第5節 電気利用設備
(航海灯)
第98条 航海灯への給電は、操縦場所に設けた航海灯制御盤を経て、これをしなければならない。
2. 航海灯制御盤から航海灯までの電路は、各灯ごとに独立のものでなければならない。
(細則)
98.2(a)「各灯ごとに独立のもの」とは、航海灯制御盤に各灯ごとに開閉器を設けるか、又はヒューズを設けたものとすること。
(電熱設備)
第99条 電熱設備は、通常の使用状態において火災の生ずるおそれのないものであり、かつ、その充電部を必要に応じて難燃性材料で保護したものでなければならない。
(細則)
99.0(a)「通常の使用状態において火災の生ずるおそれのないもの」とは、市販の電熱器を可燃物から離れた場所に固定し、取扱者が支障なく作業できるように保護したものとすること。
(航海用具の備付け)
第82条 小型船舶(係留船を除く。以下この条において同じ。)には、次の各号の表に定める航海用具を備え付けなければならない。ただし、限定沿海小型船舶又は平水区域を航行区域とする小型船舶であって昼間のみを航行するものは、マスト灯、げん灯、船尾灯、停泊灯、紅灯、黄色閃光灯、引き船灯、緑灯及び白灯を備え付けることを要しない。
〔注〕「限定沿海小型船舶」とは沿海区域を航行区域とする小型船舶であって、その航行区域が平水区域から当該小型船舶の最強速力で2時間以内に往復できる区域に限られているものをいう。
(1)非自航船(推進機関及び帆装を有しない小型船舶をいう。以下同じ。)及びろかい舟以外の小型船舶に対するもの。(電気関係のみ抜粋)
航海用具の名称 |
数量 |
摘要 |
近海以上の航行区域 |
沿海区域 |
平水区域 |
汽船 |
帆船 |
汽船 |
帆船 |
汽船 |
帆船 |
自船の速力を測定することができる器具 |
1個 |
1個 |
− |
− |
− |
− |
検査機関が適当と認めるものであること。 |
ラジオ |
− |
− |
1台 |
1台 |
− |
− |
1. 中波帯又は短波帯の放送を受信することが可能なものであること。
2. 無線電信等を備える船舶その他有効な通信設備を備える船舶には、備え付けることを要しない。 |
コンパス |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
− |
− |
検査機関が適当と認めるものであること。 |
マスト灯 |
1個 |
− |
1個 |
− |
1個 |
− |
1. 全長20メートル以上の汽船にあっては第1種マスト灯又は第2種マスト灯、全長12メートル以上20メートル未満の汽船にあっては第1種マスト灯、第2種マスト灯又は第3種マスト灯、全長12メートル未満の汽船にあっては第1種マスト灯、第2種マスト灯、第3種マスト灯又は第4種マスト灯とすること。
2. 船舶その他の物件を引く作業(接げんして引くものを除く。)に従事する汽船はマスト灯2個を増備しなければならない。ただし、最後に引かれる船舶の船尾又は船舶以外の物件の後端から当該汽船の船尾までの距離が200メートルを超えないものにあっては、増備するマスト灯は、1個とすることができる。
3. 船舶その他の物件を押す作業(結合して一体となって押すものを除く。)又は引く作業(接げんして引くものに限る。)に従事する汽船はマスト灯1個を増備しなければならない。
4. 推進機関を有する帆船には、汽船に準じてマスト灯を備え付けなければならない。 |
げん灯 |
1対 |
1対 |
1対 |
1対 |
1対 |
1対 |
1. 全長12メートル以上の小型船舶にあっては、第1種げん灯又は第2種げん灯とすること。ただし、全長20メートル未満の小型船舶にあっては、第1種両色灯1個をもって代用することができる。
2. 全長12メートル未満の小型船舶にあっては、第1種げん灯、第2種げん灯又は第3種げん灯とすること。ただし、第1種両色灯又は第2種両色灯1個をもって代用することができる。 |
船尾灯 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
第1種船尾灯又は第2種船尾灯とすること。 |
停泊灯 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
第1種白灯又は第2種白灯とすること。 |
紅灯 |
2個 |
2個 |
2個 |
2個 |
2個 |
2個 |
1. 第1種紅灯又は第2種紅灯とすること。
2. 全長12メートル未満の小型船舶であって、検査機関が当該小型船舶の航行する航路等を考慮して差し支えないと認めるものには、備え付けることを要しない。 |
黄色閃
光灯 |
1個 |
− |
1個 |
− |
1個 |
− |
1. 第1種黄色閃光灯又は第2種黄色閃光灯とすること。 2. エアクッション艇以外の汽船には、備え付けることを要しない。 |
黒色球形
形象物 |
3個 |
3個 |
3個 |
3個 |
3個 |
3個 |
1. 直径600ミリメートル以上のものであること。ただし、全長20メートル未満の小型船舶に備え付けるものの大きさは、当該小型船舶の大きさに適したものとすることができる。
2. 全長12メートル未満の小型船舶であって、検査機関が当該小型船舶の航行する航路等を考慮して差し支えないと認めるものにあっては、その全部又は1部を備えつけることを要しない。 |
黒色円すい形
形象物 |
− |
1個 |
− |
1個 |
− |
1個 |
1. 底の直径が600ミリメートル以上であって、高さが底の直径と等しいものであること。ただし、全長20メートル未満の帆船に備え付けるものの大きさは当該帆船の大きさに適したものとすることができる。
2. 推進機関を有しない帆船には、備え付けることを要しない。 |
汽笛 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1. 船舶設備規程第146条の7第2項各号の要件に適合するものであること。
2. 船舶設備規程第146条の8第1項各号に掲げるところにより設置すること。
3. 全長12メートル未満の小型船舶には、備え付けることを要しない。 |
音響信号器具 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
1個 |
汽笛を備え付ける小型船舶には備え付けることを要しない。 |
備考
1. 船舶その他の物件を引く作業(接げんして引くものを除く。)に従事する動力船(汽船及び推進機関を有する帆船をいう。以下同じ。)には、第1種引き船灯又は第2種引き船灯1個及び黒色ひし形形象物1個を備えつけなければならない。ただし、最後に引かれる船舶の船尾又は船舶以外の物件の後端から当該動力船の船尾までの距離が200メートルを超えないものには、黒色ひし形形象物を備え付けることを要しない。
2. 海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)第3条第7項各号に掲げる作業その他の船舶の操縦性能を制限する作業(以下「操縦性能制限作業」という。)に従事する小型船舶(以下「操縦性能制限船」という。)であって、次号又は第4号の規定の適用があるもの以外のものには、第1種白灯又は第2種白灯及び黒色ひし形形象物各1個〔びょう泊(係留を含む。以下この条において同じ。)して当該作業に従事する以外のものにあっては、黒色ひし形形象物1個〕を備え付けなければならない。ただし、これらの白灯及び黒色ひし形形象物は、次のイ及びロに掲げる操縦性能制限船以外の小型船舶には、備え付けることを要しない。 イ
全長12メートル以上の操縦性能制限船 ロ 全長12メートル未満の操縦性能制限船であって、港則法(昭和23年法律第174号)第2条に規定する同法を適用する港の区域並びに海上交通安全法(昭和47年法律第115号)第2条第1項に規定する航路及び同法第28条第1項に規定する海域において操縦性能制限作業に従事するもの(以下「特定操縦性能制限船」という。)
3. 操縦性能制限船であって、他の船舶の通航の妨害となるおそれのあるしゅんせつその他の水中作業(掃海作業を除く。以下「通航妨害作業」という。)に従事するものには、第1種紅灯又は第2種紅灯2個、第1種緑灯又は第2種緑灯2個、黒色球形形象物1個及び黒色ひし形形象物3個(うち1個は、第1号の規定により備え付ける黒色ひし形形象物をもって兼用することができる。)を備え付けなければならない。ただし、これらの紅灯及び緑灯、黒色球形形象物及び黒色ひし形形象物は、全長12メートル未満の小型船舶(操縦性能制限船であって潜水夫による作業に従事するもの及び特定性能制限船を除く。)には、備え付けることを要しない。
4. 操縦性能制限船であって掃海作業に従事するものには、第1種緑灯又は第2種緑灯3個及び黒色球形形象物1個(びょう泊して当該作業に従事するもの以外のものにあっては、第1種緑灯又は第2種緑灯3個)を備え付けなければならない。ただし、これらの緑灯及び黒色球形形象物は、全長12メートル未満の小型船舶(特定操縦性能制限船を除く。)には、備え付けることを要しない。
5. 夜間において水先業務に従事する小型船舶には、第1種白灯又は第2種白灯1個を備え付けなければならない。ただし、第2号の規定により備え付ける白灯をもって兼用することができる。
6. 海上交通安全法第30条第1項の許可を受けることを要する工事又は作業(同条第9項の規定によりその許可を受けることを要しないこととされる工事又は作業を含む。)に従事する小型船舶(以下「許可工事船」という。)には第1種緑灯又は第2種緑灯2個、白色ひし形形象物1個及び紅色球形形象物2個を備え付けなければならない。ただし、緑灯は、第3号又は第4号の規定により備え付ける緑灯をもって兼用することができる。
7. 海上交通安全法施行令(昭和48年政令第5号)第4条の規定により緊急用務を行うための船舶として指定された小型船舶には、第2種紅色閃光灯及び紅色円すい形形象物各1個を備え付けなければならない。
8. 海上交通安全法第23条の巨大船の運航に関し進路を警戒する小型船舶、消防設備を備えている小型船舶又は側方を警戒する小型船舶として海上保安庁長官の指定を受けた小型船舶には、第1種緑色閃光灯1個を備え付けなければならない。
9. 第1号から第4号まで、第6号及び第7号に規定する形象物の形状及び寸法は、次のイからニまでに掲げるところによらなければならない。ただし、イからハまでの形象物であって全長20メートル未満の小型船舶に備え付けるものの大きさは、当該小型船舶の大きさに適したものとすることができる。 イ
黒色ひし形形象物は、底の直径が600ミリメートル以上であり、高さが底の直径と等しい2個の同形の円すいをその底で上下に結合させた形のものであること。 ロ 黒色球形形象物及び紅色球形形象物は、直径600ミリメートル以上のものであること ハ
白色ひし形形象物は、底の直径が600ミリメートル以上である2個の同形の円すいをその底で上下に結合させた形のものであること。 ニ 紅色円すい形形象物は、底の直径が600ミリリットル以上、高さが500ミリメートル以上のものであること。
10. 全長12メートル未満の動力船(船舶その他の物件を押し又は引く作業に従事するもの及び夜間において水先業務に従事するものを除く。次号において同じ。)にあってはマスト灯及び船尾灯の備付けに代えて、第1種白灯又は第2種白灯1個を備え付けることができる。
11. 全長7メートル未満の動力船であって、最強速力が7ノットを超えないものにあっては、マスト灯、げん灯及び船尾灯の備付けに代えて、第1種白灯又は第2種白灯1個を備え付けることができる。
12. 全長20メートル未満の推進機関を有しない帆船にあっては、げん灯及び船尾灯の備付けに代えて、第1種三色灯1個(全長12メートル未満のものにあっては、第1種三色灯又は第2種三色灯1個)を備付けることができる。
13. 全長7メートル未満の推進機関を有しない帆船にあっては、げん灯及び船尾灯の備付けに代えて、携帯用の白色灯1個を備え付けることができる。
14. 限定沿海小型船舶は、平水区域の区分の規定によることができる。 |
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