上五島地区各港湾からの主な輸送物
(拡大画面:45KB) |
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注:数量は平成13年度1年間の実績
図−2.4.6 上五島地区の主な輸送ルート
(拡大画面:33KB) |
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表−2.4.3 上五島地区におけるおもな廃棄物等の輸送状況
港名 |
廃棄物の
種類 |
排出者 |
船の種類 |
船会社 |
荷姿 |
行先 |
目的地 |
輸送先 |
有川港 |
使用済み
自動車 |
整備工場 |
チャーター船 |
中里造船所 |
バラ積み |
北九州港 |
北九州市 |
金属回収業者 |
使用済み
自動車 |
整備工場 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐賀県多久市 |
金属回収業者 |
廃油 |
電力会社 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐世保市 |
産廃運搬業者 |
廃プラ |
建設会社 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐世保市 |
産廃運搬業者 |
金属くず |
建設会社 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐賀県多久市 |
金属回収業者 |
木くず |
建設会社 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐世保市 |
産廃運搬業者 |
アルミプレス |
上五島
リサイクルプラザ |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐賀県多久市 |
金属回収業者 |
白色トレー |
上五島
リサイクルプラザ |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐賀県多久市 |
金属回収業者 |
廃家電 |
家電小売店 |
貨物フェリー |
日本通運 |
トラック
乗込 |
佐世保港 |
佐世保市 |
指定引取場所 |
青方港 |
使用済み
自動車 |
整備工場 |
チャーター船 |
不明 |
バラ積み |
時津港 |
多良見町 |
金属回収業者 |
一般鉄屑 |
金属回収業者 |
チャーター船 |
不明 |
バラ積み |
北九州港 |
不明 |
金属回収業者 |
空きびん |
上五島
リサイクルプラザ |
定期フェリー |
野母商船 |
コンテナ
積み |
博多港 |
岐阜県 |
不明 |
ペットボトル |
上五島
リサイクルプラザ |
定期フェリー |
野母商船 |
コンテナ
積み |
博多港 |
唐津 |
廃プラ再生工場 |
ペットボトル |
上五島
リサイクルプラザ |
定期フェリー |
野母商船 |
コンテナ
積み |
博多港 |
苅田 |
セメント工場 |
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注: |
上五島地区の自治体、産業廃棄物処理業者、産業廃棄物収集運搬業者へのアンケート、ヒアリングにより作成。 |
2.4.4 下五島地区
(1)下五島地区における港湾・航路
(1)港湾
・下五島地区での積出港は、福江港のみである。
(2)航路
・福江港からは、博多港行きの定期フェリーと、長崎港行きの定期フェリー、貨物フェリーおよび貨物船の航路がある。
・長崎港行きの定期フェリー、貨物フェリー利用が多い。長崎港行きの定期フェリー、貨物フェリーは、トラックが直接乗り込む形で利用されている。
・チャーター船は、北九州港や伊万里港への輸送に利用されている。
(2)主要廃棄物の輸送状況
(1)一般廃棄物
・福江市が収集したかん類・古紙は、チャーター船を利用し、4ヶ月に1回程度伊万里港に運ばれている。
・廃棄物処理業者が、博多港行きの定期フェリー船を利用し、パレット積みして古紙を搬出している。
・海岸漂着物は、自治体の処分場で処理されており、危険物等特殊品を除いて島外搬出されていない。
(2)廃家電
・廃家電の輸送ルートは複数ある。
a. 宅配便業者により、宅配便の物流ルートを利用した搬送
b. 海運業者による搬送
c. 地元大手運送業者による搬送
であり、小売店はa.とb.、量販店はc.の方法をとり、いずれも長崎地区の指定引取場所へ運ばれている。
(3)使用済み自動車
・使用済み自動車は、現在島外搬出されていない。島内に自動車のシュレッダー機を設置している業者があり、まもなく稼働開始予定である。
(4)建設廃材・金属くず等
・金属回収業者がチャーター船を利用して、北九州港へ直接輸送しているケースがある。
(5)その他
・長崎港行きの定期フェリーを利用して、特別管理廃棄物の輸送トラックが週に1回、山口県の中間処理業者まで医療系の廃棄物を運搬している。
・長崎港行き貨物船で、廃油が輸送されている。廃油の運搬量は年間約54tで、年に2回運ばれている。
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