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6・2・1 ハードウエア仕様
 1つのトーカと複数のリスナは双方向線を通して並列に接続される。EMCに対処するため、シールドケーブルが推奨されている。リスナの数はトーカの出力能力とリスナ個々の入力ドライブの要求性能による。さらに終端抵抗の使用が条件となる。
(1)接続用ケーブル
 デバイス間をつなぐケーブルは、2本の導体を持つシールド・ツイストペアケーブル(A、B)、及び送受信デバイスのための接地線(C)がある。
接地線(C)は、
ツイストペアケーブルに、独立した3番目の電線を追加して使用する場合
外側のシールドと内側のシールドの間が絶縁されている二重シールドを使用する場合がある。
 
(2)導線の定義
 信号線A、B、及びシールドである。(信号線A、B、C及びシールド)
 
(3)電気的接続/シールドの性能要求
 トーカと各リスナの信号線A、Bと共通接地線Cは相互に並列接続される。
 独立した接地線(C)と一重のシールドをもつ構成の場合、そのシールドはトーカのシャーシに接続され、いずれのリスナのシャーシにも接続してはいけない。しかし、全てのリスナのシールドは接続していること。(図6・1、図6・2−(a)参照)。
 2重シールドでCが内側シールドの場合、外側シールドはトーカのシャーシに接続し、どのリスナにも接続してはいけない。しかしすべてのリスナの外側シールドは接続されている必要がある。(図6・1、図6・2−(b)参照)。
 2重シールドでCが独立した接地線である場合、内側のシールドはトーカのシャーシに接続し、どのリスナにも接続してはいけない。しかしすべてのリスナの内側シールドは接続されていること。外側シールドは必要であれば、リスナとトーカはそれぞれのシャーシに接続してよい。(図6・1、図6・2−(c)参照)。
 ケーブルを配線するときは、切り口を残す事は避け、できるだけ短く配線すること。もし長いケーブルが必要な場合は、ITU−TV.11に従って、線の終端処理をすること。
 
(標準の速度の場合には、全てのリスナケーブルのシールドは、トーカのシャーシにおいてのみ接続し、各リスナのシャーシには接続してはいけない。(図6・3参照。))
 
図6・1 トーカ/リスナ接続
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図6・2 ケーブルのシールド性能要求
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図6・3 リスナ受信回路(標準の通信速度)
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(4)コネクタ
 この規格において標準コネクタは規定しない。入手が容易な市販のコネクタを使用する。(コネクタの国際標準については6・3項に述べる。)
 
(5)電気信号特性
 送信機・受信機の電気特性について述べる。
(A)信号状態の定義
 待ち受け、マーキング、論理値1、OFFあるいはストップビットの各種の状態は、信号線Bに対して信号線Aが負の電圧であることによって定義される。
 動作中、スペーシング、論理値0、ONあるいはスタートビットの各種の状態は、信号線Bに対して信号線Aが正の電圧であることによって定義される。
 信号線Bのレベルに対し、上記Aのレベルは標準UARTの入出力要求電圧に対し反転しており、また、複数のラインドライブ回路及びライン受信回路は論理の反転機能を備えているということに注意が必要である。
:UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)
 
(B)トーカドライブ回路
 バスに接続される一台のトーカしか接続できない。信号Aと戻り信号Bを供給するドライブ回路はITU−TX.27/V.11.の性能要件を少なくとも満足すべきである。また、その性能要件を満足させるために改良されて、兼用可能な簡便なドライブ回路(例えばEIA−485)も許可される。
 
(C)リスナ受信回路
 複数のリスナが単トーカに接続される。リスナ受信回路はITU−TV.11の仕様に従う。図6・3に示すように光アイソレータが組み込まれており、電流、逆バイアス、電力消費を制限するための保護回路を持っている。入力端子A、B、Cはリスナのデバイスから電気的に絶縁している。次の(D)と図6・1を参照すること。終端抵抗は任意に用いられる。
 受信回路は最小入力電圧差2.0Vで動作するように設計される。そのときの電流は多くて2.0mAである。
 
(D)絶縁
 リスナ内部で、信号線Aと戻り線Bとシールド、また船体接地線と電源線はそれぞれを電気的につなげてはいけない。高速通信の場合は信号線Aと戻り線Bと信号線Cとシールド、また船の接地用シールドと電源線もそれぞれ電気的につなげてはいけない。また船の接地線からの絶縁が要求される。高速通信の場合はこの絶縁はIEC 60945による。
 
(E)バス上の最大電圧
 信号線A−B間あるいはA−C間、B−C間の最大電圧はITU−TX27/V.11に従っている。接続ミスから保護するため、あるいは初期のトーカ設計で用いるため、全ての受信回路のデバイスはいかなる時間の間であっても、A−B間、あるいはA−C間、B−C間の電圧が15Vまで耐えられるように設計される。







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