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1.3.2 対象離島の状況と港湾における循環資源取扱方法の提案
(1)対馬
(1)廃棄物中間処理業者・廃棄物収集運搬業者の循環資源取扱状況
・中間処理業者、収集運搬業者は、内陸に集積ヤードを整備している。
・ほとんどの循環資源は、厳原港から貨物船の帰り荷として本土へ輸送されている。
・厳原港の近くに集積ヤードの整備を希望している業者がある。
 
(2)港湾の状況
・対馬の循環資源は、ほとんどが厳原港から本土へ輸送されている。
・貨物船の帰り荷として取り扱われていることから、循環資源と一般貨物の分離は非現実的。
・集積ヤードは内陸にあり、港湾までの陸上輸送コストが掛かっている状況で、取扱業者からは、港湾のなるべく近くに設置したいという要望が出ている。
・中期的には、厳原地区で新たな港湾の整備が行われる。
 
(3)港湾における循環資源取扱方法の提案【厳原港】
(短期的対応)
 港湾施設及び土地が不足する現状を鑑みると当面は現状体制(パターンIV)となるが、極力ふ頭内で仮置ヤードが確保できる「パターンII」になるよう配慮する。
(中、長期的対応)
 厳原地区において、定期フェリー、貨物フェリーや建設資材取扱に対応した岸壁の着工が予定されるとともに、久田、厳原両地区を結ぶ臨港道路の整備が進められている。整備後の機能再配置等の中でパターンI、IIの可能性も検討する。
 この際、機能配置に応じて、循環資源を人や一般貨物と同じ場所で扱う場合には、荷姿の改善、循環資源のユニット化等や緩衝緑地の設置など景観・飛散等に対しても配慮を行う。
 
図−1.3.1 厳原港
 
 
図−1.3.2 厳原港計画平面図
(拡大画面:319KB)
 
(2)壱岐
(1)廃棄物中間処理業者・廃棄物収集運搬業者の循環資源取扱状況
・中間処理業者は、内陸の自社敷地内で集積ヤードを確保している。
・中間処理業者は、複数の港湾を利用しており、各港湾に仮置ヤードを確保したいと考えている。
・ほとんどが定期フェリー、貨物フェリーまたは貨物船で輸送しており、チャーター船での輸送はあまりない。
 
(2)港湾の状況
・壱岐の循環資源は、郷ノ浦港、印通寺港、芦辺漁港から本土へ輸送されている。
・印通寺港、芦辺漁港には、複数の業者が利用している仮置ヤードがある。
・郷ノ浦港については、荷捌き・積出しヤードの確保を要望している業者がいる。
 
(3)港湾における循環資源取扱方法の提案【郷ノ浦港、印通寺港】
(短期的対応)
 郷ノ浦港には仮置ヤードが無いことから、鎌崎地区の建設資材ヤード等を中心に仮置ヤードの確保を検討し、陸上輸送距離の短縮を図る。(パターンIII)
(長期的対応)
 壱岐の中間処理業者は、循環資源により利用する港湾が異なっている。そのため、集積ヤードは自社敷地内に設置するものとし、港湾での仮置ヤードの確保を検討する(パターンII)。
 壱岐からの循環資源は、ほとんど定期フェリー、貨物船で輸送されることから、人や一般貨物と同じ場所で扱われることとなる。そこで、荷姿の改善、循環資源のユニット化等や緩衝緑地の設置など景観・飛散等に対する配慮を行う。
 
図−1.3.3 郷ノ浦港
 
 
図−1.3.4 郷ノ浦港港湾計画図
 
 
図−1.3.5 印通寺港
(拡大画面:193KB)
 
(3)上五島
(1)廃棄物中間処理業者・廃棄物収集運搬業者の循環資源取扱状況
・中間処理業者は、内陸に集積ヤードを確保している。
・貨物フェリー、定期フェリーの利用がほとんどであるが、一部の循環資源(使用済み自動車の一部、鉄屑の一部など)についてチャーター船を利用している。
・上五島で使用されている中間処理施設は、移動式のものが多く、循環資源排出現場で即中間処理をする場合が多い。
・規模があまり大きくない中間処理業者が多い。
 
(2)港湾の状況
・上五島の循環資源は、ほとんどが有川港、青方港から本土へ輸送されている。
・定期フェリーを利用する場合、コンテナなどの容器に入れて、一般貨物と同じ場所で荷捌き・積出ししている。雨が降った場合などはシートをかぶせ、流出しないように気を配っている。
 
(3)港湾における循環資源取扱方法の提案【有川港、青方港】
 上五島の中間処理業者はあまり規模が大きくないため、単独で港湾に集積することはないものと考えられる。
 チャーター船は年2〜3回の利用であり、既存岸壁を他の船舶と使用調整する。
(短期的対応)
 定期フェリー、貨物フェリーの利用にあたっては、現状の利用(パターンII)を踏襲する。この際、循環資源が、人や一般貨物と同じ場所で扱われることとなるため、荷姿の改善、循環資源のユニット化等や緩衝緑地の設置など景観・飛散等に対する配慮を行う。
(中期的対応)
 有川港、青方港両港ともフェリーふ頭の再開発を行っている。整備後においても循環資源の取扱があることから、港湾内での仮置ヤードの確保を検討するとともに、短期的対応と同様に景観・飛散等に対する配慮を行う。(パターンII、III)
 
図−1.3.6 有川港
 
 
図−1.3.7 青方港
 
(4)下五島
(1)廃棄物中間処理業者・廃棄物収集運搬業者の循環資源取扱状況
・定期フェリー、貨物フェリー、貨物船の利用がほとんどであり、一部の循環資源(使用済み自動車の一部、鉄屑の一部など)についてチャーター船を利用している。
・チャーター船を使って使用済み自動車を輸送している業者は、仮置ヤードを1週間程度希望していたが、ヤードに余裕が無く1日分の許可しか出なかった。
・集積ヤードは、自社敷地内に整備している。
・対象離島の中では、最も島内リサイクルが盛んである。
・港湾に集積ヤードを整備したいと考えている業者がいる。
 
(2)港湾の状況
・下五島の循環資源は、ほとんど福江港から本土へ輸送されている。
・貨物船の帰り荷として取り扱われていることから、循環資源と一般貨物の分離は非現実的である。
・集積ヤードは内陸にあり、港湾までの陸上輸送コストが掛かっている状況で、取扱業者からは、港湾のなるべく近くに設置したいという要望が出ている。
・定期フェリーが利用する岸壁から、チャーター船を使って使用済み自動車を輸送している業者がある。そのため、仮置ヤードとして短時間の利用しか許可できない。
・現在整備中の港湾関連用地(売却用地)がある。
 
(3)港湾における循環資源取扱方法の提案【福江港】
・定期航路による輸送
(短・中期的対応)
 大波止地区ではフェリーふ頭の再開発を行っているが、当該ふ頭内での十分な仮置ヤード確保は困難であることから、港内他地区でのヤード確保を検討し、陸上輸送距離の短縮を図る。(パターンIII)
・チャーター船による輸送
(短・中期的対応)
 丸木、大津地区ふ頭内での仮置ヤードの確保及び背後に港湾関連用地(売却用地)も整備される大津地区での集積ヤードの可能性について検討する。(パターンI、II)
 ただし、丸木地区には定期フェリーの利用もあることから、循環資源を人や一般貨物と同じ場所で扱う場合が考えられる。この場合には、荷姿の改善、循環資源のユニット化等や緩衝緑地の設置など景観・飛散等に対する配慮を行う。
 なお、丸木地区の検討に際しては、ふ頭用地に隣接する魚市場(整備中)や住宅への十分な配慮が必要である。
(長期的対応)
 需要の増加等状況の変化に伴い既存施設での対応が困難になった場合は、機能の再配置等の中でパターンI、IIの可能性についても検討する。
 
図−1.3.8 福江港
 
 
図−1.3.9 福江港港湾計画図
(拡大画面:221KB)







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