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7・3 正弦波交流のベクトル及び複素数表示
7・3・1 正弦波交流のベクトル表示
 正弦波交流については7・1の図7・3で説明したとおり、Oを中心として腕OAの回転につれてその正射影の変化である、といったがこれをベクトル式に再現すれば次のようになる。
 
図7・12
 
 図7・12において電流の瞬時値iの変化は(7・2式)から
i=Im sinωt〔A〕である。
 これはなるベクトルとして考えられる。即ちなるベクトルはX、−Xの横軸上から出発するから偏角=0である。そして一定の角速度ω〔rad/s〕で反時計式に回転しではiの瞬時値はの正射影iはY、−Y軸上にあって、A′に至ればImなる最大値となる。このような正弦波ベクトルとなる。同図(b)は正弦波を示し同図(c)は偏角=0のベクトルを示す。次に、図7・13(a)(b)(c)及び(d)(e)(f)は上記のとおり、同様に考えてよい。
 
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図7・13
 
 しかし、前者の図7・13の(a)(b)(c)は偏角θで(+)であり、後者の図7・13(d)(e)(f)は偏角θで(−)である。
 これを、それぞれ次のように示す。
i=Im sin(ωt+θ)・・・(7・15)
i′=Im sin(ωt−θ)・・・(7・16)
7・3・2 ベクトル和と合成電流
 
図7・14
 
 図7・14において
i1=Im1 sin(ωt+θ1)〔A〕
i2=Im2 sin(ωt−θ2〔A〕
のようなi1i2電流の合成電流をベクトルを使用して求める。
 これは、6・2・3によってベクトルの和を求めればよい。即ちの平行四辺形を作り、その対角線mが合成電流である。そしてこの場合の偏角はθとなる。この場合には電流の最大値をとったが、実際にはベクトルの長さは実効値を用いることが多い。そしてこの方が便利である。この意味はメータの指示値は実効値であるから、これで画いておけば、両者は相似形のため実効値に倍すれば最大値のベクトル和が求められる。図中及びは実効値を示し、及びmは最大値を示している。







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