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2.4.6 配電盤及び配電器具
注:JEM1288−85(船用交流配電盤)を参照すること。
(1)構造及び性能
(a)配電盤の構造及び性能については、設備規程第213条から第221条まで、及び第223条から第225条までの規定による。
 
(構造)
第213条 配電盤の盤材料は、非吸湿性のものであり、かつ、難燃性のものでなければならない。
第214条 供給電圧が50ボルトを超える配電盤は、デッドフロント形のものでなければならない。
第215条 配電盤に備え付ける器具及び配線は、容易に点検できるように配置しなければならない。
第216条 回路の接続に使用するナット、ボルト等は、振動により緩みを生じないように取り付けなければならない。
第217条 配線は、開閉器(断路器、切換開閉器及び船外給電用開閉器を除く。)及び自動遮断器の可動部分が、回路を開いた場合に充電していないようにしなければならない。
2. 同一場所に設ける開閉器及びヒューズの1組は、回路を開いた場合において、ヒューズが充電しないように配線しなければならない。
第218条 均圧母線の断面積は、発電機の主回路の導体の断面積の2分の1以上でなければならない。
2. 均圧母線の開閉器の電流容量は、均圧母線の電流容量以上でなければならない。
第219条 第183条の2第1項各号に掲げる船舶(限定近海貨物船にあっては、機関区域無人化船に限る。)の主配電盤の母線は、断路器を備える等管海官庁が適当と認める方法により分割することができるものでなければならない。
2. 発電機その他の電気機械及び電気器具は、前項の母線の分割したそれぞれの部分にできる限り均等に接続しなければならない。ただし、外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)以外の船舶の主配電盤に接続する発電機の合計容量が3メガワットを超えない場合には、この限りでない。
第220条 配電盤上に取り付ける電圧計、電力計、周波数計、同期検定器その他の計器類、接地灯及び表示灯の電圧回路には、その各極(接地極を除く。)にヒューズをそう入してこれを保護しなければならない。
第221条 配電盤には、その用途に応じてそれぞれ次に掲げる器具を備え付けなければならない。ただし、管海官庁の承認した配電盤については、この限りでない。
1. 発電機を制御するための配電盤
 
(拡大画面:116KB)
備考  1. 単独運転を行なう定格出力30キロワット以下の発電機(交流のものにあっては、電動機負荷のないものに限る。)を制御する配電盤には、本表による自動しゃ断器の代りにヒューズを用いてもよい。 
  2. 均圧線開閉器は、自動しゃ断器を連動することにより自動しゃ断器より先に閉じ、後に開くものでなければならない。
  3. 自動しゃ断器は、逆流引きはずし装置又は逆力引きはずし装置が作動した場合に各極同時に作動するものでなければならない。
  4. 直流三線式発電機の正負両極に電流計を取り付ける場合には、中性線電流計は取り付けなくてもよい。
  5. 定格出力30キロワット以下の交流発電機には、電力計を取り付けなくてもよい。
 
2. 負荷を制御するための配電盤
 
配電方式 器具
直流2線式
交流2線式
各極にヒューズを有する2極開閉器又は過負荷引きはずし装置を有する連動2極自動しゃ断器
直流3線式 正負2極にヒューズを有する3極開閉器又は正負各極に過負荷引きはずし装置を有する連動3極自動しゃ断器
交流単相3線式 中性極以外の各極にヒューズを有する3極開閉器又は中性極以外の各極に過負荷引きはずし装置を有する連動3極自動しゃ断器
交流三相3線式 各相にヒューズを有する3極開閉器又は2相に過負荷引きはずし装置を有する連動3極自動しゃ断器
交流三相4線式 中性極以外の各相にヒューズを有する3極開閉器又は各相に過負荷引きはずし装置を有する連動3極自動しゃ断器
 
(関連規則)
(1)設備規程第219条関係(船舶検査心得)
 
(構造)
219.1(a)「管海官庁が認める方法」には、ボルト締めの銅帯の一部を取り外すことにより分割すること及び遮断器(引き外し要素のないものに限る。)を設置することをいう。
 
(2)設備規程第221条関係(舶検)
 
舶検第134号(45.3.24)
 発電機を制御するための自動しゃ断器について
 船舶設備規程第221条に規定する発電機を制御するための自動しゃ断については、備考1にかかわらず、平行運転を行わない定格出力50kW(又はkVA)未満の発電機の制御用のものは、自動しゃ断器の代りにヒューズ付スイッチ、又は、配線用しゃ断器を用いてもよい。なお、過負荷保護は発電機の熱容量に対して適当なものとすること。
 
(b)配電盤に備え付けた器具の温度上昇限度
 配電盤及び同用器具の温度上昇限度は設備規程第223条の規定による。
 
(温度上昇限度)
第223条 配電盤に備え付けた器具の温度上昇限度は、作動状態において、定格電流を通電した場合第12号表に定めるところによる。
 
第12号表 配電盤及び制御器の温度上昇限度
機器の部分 温度上昇限度 (温度計法による。摂氏・度)
配電盤 制御器
電圧コイル A種絶縁のもの 50 65
B種絶縁のもの 80 85
エナメル線又はポリビニールホルマール線のみのもの 65 80
電流コイル A種絶縁のもの 50 65
B種絶縁のもの 80 95
単層巻エナメル線又はポリビニールホルマール線のみのもの 65 90
裸コイル 80 95
接触片 塊状のもの(銅及び銅合金) 50 65
塊状のもの(銀及び銀合金) 75 75
成層状のもの 30 40
刃形のもの 30 35
母線及び接続導体 40 50
端子  絶縁ケーブルを接続するもの 35 35
耐焔性絶縁ケーブルを接続するもの 45 45
裸抵抗体  5分間定格のもの 360 360
5分間定格以外のもの 260 260
埋込抵抗体 210 210
抵抗器  箱の上面より25ミリメートル離れた場所の排出空気 160 160
全閉形のものの外箱 35 35
備考 周囲温度が摂氏40度をこえる場所で使用するものには、その超過する温度をこの表の温度上昇限度から減ずるものとする。







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