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(2)配置
(a)配電盛の配置については、設備規程第211条及び第212条け規定によるほか、下記(i〜v)による。
(i)主配電盤は、原則として発電機と同一区画内に設置する。
(ii)配電盤は、蒸気管、水管、油管、アンモニア管、油沈澱タンク、内燃機関などの排気管など、有害なものからなるべく隔てた、乾燥した場所に接地する。
(iii)配電盤を機関室側方に設置する場合には、船舶の係留時の衝撃、あるいは波浪などのため損傷を受けないようにする。
(iv)配電盤の後面に設けるサービススペースの幅は、なるべく500mm以上であることが好ましい。ただし小形船の配電盤などで、必要な操作及び保守がその前部から行なえる構造のものにあっては省略できる。
(v)引火性液体又は引火性を有する高圧ガスを運送する船舶の配電盤の配置については、2.4.14による。
 
(配置)
第211条 配電盤は、取扱者が危険なく、かつ、容易にその前面及び後面に近寄り得るよう配置され、かつ、その上面、側面及び後面を適当に保護したものでなければならない。
第211条の2 外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)の主配電盤は、主発電室(2以上の主発電室がある場合は、いずれか1の主発電室。以下この条において同じ。)と同一の場所に設置しなければならない。ただし、電路の保護等管海官庁が適当と認める措置が講じられている場合は、主発電室と隣接する場所に設置することができる。
(取扱者の保護)
第212条 配電盤の前後の床面には絶縁性敷物又は木製格子を設け、かつ、その前面には手すりを設けなればならない。ただし、管海官庁が承認した場合は、この限りでない。
 
(関連規則)
(1)設備規程第211条関係(船舶検査心得)
 
(配置)
211.1(a)原則として配電盤の前面及び後面を十分広くとり、取扱者が近寄ることができるようにすることが望ましいが、長さ50m未満の小型船舶にあっては、扉式にするか、又は簡単な組立て式にして修理点検ができるようにすることで足りる。
211−2.0(a)「主配電盤」とは、発電機盤及び給電盤(100V以下の給電盤を除く。)をいう。
(b)発電機及び主配電盤は、当該装置間のケーブルを含め、当該装置の設置場所以外の場所における火災の影響を受けないように設置されていること。
(c)メーター、自動遮断機の制御装置、同期検定装置等の一部の制御装置は、主発電室及びこれと隣接する場所以外の場所に設置することができる。ただし、当該制御装置が故障した場合に、主配電盤において当該制御を行なうことができなければならない。
(d)「電路の保護等管海官庁が適当と認める措置」とは、主発電機(主電源を構成する発電設備をいう。)から主配電盤までの電路が、主発電機及び主配電盤を設置する場所以外の場所の火災の影響を受けないようにするための措置であり、少なくともA60級の防火壁と同等以上の防熱を施したものとする。
 
(2)設備規程第212条関係(船舶検査心得)
 
(取扱者の保護)
212.1(a)供給電圧100V未満の場合であって、管海官庁がやむを得ないと認めたときについては、これらを省略することができる。
 
(b)区電箱、分電箱、接続箱、分岐箱などの配電器具は、前(1)の配電盤の場合に準じ、それぞれの使用目的に従って、適当な場所に設置する。
 
2.4.7 蓄電池
(1)構造、性能及び配置
(a)蓄電池の構造、性能及び配置については、設備規程第202条から第204条までの規定による。
 
(蓄電池の性能)
第202条 蓄電池は、日本工業規格「船用鉛蓄電池」の規格に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものでなければならない。
(蓄電池室及び蓄電池箱)
第203条 蓄電池は、適当な換気装置を備えた蓄電池室又は保護おおいを施した適当な箱に収めて通風良好な場所に設置しなければならない。
2. 前項の蓄電池室又は蓄電池箱は、他の電気設備及び火気から十分隔離しなければならない。
3. 酸性蓄電池を設置する蓄電池室の床面、棚の上面及びこれらの高さ7.5センチメートルまでの周壁並びに酸性蓄電池を収める箱の底面及び高さ7.5センチメートルの内周壁は、厚さ1.6ミリメートル以上の鉛張りとするか、又は管海官庁の承認する防しょく処理を施さなければならない。
(逆流防止装置)
第204条 発電機により充電される蓄電池には、逆流防止装置を備え付けなければならない。
 
(関連規則)
(1)設備規程第202条関係(舶検)
 
舶検第59号(56.4.20)
 JIS D 5301自動車用鉛蓄電池N−120、N−150、N−200の使用について中検第127号(昭和56年3月20日付け)をもって伺い出のあった標記については、伺い出のとおり使用を承認して差し支えない。
 
注;形式については次のように改正されている。(JIS D 5301−99 始動用鉛蓄電池)
 
 
(2)設備規程第203条3関係(船舶検査心得)
 
(蓄電池箱及び蓄電池室)
203.3(a)鉛張りに代わるものとしてビツミナスセメント、ピッチを使用することができる。
 
(3)設備規程第203条関係(舶検)
 
舶検第259号(52.7.23)
 (有)阪神舶用電機工業所製造に係るエスロン、ネオランバー(積水化学工業(株)FFU材)製蓄電池箱の使用について
 近海検第558号(昭和52年6月6日付け)をもって伺い出のあった標記については下記事項留意のうえ認めて差し支えなく、また本箱は鉛の内張りを施さないで酸性蓄電池の箱として使用して差し支えない。
1. 材料はエスロン、ネオランバーFFU−A型を使用すること。
2. 蓄電池箱のわかりやすい位置に、箱の製造者名、使用材料名(メーカー名を含む)、製造年月日等を明記しておくこと。
 
(4)設備規程第203条関連(NK規則)
 
H2.11.5 換気(検査要領)
−1. 蓄電池を2段以上に配列する場合、棚の前後部には原則として、換気のための50mm以上の空所を設けること。
−2. 蓄電池室等の排気装置の能力は、次の値以上とする。
排気量 Q=110×I×n(l/h)
I:最大終期充電電流(特に制限のない場合は、10時間率電流を標準とする。)
n:蓄電池の数
−3. 2kW以上の出力の充電設備に接続する蓄電池を収納する区画の排気装置は、機械式にすることを推奨する。
2.11.3 設置場所
−1. アルカリ蓄電池と鉛蓄電池は、同一区画に設置してはならない。
−2. 容量の大きい蓄電池は専用の区画に設置しなければならない。ただし止むを得ない場合には甲板上に設置された箱内に設けることができる。この場合、箱は適当な換気装置を備えたもので、水の流入を防止できる構造のものとしなければならない。
−3. 機関始動用蓄電池は、機関にできる限り近接して設置しなければならない。もし、この蓄電池を蓄電池室内に設置できない場合には、通風が確保された場所に設置しなければならない。
−4. 蓄電池は、居住区画内に設置してはならない。
 
(b)酸性蓄電池とアルカリ蓄電池とは、別区画に設ける。
(c)蓄電池室については、下記(i〜iv)による。
(i)蓄電池室は、電池の点検、試験、及び注液が容易にできるよう、十分な広さをもつものとする。
(ii)電池棚の背部は、ガスがたまらないように、壁との間に適当な間隔をとる。
(iii)電池室内には、防爆形灯具以外のスイッチ、その他火花を発生するおそれのある電気器具を取り付けない。(JIS F 8422−98(船用防爆天井灯)参照)
(iv)非常用蓄電池室は、最上層の全通甲板の上方で機関室囲壁の外部に装備する。ただし船首隔壁の前方に装備しない。
(2)表示
 蓄電池に対する表示は、回転機の場合に準じ、定格値などの銘板表示、及び極性などを適当な方法で表示する。
(3)蓄電池設置に対する注意事項
(a)配線
 蓄電池間、銅帯(鉛電池の場合は、鉛メッキを施したもの。)、又はキャブタイヤーケーブルで接続する。
(b)蓄電池室
(i)室の一部にガスが集積しないように、船外に通じる給排気管を設ける。給排気口に対して、雨水のはいらないように考慮する。
(ii)室内の天井、壁、格納箱などは、十分耐酸処理を行なうこと。(鉛電池の場合)
(iii)電池の配列は、一段が望ましいが、やむを得ず二段とした場合は、電池の上部には空所を設けること。(保守及び搬出のため。)
(iv)電池要具、蒸留水タンクは、できるだけ蓄電池上方に取り付けないこと。
(v)室内の電路にがい装ケーブルを使用する場合は、がい装を除去して鉛皮又は、インパービアスシース露出させるか、がい装の上にビニルの被覆を施したものを使用する。







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