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12.2.2 コネクタの接続
 光コネクタには多くの種類があり、メーカーやタイプによって接続要領や使用工具、材料に違いがある。
 ここではコネクタ接続工事の実際として、全プラスチックマルチモド光ファイバの例を紹介する。
(1)使用工具及び材料
(a)ストリッパ・カッタ MODEL TSC 100
(b)圧着工具 MODEL TCT 100
(c)接着液(2液混合エポキシ系)(省略可)
 
 
(e) ターミネータ HODEL THP 100
  仕様  
  使用電源 AC100V 50/60Hz
  消費電力 20W
  熱板 特殊フェロタイプ
  熱板温度 120℃〜160℃
  熱板温度調整 バイメタル方式(可変型)
  処理時間 加熱:4〜10秒、冷却:5〜10秒
  外形寸法 φ76×60H
  重量(本体) 300g
  型式認可番号 〒81−12264
 
(2)ターミネータの使用上の注意
(a)振動や衝撃を与えるとヒータの断線や、駆動部の破損原因となる。
(b)約10分間予熱する。
(c)水平の状態で使用する。
(d)電源コードを接続した状態で長時間放置すると、レバーを押さなくても部分的に約50℃以上になる場合がある。直接手で触れる場合は注意すること。
(e)熱板の汚れを除去する必要がある場合は、電源コードを接続する前にアルコールを浸したガーゼなどでふき取る。
 
(拡大画面:51KB)
図12.1 ターミネータ及び熱板の温度特性
 
(f)温度調整用トリマー(バイメタル)は標準状態に調整してあるので、特別な事情がない限り触れないようにすること。設定温度を変更する場合は、(検)ラベルをはがして調整(左回し−温度弱、右回し−温度強)する。
(g)熱板は短時間に加熱・冷却を行わせるので非常に薄い構造になっている。したがって、余り強く押付けると変形することがあるので注意する。
(h)レバーは静かに戻すようにする。
(i)熱板は傷が付かないように、注意して保管する。
(3)作業方法
 MBO型プラグ及びDNP型プラグの作業の手順を次に示す。
(a)ケーブルの切断
 ケーブル長を計測し、切断箇所を決め、切断する。なお、切断の前に、(f)のかしめ部分に使用する収縮チューブを適当長さ挿入しておく。
(b)ケーブル被覆のストリップ
 ストリッパを用いて、全プラスチック光ファイバコードのジャケット(ポリエチレン)を、MBO型プラグで約15〜20mm、DNP型プラグで約7mm、はぎ取る。このとき、ストリッパの刃で光ファイバに傷を付けないように真すぐに引張る。
(c)ファイバ心線の挿入
 MBO型プラグの場合、心線をプラグに差し込んだ後、ジャケット(ポリエチレン)の部分をクリンピングツール(かしめ機)でかしめる。プラグをより強力に固定する場合は、接着剤クイックボンド30又はセメダインハイスーパEP−330を少量塗布した状態でプラグフェルール内に差込み、硬化する前にかしめを行う。
 DNP型プラグの場合、プライヤを用いて、プラグの後方の5〜8mmの位置でケーブルを軽く挟んでプラグに挿入する。この操作を4〜5回繰返し、少しずつ挿入する。ファイバ心線がプラグの先端から約5mm出たところで挿入が完了する。
 
 
1 ケーブルを強く挟み込むとファイバに損傷を与える。 
  2 1回当たりの挿入長さを大きくすると、心線を座屈させる恐れがある。 
  3 ケーブルの被覆がプラグスロットに入り込まない位置で挿入終了。
 
(d)ファイバ余長の切断
 MBO型の場合、カッタの穴にプラグの先端を差込んで、ファイバ心線を切断する。(切断した後は、プラグの先端から約0.5mm突出した状態になる。)
 DNPの場合、0.4mm厚のスペーサを入れたカッティング治具に心線及びプラグを挿入し、治具の表面にならってナイフによりファイバ心線を切る。
 
(拡大画面:19KB)
 
(e)端面処理
 プラグの先端から突出した部分(約0.5mm)を熱板へ垂直に軽く押し付けた状態を保ち、レバーを押して、MBO型プラグで5〜10秒間、DNP型プラグでは約4秒間熱板で加熱する。(加熱ヒータが熱板に接触し、ファイバの先端が成形される。)
 フラグの先端を熱板に密着させたままの状態でレバーを離し、約5〜10秒間冷却する。
 
 
(f)あらかじめ挿入しておいた収縮チューブを、かしめ部分に被せて、ヒートセットする。
 







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