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(4)水路測量標の準拠楕円体高の観測データ収集・整理
(1)水路測量標の準拠楕円体高の観測データ収集
 昨年度に引き続き、最低水面の楕円体高データの収集を行った。
 最低水面モデルのデータベースの追記入力地点として、海上保安庁海洋情報部により平成13年度に実施された「基本水準標識観測報告書瀬戸内海及び四国」の中から、本研究の対象地域内の観測結果を抽出した。
 再解析地点及び追記入力地点を図20に示す。
 
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図20. 最低水面モデルのデータベースの入力地点
 
(2)データの整理と検証
 データベースヘの追記入力点についてGPS観測記簿より抜粋した測量地点の緯度、経度、楕円体高、平均水面楕円体高を表14に示す。
 
表14. データベースヘの追記点データ整理結果
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 昨年度までに実施した水路測量標の楕円体高の再解析を実施した。再解析の目的は、畑中らにより作成されたGPS信号の方向に依存するアンテナ位相中心の変位を補正する新しいアンテナ位相補正テーブル*1、2を使用し、GPS測量の精度を向上させることにある。
 再解析は、昨年と同じGPSurvey2.35ソフトウェアを用い、昨年同様に、測量点の楕円体高は電子基準点ごとに算出された値の平均値を決定値とした。
 再解析は、昨年度採用した51点に、「Geoid96」と各地点の平均水面楕円体高との関係が60cm±30cmの範囲外であることを理由に削除した7点を加えた計58点を対象とした。
 解析に使用した電子基準点から求めたGPS測量地点の楕円体高の再解析結果及び昨年度の解析結果との比較を表15に示す。水路測量標の楕円体高を昨年度までの解析結果と、新しいアンテナ位相補正テーブルを使用した今年度実施した再解析結果を比較すると、平均約1.1cm高い。また、差の標準偏差は0.038である。これらより、各水路測量標位置の平均水面楕円体高を算出した。その結果を表16に示す。
 この結果を今年度の瀬戸内海平均水面モデルを計算するためのデータベースとすることとした。
 
1 Yuki Hatanaka, Masanori Sawada, Akiko Horita, and Masaaki Kusaka: Calibration of antenna-radome and monument-multipath effect of GEONET-Part 1:Measurement of phase characteristics: Earth Planets Space, 53, 13-21, 2001
2 Yuki Hatanaka, Masanori Sawada, Akiko Horita, Masaaki Kusaka, James M.Jonson and Christian Rocken: Calibration of antenna-radome and monument-multipath effect of GEONET-Part 2:Evaluation of the phase map by GEEOMET data: Earth Planets Space, 53, 23-30, 2001
 
表15 水路測量標の再解析結果
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H12-H14平均(m)-0.011
H12-H14Std.(m)0.038
 
 
 
表16 平均水面楕円体高の再計算結果
(拡大画面:178KB)
 
2.1.2 最低水面高低計算プログラムの修正
 昨年度まで使用した最低水面高低計算プログラムについて、使用上の不都合、計算結果の取り扱いの簡略化を目指してプログラムの修正を実施した。
 昨年度まで使用していた内挿プログラムは100mメッシュを基準として計算するものであった。今年度Z0モデルを作成するに当たり、シミュレーションデータ(当協会、別途事業成果)のメッシュが3.3秒、10秒、30秒と地域により異なっているため、これを計算できるように内挿プログラムを修正した。
 さらに、これらの異なった大きさのメッシュを100mメッシュに変換するプログラムを追加した。
 これらを修正、追加したプログラムをもとに最低水面モデルを計算した。







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