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(4)電磁接触器
 電磁接触器は交流用及び直流用それぞれ別個の規格により規定されているが、最も多く使用される交流用の電磁接触器についてJISC8201−4−1−99(低圧開閉装置及び制御装置)の規定条項の内、注目すべき事項を次に示す。
(a)遮断電流及び閉路電流の級別
 遮断電流及び閉路電流の級別は次のとおりである。
 
級別 代表的適用例
AC1 非誘導性又は少誘導性の抵抗負荷の開閉
AC2B (1)巻線形誘導電動機の始動
(2)運転中の巻線形誘導電動機の開放
AC2 (1)巻線形誘導電動機の始動
(2)〃のプラッギング、逆転 (3)〃のインチング
AC3 (1)かご形誘導電動機の始動
(2)運転中のかご形誘導電動機の開放
AC4 (1)かご形誘導電動機の始動
(2)〃のプラッギング、逆転(3)〃のインチング
注:
プラッギング(逆相制御)とは電動機の回転中に一次電圧の相順を逆にして電動機を急激に停止させること。
 
(b)開閉頻度の号別
 開閉頻度により次の如く区分する。
 
号別 1号 2号 3号 4号 5号 6号
開閉頻度回/時 1200 600 300 150 30 6
使用率 25% 40% 60%
備考
(1)
開閉動作を1回とする回数で表す。
(2)
使用率とは1時間中の通電時間の総和の1時間に対する比をいい、百分率で表す。  この使用率はAC1、AC2B及びAC3級に適用する。ただし、AC2及びAC4級の使用率は製造業者の保証値とする。
(3)
開閉頻度の試験は夫々の級別に対し規定した条件にて行うこと。例えば、かご形誘導電動機の直入始動及び開放に使用するAC3級では、閉路は定格電圧において力率0.35定格容量負荷の全負荷電流値の6倍の電流を投入し、遮断は全負荷電流値で行う。
 
(c)寿命の種別
 寿命による種別を次表のとおり区分する。ただし、機械的寿命と電気的寿命の種別は別個に組み合わせることができる。
 
種別 機械的寿命 種別 電気的寿命
0種 1000万回以上 0種 100万回以上
1種 500〃 1種 50〃
2種 250〃 2種 25〃
3種 100〃 3種 10〃
4種 25〃 4種 5〃
5種 5〃 5種 1〃
6種 0.5〃 6種 0.1〃
備考(1)
ここにいう寿命とは開閉動作を1回とする回数で表す。
(2)
種別の組合せ表示は、機械的寿命と電気的寿命の種別が異なるときは、それぞれの種別を表示し、種別が一致するときは、そのいずれかを省略して表示してもよい。例えば、機械的寿命が250万回以上で電気的寿命が50万回以上の開閉器(接触器)は機械的寿命2種、電気的寿命1種とし、その寿命の種別を2−1種と呼ぶ。
(3)
開閉動作は開閉頻度の号別にて規定する開閉頻度で行う。
(4)
電気的寿命の試験は、それぞれの級別に対し規定した条件にて行う。
 
(d)閉路及び電流遮断性能
 次表に示す条件で閉路及び電流遮断の試験を25回反復しても接点の溶着がないこと。
 
級別 閉路 遮断
I E cosθ I Er cosθ
AC1 1.5Ie 1.1Ee 0.95 1.5Ie 1.1Ee 0.95
AC2B 4Ie 0.65 4Ie 0.65
AC2 4Ie O.65 4Ie 0.65
AC3 10Ie 0.35 8Ie 0.35
AC4 12Ie 0.35 10Ie 0.35
ここで、
I:閉路電流又は遮断電流
 
Ie:定格容量(電動機用の場合は、定格使用電圧における最大適用電動機の定格出力)に対する全負荷電流。
 
E:閉路前の電圧
 
Ee:定格使用電圧
 
Er:回復電圧(開閉器の遮断直後に、引き続きその各種の両端子間に現われる電圧)
 
cosθ:回路力率(許容差は±0.05とする。)
注:
閉路及び遮断の間の休止時間は定格容量に対応する電流値が100A以下のものは10秒、100Aを超過するものは30秒とする。
 
 特に規定する場合を除いて、機器の巻線、抵抗体などの抵抗値の許容差は規定値又は標準値の±10〔%〕を目標とすること。また、特に温度を規定しない場合は、20〔℃〕における値とする。
 機器の発生騒音はJISC1502−90(普通騒音計)による指示騒音計を使用しJISZ8731−99(環境騒音の表示・測定方法)による数値で表す。







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