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3・1・3 構成と性能
(1)構成
 船舶に搭載される専用型AISの構成例は図3・2のように、空中線部はVHF空中線、GPS空中線及びトランスポンダで構成され、制御部は制御器及び表示器で構成されている。制御部には関連情報が入力される。またAIS情報を遠距離に伝送するためのロングレンジ支援装置(インマルサットC等)と接続される場合もある。
 
図3・2 船舶搭載AISの基本構成
(拡大画面:25KB)
 
 空中線部は図3・2のような機能ブロックで構成され、情報の送信は送信部が、情報の受信は2つのTDMA受信部が受け持つ。DSC受信部は陸上局から放送される地域周波数情報を受信するための受信部で、GPS受信部はAIS通信に必要な時刻基準信号を受信するためのもので、位置情報は通常外部の航海機器から取り込む。
 また、表示器は規定により少なくとも3隻分の方位、距離、船名を文字で表示することとなっている。(図3・5 他船一覧表示 参照)
(2)性能
 AISの通信方式の詳細については〈参考〉技術補足説明(IMO NAV47船上AISの使用上ガイドラインから抜粋)を参照。AISの一例を下記に示す。
 
(A)空中線部(GPS受信部関連のデータは除く)
  (a)送受信周波数 :156.025MHz〜162.025MHz
(デフォルトチャンネル CH87B:161.975MHz、CH88B:162.025MHz)
  (b)チャネル間隔 :25kHz/12.5kHz
  (c)周波数偏差 :±3×10-6以下
  (d)電波型式 :G1D(F1D)、G2B(F2B)
  (e)変調方式 :GMSK、FSK
  (f)空中線電力 :12.5W/2W
  (g)電源電圧 :DC24V(−10%、+30%)
  (h)消費電流 :4.5A max(送信時)、1.5A max(受信時)
  (i)動作温度範囲 :−25℃〜+55℃(IEC60945)
  (j)寸法・質量 :φ130mm×1360mm(アンテナ含む)、約3.3kg
(B)制御部(表示器付き)
  (a)表示ユニット :5インチSTNLCD、160×128ドット
  (b)一画面表示隻数 :最大11隻
  (c)グラフィック表示 :可能
  (d)キーボード :23キー
  (e)バックライト :LCD及びキーボード
  (f)ディマ機能 :明、暗、断(キーボードより操作可能)
  (g)動作温度範囲 :−15℃〜+55℃(IEC 60945)
  (h)電源電圧 :DC24V−10%〜+30%(IEC 60945)
  (i)寸法・質量 :224mm(W)×150mm(H)×108mm(D)、約2.5kg
(C)外部インターフェース部
  (a)センサ入力 :IEC 61162−1/2 3系統
  (b)ジャイロ情報入力 :1系統
  (c)AUX表示器入出力 :IEC 61162−2 2系統
  (d)ロングレンジ通信 :IEC 61162−2 1系統
  (e)GNSS補正情報入出力 :ITU−R M.823−2 1系統
  (f)警報出力 :リレー接点出力 2系統
  (g)オンラインメンテ出力 :IEC 61162−1/2 1系統
  (h)外部機器入出力 :IEC 61162−3(NMEA2000)1系統(オプション)
 
3・1・4 機器外観及び表示例
 空中線部の外観を図3・3に、制御部外観を図3・4に、他船一覧表示例を図3・5に、他船詳細表示例を図3・6に示す。
 
図3・3 空中線部外観図
 
 
図3・4 制御部外観図(制御部 表示器・キー)
(拡大画面:80KB)
 
 
図3・5 他船一覧表示例(制御部 操作・表示例)
(拡大画面:70KB)
 
 
図3・6 他船詳細表示例(制御部 操作・表示例)
(拡大画面:61KB)







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