(2)取得データ
(a)今治港(陸上作業)
今治港において、GPS観測及び副標観測を実施した。
(ア)作業区域
作業区域は愛媛県今治市片原町2番地地先である。
(イ)作業日時及び概要
作業日時及び概要を下記に示す。
表4 今治港におけるデータ取得作業概要
平成14年10月9日 |
晴 |
・GPS観測点設置 |
・副標設置 |
・BMとGPS観測点間の水準測量 |
・GPS観測点と副標頂間の水準測量 |
平成14年10月10日 |
晴 |
・GPS観測(8:55〜18:00) |
・副標観測(8:40〜17:50) |
・機材撤収 |
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(ウ)作業内容
(1)GPS観測点と副標の設置
今治港岸壁にGPS観測点と副標を設置した。
GPS観測点及び副標は、今治港験潮所前にある今治市BM(以下、「市BM」と表記する)とGPS観測点、副標頂、球分体、及び錘測基点間の水準測量を実施し関係を求めた。図6に水準測量結果を示す。また今治港験潮所の概要を表5、潮高関係を表6に示す。
図6 水準測量結果
表5 今治港験潮所の概要
所属 |
今治市 |
管理 |
今治市港湾局 |
設置場所 |
片原町2番地地先 |
設置年月日 |
昭和29年6月 |
移動年月日 |
平成4年3月 |
型式 |
フース型1/20 |
基準とする一等水準標石番号 |
第3440(平成11年6月確認時一等水準石番号第3441TP+1.393m) |
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単位:m |
観測基準面 |
東京湾中等潮位 |
最低水面 |
検潮標石 |
5.428 |
2.328 |
4.313 |
球分体 |
6.367 |
3.267 |
5.252 |
H.H.W.L |
5.815 |
2.715 |
4.7 |
H.W.L |
4.705 |
1.605 |
3.59 |
平均潮高(M.S.L) |
3.115 |
0.015 |
2 |
東京湾中等潮高(T.P) |
3.1 |
0 |
1.985 |
L.W.L |
1.375 |
-1.725 |
0.26 |
最低水面(C.D.L) |
1.115 |
-1.985 |
0 |
L.L.W.L |
0.885 |
-2.215 |
-0.23 |
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(2)GPS観測
今治港におけるGPS観測の観測日時は平成14年10月10日8:55より平成14年10月10日18:00までである。使用したGPS受信装置と設定内容を表6に示す。
表6. 今治港GPS観測:受信装置及び設定内容
GPS受信機 |
Trimble社製Model No.4000SSi |
データ収録間隔 |
0.5秒 |
アンテナ斜高 |
1.5447 |
GPS観測点頂からグランドプレーン下面までの高さ |
1.527 |
GPS観測点のアンテナ高 |
1.5201 |
|
(3)副標観測
副標観測は、リボンロッドを設置し、観測間隔10分で目視による観測を行った。同時に、験潮所の記録紙に記載された潮高の値を読み取り、験潮所のデジタルデータも入手した。観測日時は平成14年10月10日8:40より平成14年10月10日17:50である。これらの潮汐観測結果を表11に示す。これをみると、副標観測の結果と験潮所の記録紙の値は、概ね一致しており、験潮所の記録紙の値とデジタルデータも一致している。デジタルデータの記録間隔は6分である。図7にこれらの潮高変化を示す。
図7 今治港で観測された潮高の推移
(b)魚島(陸上作業)
GPS基準点データ取得等のため、GPS24時間観測と副標による潮汐観測を実施した。
(ア)作業日時及び概要
作業日時及び概要を下記に示す。
表7 魚島におけるデータ取得作業概要
年月日 |
天候 |
作業概要 |
平成14年10月9日(水) |
晴 |
・GPS観測点設置 |
・副標設置 |
・魚島篠塚漁港原点とGPS観測点間の水準測量 |
・GPS観測点と副標頂間の水準測量 |
・GPS24時間観測(17:00開始) |
平成14年10月10日(木) |
晴 |
・GPS24時間観測(18:00終了) |
・副標観測(8:00〜18:00) |
・機材撤収 |
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(イ)作業区域
愛媛県越智郡魚島村 魚島篠塚漁港内である。
(ウ)作業内容
(1)GPS観測点と副標の設置
GPS観測点と副標を魚島篠塚漁港に設置した。設置場所を図8に示す。
GPS観測点と副標を設置した後、魚島篠塚漁港原点とGPS観測点間、GPS観測点と副標頂間の水準測量を実施した。魚島篠塚漁港原点の場所は、図中の基Bであり、C.D.L上の高さは、5.598mである。潮高関係図を図10に示す。
図8 魚島篠塚漁港におけるGPS観測点と副標の設置場所
図9 魚島における潮高関係図
(2)GPS24時間観測
GPS24時間観測は、平成14年10月9日17:00〜平成14年10月10日18:00の期間実施した。
アンテナは、測量用の三脚上に設置した。GPS観測点上のアンテナ高は、アンテナ斜高から算出したGPS観測点頂からグランドプレーン下面までの高さと、グランドプレーン下面からアンテナ位相中心までの距離を加えて計算した。アンテナ斜高は、グランドプレーン面辺で3方向から計測した値の平均値である。使用したGPS受信装置の規格と受信機の設定内容およびGPS観測点上のアンテナ高を表8に示す。
8 魚島でのGPS観測:受信装置および設定内容
GPS受信機 |
Trimble社製Model No.4000SSE |
アンテナ |
Trimble社製グランドプレーンつきCompact L1/L2アンテ |
データ収録間隔 |
0.5秒 |
アンテナ斜高 |
1.5723 |
GPS観測点頂からグランドプレーン下面までの高 |
1.5549 |
GPS観測点のアンテナ高 |
1.5618 |
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(3)副標観測
副標観測はリボンロッドを用い、平成14年10月10日8:00より平成14年10月10日18:00まで観測間隔を10分とし目視による観測を行った。
魚島における潮汐観測結果を検討するため福山港験潮所の観測間隔5分観測データと今治港デジタルデータとを比較した。魚島と福山港験潮所及び今治の潮高を図10に示す。これによると8:00から13:00までは今治港験潮所が魚島に比べて大きく、魚島と福山港験潮所は概ね一致している、13:00以降は魚島が今治港験潮所に比べて大きく、魚島が福山港験潮所に比べて大きい。
図10 魚島、今治、福山において観測された潮高の推移
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