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3・9 周波数計
 図3・12(a)のように、鋼鉄片の1群Vが基部に固定され、各鉄片はその長さ及び重量等を適当に変えて、各固有の振動数を測定しようとする振動数を中心として、前後いくつかに振動数をふり分けたものである。そして、3・12(b)のように、鉄片に相対して交流電磁石Mを備えている。この励磁コイルは、測定しようとする交流回路に接続されている。この励磁コイルに電圧をかければ交番磁気が生じ、一周波ごとに2回ずつ鉄片を吸引するから1群の鉄片中、被測周波数の2倍の固有振動数をもった鉄片のみが共振作用により振動する。
 その他の鉄片は殆んど振動しない。
図3・12
 
図3・13
 
 図3・13は、この振動数を目盛板に示したもので、60〔Hz〕のものであれば60〔Hz〕のところで最大振幅となり、その前後は振幅が狭くなっているので一目で見極めることができる。
 電流力計形の計器で、電気的共振現象を利用した周波数計の1種を説明する。図3・14(a)において、固定コイルF1F2の作る磁界内に、互に直交する可動コイルM1、M2が装置されている。M1、M2コイルには、それぞれR1、C1、L1とR2、C1、L2が直列に接続されている。このような回路の同調回路の同調周波数は、基準周波数(ここでは60Hz)の上下8Hzに選ぶ。図3・14(b)はこれを示す。
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図3・14
 
 故にL1及びC1は68Hzの周波数に同調し、また、L2及びC2は52Hzの周波数で同調するように製作されている。故に周波数が68Hzの場合はM1の電流I1は最大でM2の電流I2は最小、周波数52Hzの場合はM2の電流I2は最大でM1の電流I1は最小である。そこで、M1とF1とにより生ずるトルクT1とM2とF2とにより生ずるトルクT2とは互に反対方向となるようになっているから、この両トルクが平衡した位置で可動コイルは静止する。この原理によって周波数計が構成されている。
 この計器は、同調回路を用いて共振現象をとらえているので、きわめて感度のよい計器といわれている。







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