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新年度の抱負
aspiration for a new phase
財団法人 九州運輸振興センター 会長 石井幸孝
 
変化の局面を鋭敏に捉え、柔軟な発想で臨もう
石井幸孝 会長
 
 新年度を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。
 
 さて、最近の日本の景気動向を見ますと、先行きに若干下げ止まりの兆しが見えてきましたものの、個人消費の低迷に加え、民間設備投資の差し控えにより、本格的な回復は秋以降というのが大方の見方となっております。また、昨年度より構造改革の推進に向けた様々な取組が行われておりますが、本年度は緊縮予算の中で、高い失業率、不良債権処理など依然解決すべき問題が山積みといった状況で、.なんとか知恵を出しあって現状を打破することが喫緊の課題となっております。特に、九州におきましては、全国と比べ、一段と厳しい状況におかれており、皆様におかれましても日々ご苦労されていることと存じます。
 
 そういった中、我々を取り巻く環境は依然、変化の歩みを緩めておりません。中国のWTO加盟、シンガポールをはじめ、メキシコ、韓国との間で推進されているFTA(自由貿易協定)などの動きは、日本のグローバル経済化を一段と進展させ、生産・販売活動に加え、物流部門においても、新たな局面が現れてくると考えられます。
 地理的な関係はもとより、兼ねてよりアジアと経済的に繋がりの強い九州は、この変化の局面を的確に見極め、地域ならではのスピードと柔軟性を活かした戦略を持って対応していくことが特に重要であります。
 
 当センターは今後とも時代変革の舵取り役としての使命を果たすべく、総合的な人流・物流について研究、支援していく所存です。特に、物流については、従来の生産者から消費者への動脈物流に加え、環境の世紀に相応しい、循環型社会の実現に向けた静脈物流についても幅広く取り組んでいく所存です。
 今年度は、調査研究事業を始めとする既存事業のブラッシュアップに加え、新しい会員サービスとして「九州運輸コロキアム」を本格的に開始いたします。これは、運輸に関係の深い身近なテーマについて、専門家の意見をもとに、参加者全員で討議を行うことにより、解決方策を探るということを目的に企画したものであります。専門家にとっては現場の生の声を聞く事ができ、参加者は最新の情報を収集することができるなど、双方にとって有益な場になるよう期待しております。
 
 当センターでは、今年度も日本財団、日本海事財団、(財)空港環境整備協会等のご支援、九州運輸局のご指導、そして賛助会員の皆様方のお力添えをいただきながら、皆様方の発展につながり、ひいては九州経済の発展につながる活動を目指し、精一杯努力する所存であります。
 本年度も、ご協力の程、よろしくお願い致します。
 







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