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(3)海上交通について
(1)港湾の概況
 当県は、九州本土地域から与論島まで南北600kmに及び、海岸延長2654km(全国第3位)、有人離島27を有しているため、日本一多い港湾数162港がある。
 このうち重要港湾は、鹿児島港、志布志港、刀内港、西之表港(種子島)、名瀬港(奄美大島)5港、県管理地方港湾41港、市町村管理地方港湾116港がある。
 また、当県は、我が国本土の最南端に位置し、地理的に南に開かれており、発展可能性が大きい中国や東南アジア諸国に近接していることから、県政の主要施策に「国内外に広がる交流ネットワークの形成」を位置づけ、鹿児島港、志布志港、川内港等の国際交流基盤の整備を進めている。
 
(a)鹿児島港の整備概要
 鹿児島港は、錦江湾や雄大な桜島等の優れた観光資源を有するとともに、背後には入口55万人の中核都市である県都鹿児島市があることから、国際的な観光クルーズ船の寄港適地条件を満たしている。このため、大型観光船の接岸ができる中央港区「マリンポートかごしま」の整備を進めている。
 また、藩政時代の名残を残す本港区では、本県離島地域への航路の集約と、背後の市中心部と連携したウォーターフロントの整備も進めている。
 
(b)志布志港の整備概要
 志布志港は、南九州地域の中核国際港湾として、南九州畜産地帯への飼料供給機能を果たすほか、京阪神へのフェリーが就航している。また、外貿コンテナについては、中国、台湾、香港への定期航路が週5便就航しており、平成14年の外貿コンテナ取扱いは、3万3000TEU(実入り1万9000TEU)となっている。
 さらに本年は、釜山航路の開設等によって、取扱量の増加が見込まれているが、既存ターミナルでは機能面の限界があり、新若浜地区多目的国際ターミナルの5万トン級岸壁1バースの早期供用を目標に整備を進めている。
 
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マリンポートかごしま
 
(c)離島生活航路における就航率及び輸送の安定性の向上
 離島や奄美地域における定期船港湾は、「海上の国道」として重要な役割を担っている。特に奄美地域では、定期船の対応を1島2港で行っているが、現在、さらなる輸送効率の向上やコスト削減、及び定期船主要港での就航率向上のため、防波堤の整備を進めている。
 また、世界自然遺産の屋久島は、「飛鳥」をはじめとするクルーズ船が44隻入港しているが、宮之浦港や安房港の現機能では、接岸を見送るケースもあることから、ふ頭や防波堤の整備を進めているところである。
 
(2)旅客輸送
 当県においては、フェリーや旅客船が錦江湾内や、本土と奄美諸島をはじめ、種子島、屋久島、三島、十島等で運航されている。
 錦江湾内には薩摩半島、大隅半島を結ぶ航路が2航路あり、フェリーで1日125便運航されている。
 鹿児島〜奄美〜沖縄を結ぶ航路については、フェリーが毎日1往復しており、鹿児島〜種子島、屋久島を結ぶ航路についても、フェリーが毎日1便、ジェットフォイルも1日5便運航されている。
 また、串木野〜甑島を結ぶ航路については、フェリー、高速船がそれぞれ1日2往復運航され、鹿児島〜三島、鹿児島〜十島〜奄美を結ぶ航路も、それぞれ週3便、週2便、フェリーが運航している。
 このほか、関東と奄美を結ぶ航路や志布志と関西を結ぶ航路等、本土間を結ぶ航路も運航されている。
 現在、本土と離島、離島間を結ぶ離島航路については21航路が運航されているが、このうち、18航路が海上運送法による指定区間となっている。
 なお、離島航路のうちの6航路については、住民の日常生活に必要不可欠な航路として、離島航路整備法に基づく国庫補助航路に指定されているほか、県単独の補助航路として6航路を指定し、その維持・改善に努めているところである。
 県内の港湾における平成13年の輸送実績は、車輌台数で年間延べ570万台、旅客人数では年間延べ1500万人に達しており、今後も、観光振興等による利用促進に努めていく必要があると考えている。







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