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6. 小型、高性能のスリム型デッキクレーンの調査研究
真鍋造機(株)
 
1. 調査の目的
 貨物船のデッキ上に据え付けられるデッキクレーンは、限られた積載スペースを有効に確保するため、可能な限りコンパクトで軽量であることが求められる。特にコンテナ船に搭載されるデッキクレーンは、積載コンテナ数を可能な限り増加出来る様、コンテナ幅に合わせた(2.4m)以内のものが要求されている。この2.4m以内のクレーンは、スリムクレーンと呼ばれ上市されているが、コストは標準型(3.0〜4.0m)に比べて、約2倍程度である。
 本調査研究は、スリムクレーンで採用されている2〜3室構造を変更し、通常のデッキクレーンと同様1室構造とし、それによりコンパクトで低コストのスリムクレーンを上市する事を目的に実施した。
 
2. 実施経過
2.1 実施項目
 調査研究の実施項目を以下に示す。
 
(1)高性能、小型化の調査及び試作機設計
(2)試作機製作
(3)実機、運転検査及びデータ解析
 
2.2 実施期間
 
(1)高性能、小型化の調査及び試作機設計・・・H.14/4〜H.14/9
(2)試作機製作・・・H.14/7〜H.14/12
(3)実機、運転検査及びデータ解析・・・H.14/12〜H.15/1
 
2.3 実施場所
 真鍋造機株式会社、本杜事務所及び各工場
 
3. 実施内容
3.1 高性能、小型化の調査及び試作機設計
 
(1)設計仕様
 
 従来品の要目と、開発品の要目との比較を下記に示す。
 
要 目
項 目 従来品 開発品
作業半径 max.26m〜min.2.4m max.26m〜min.2.4m
巻上荷重 392/157 KN 392/157/49 KN
巻上速度 20/40 m/min. 16/32/60 m/min
巻下速度 392/157KN×20/40m/min. 0〜392KN×60 m/min.
俯仰速度 ab.50 sec. ab.50 sec.
旋回速度 0.9 rpm 0.75 rpm
電動機 170kw cont./260kw40%ED 150kw cont./360kw15%ED
 
 次に従来品と開発品とを、下記条件にて荷役サイクル比較し、結果を次頁に示す。
 
DUTY CYCLE CONDITION
METHOD OF LOADING  HOOK
STANDARD CYCLE  ANTI U TYPE CYCLE
HOISTING HEIGHT  IN THE SHIP (Hi)  15m
OUT OF THE SHIP (Ho)  10m
WORKING RADIUS(R1〜R2) 13m〜26m
SLEWING ANGLE(θ) 60 deg
 
 
TIPE:従来品−4026S(DUTY CYCLE)
LOAD
(KN)
MARK OPERATION DISTANCE
(M)
(DEG)
SPEED
(M/MIN)
(RPM)
THEORY TIME
(SEC)
TIME LAG
(SEC)
SUB TOTAL TIME
(SEC)
392 (A) HOOKING 0 0 23.0 0 23.0
(B) HOISTING UP 15 20 45.0 1.5 46.5
(C) LUFFING DOWN 0 0 38.0 2 40.0
(D) SLEWING 60 0.9 11.1 5 16.1
(E) LOWERING 10 20 30.0 2 32.0
0 (F) UN HOOKING 0 0 18.0 0 18.0
(G) HOISTING UP 10 40 15.0 2 17.0
(H) SLEWING 60 0.9 11.1 4 15.1
(I) LUFFING UP 0 0 38.0 1.5 39.5
(J) LOWERING 15 40 22.5 3 25.5
 
 
TIPE:開発品−4026S(DUTY CYCLE)
LOAD
(KN)
MARK OPERATION DISTANCE
(M)
(DEG)
SPEED
(M/MIN)
(RPM)
THEORY TIME
(SEC)
TIME LAG
(SEC)
SUB TOTAL TIME
(SEC)
392 (A) HOOKING 0 0 23.0 0 23.0
(B) HOISTING UP 15 16 56.3 1.5 57.8
(C) LUFFING DOWN 0 0 38.0 2 40.0
(D) SLEWING 60 0.75 13.3 5 18.3
(E) LOWERING 10 60 10.0 2 12.0
0 (F) UN HOOKING 0 0 18.0 0 18.0
(G) HOISTING UP 10 60 10.0 2 12.0
(H) SLEWING 60 0.75 13.3 4 17.3
(I) LUFFING UP 0 0 38.0 1.5 39.5
(J) LOWERING 15 60 15.0 3 18.0
 
 
 上記結果より、開発品は、従来品とよりサイクルが早くなっている。
 
荷役サイクル時間
従来品 228.5sec
開発品 207.3sec
 
(2)従来品と開発品との比較
 
A:旋回減速機
B:巻上・俯仰ウインチ
C:ポンプユニット
従来品(1)
 
従来品(2)
 
開発品







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