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2 総トン数500トン未満の船舶に備える航海用レーダーは、次に掲げる要件に適合しなければならない。
空中線は、方位角360度にわたって、連続的かつ自動的に毎分12回以上回転するものであること。
表示面の有効直径は、140ミリメートル以上であること。
使用中の距離レンジの値を見やすい位置に明示することができるものであること。
空中線を海面上15メートルの高さに設置した場合において、通過の電波の伝播(ぱ)状態において船舶が10度横揺れしたときに、次に掲げる距離生を有するものであること。
92メートル以上1海里以下の距離にある有効反射面積10平方メートルの浮標を、距離レンジの選別器の調整のみにより、明りょうに表示することができること。
前項第十号イ及びロに掲げる距離性能
次に掲げる分解能を有するものであること。
2海里以下の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50パーセント以上100パーセント以下の距離にあり、かつ、相互に68メートル離れた同方位上の2の物標を分離して表示することができること。
1.5海里又は2海里の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50パーセント以上100パーセント以下の等しい距離にあり、かつ、方位角の差が3度である2の物標を分離して表示することができること。
物標の距離を測定するための装置は、次に掲げる要件に適合するものであること。
等間隔の固定の電子距離環を、1海里未満の各距離レンジにおいては2以上、1海里以上の各距離レンジにおいては4以上表示することができること。
固定の電子距離環の間隔により示される距離を数字で表示することができること。
物標の距離を、使用中の距離レンジの6パーセント又は82メートルうちいずれか大きい方の値以下の誤差で測定することができること。
固定の電子距離環を用いて距離の測定を行う装置以外の距離測定装置を備える場合にあっては、当該装置は、物標の距離を、使用中の距離レンジの6パーセント又は120メートルのうちいずれか大きい方の値以下の誤差で測定することができるものであること。
ジャイロコンパスと連動することにより真方位により表示することができる装置を備える場合にあっては、ジャイロコンパスの表示に対する当該装置の連動誤差は、当該ジャイロコンパスの毎分2回の回転に対し2分の1度以下であること。
前号に規定する場合にあっては、ジャイロコンパスとの連動装置が正常に作動しないときであっても、相対方位により表示することができるものであること。
表示された物標の方位を的確かつ速やかに測定することができるものであること。
表示面の周辺部に表示された物標の方位を2度以下の誤差で測定することができるものであること。
十一
雨等の降下物及び海面による不要な表示を減少させる装置を備えるものであること。
十二
陸地又は静止した物標を固定して表示する装置を備える場合にあっては、当該装置は、自船の進行方向の表示範囲を適度に保って作動するものであること。
十三
空中線は、その設計能力を損なわないように設置されていること。
十四
前項第一号から第五号まで、第十七号及び第二十三号に掲げる要件。
 
附則
 この告示は、平成11年1月1日から施行する。
(説明)
 この告示により総トン数 500トン以上の船舶に装備される航海用レーダーの性能基準は、第1項で定められているが、これを「甲種航海用レーダー」といい、総務省で定めた第1種レーダーと同等である。
 また、この規定により総トン数 500トン未満の船舶に装備される航海用レーダーの性能基準については、第2項で定められているが、これを「乙種航海用レーダー」といい、総務省で定めた第2種レーダーと同等である。
 
3−1−4 航海用レーダーの要件を定める告示
0.1(a)第12号の「管海官庁が差し支えないと認める場合」とは、船舶の航行に必要な情報及び次に掲げる要件に適合する電子海図以外の情報は表示面に表示しない場合をいう。
(1)
表示面全体に表示することができること。
(2)
海岸線、自船の安全水深線、航行上の危険物及び灯台その他の航路標識をそれぞれ独立に表示することができること。
(3)
航海用レーダーの情報を優先的に、かつ、明りょうに表示することができること。
(4)
表示位置を手動調整することができ、かつ、手動調整していることを表示することができること。
(5)
(4)の手動調整は簡単な方法で解除できること。
(6)
故障が発生した場合においても、航海用レーダー及び自動衝突予防援助装置の機能に障害を与え、又は航海用レーダー及び自動衝突予防援助装置の故障によりその機能に障害が生じないこと。
0.1(b)第18号ハの「航行情報を有効に表示できる位置」とは、有効半径の75パーセントを超えた自船の位置から、中心点を超えて、有効半径の50パーセントから75パーセントまでの位置をいう。(図1.0(b)参照)
図1.0(b)
 
0.1(c)第21号の要件について、ジャイロコンパスの備付義務がない船舶において使用する航海用レーダーにあっては、ジャイロコンパスとの連動装置を撤去したもので差し支えない。
0.2(a)第7号については、0.1(c)を準用する。
 
〔船舶設備規程の一部改正に伴う経過措置〕
1〜4 (略)
5. 平成7年現存船*(国際航海に従事しない総トン数 300トン以上 500トン未満のものに限る。)については新規程第146条の12の規定にかかわらず第1条による改正前(平成4年1月31日以前)の船舶設備規程(以下「旧規程」という。)の規定の例により施設することができる。
 
(説明)
 前記の船舶設備規程の改正規定は平成4年2月1日から施行されており、現存船に対する適用関係については前記の経過措置で規定されるが、これらを要約すると次のようになる。
(1)平成7年現存船であって、国際航海に従事しない総トン数300トン以上500トン未満の船舶のうち、旅客船及び危険物ばら積船等については9ギガヘルツ帯レーダー以外のレーダーを備えることができる。
(2)平成7年現存船であって、国際航海に従事しない総トン数300トン以上500トン未満の船舶のうち、旅客船及び危険物ばら積船等以外の船舶については、航海用レーダーを備えることを要しない。
(3)平成7年2月1日以降に建造され又は建造に着手された義務船舶は9ギガヘルツ帯レーダーを備える。
附則(平成10年12月7日運輸省令第75号)抄
(施行期日)
1 この省令は、平成11年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に船舶に備え付けている航海用レーダーについては、これを引き続き当該船舶に備え付ける場合に限り、この省令による改正後の第146条の13第2項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(説明)
 設備規程第146条の13については平成10年12月7日に改正された。特に61ページ目の(告示)第676号は新たに追加制定されたもので、性能要件がより細かく規定された。ただ、この告示を含めた改正は、平成11年1月1日以前に備え付けられた船舶においては従前の規定でよいとされ、告示は適用されない。したがって従来の規定は、平成10年版以前の更新指導書における設備規程第146条の13を参照され、また、新旧規程を対比する場合には、平成12年以後の「装備艤装工事編」通信講習指導書の4.9節「航海用レーダーの効力試験」又は平成12年4月改正の「航海用レーダー等社内装備・整備標準」を参照されたい。
 

*「平成7年現存船」とは平成7年1月31日以前に建造され、または建造に着手された船舶をいう。







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