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3.3 電線貫通金物の取付け
 電線貫通金物の種類は、取付ける場所の船体構造(防水、防火など)、ケーブル本数、作業スペースなどにより決定する。
 
3.3.1 コーミング、ブッシング
(1)コーミングは原則として、両面等分に取付ける。甲板に取付けるときは、コーミングの高さは、デッキコーミングより高くする。
(2)ブッシングの内面及び両端は、ケーブルに損傷を与えないように仕上げる。
 
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図3.18 一般的なコーミシク、ブッシングの取付け例
 
3.3.2 グランド
(1)グランドは、使用場所に応じて箱用、隔壁・甲板用を用い、ケーブルの大きさに適合したものを使用する。
(2)取付け方向は、グランド頭部(ナット部)を防水区画側とする。
(3)甲板用は、高さをデッキコーミング以上とする。
(4)同一場所に4本以上取付ける場合は、グランド板とする。
(5)グランド板の板厚は、貫通個所板厚と同一とする。また、重ね代は30〜50mmとする。
(6)周囲の状況により、グランド板が装備できない場合(例えば、開口に制限がある場合又は狭い場合)には、ケーブル貫通箱を設けてもよい。ケーブル貫通箱には、必ず防水性の手入れ口を設けること。
 
図3.19 グランドの取付け例
 
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図3.20 グランド板のグランド配置例
 
図3.21 ケーブル貫通箱の取付け例
 
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図3.22 ケーブル貫通箱のグランド配置例
 
3.3.3 MCT
(1)MCTと電路の関係
(a)MCT前後部の電路には、作業性を考慮し、直線部分を設けること。
 
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図3.23 MCTと電路の取付け例
 
(b)MCT前後部では、MCT幅にあった電路を使用し、少なくとも二番目のハンガまでは取外し式とする。また、2段式の場合も、上段、下段共に取外し式とすること。
 
図3.24 MCTと取外し式電路の取付け例
 
(2)MCTの取付け
(a)MCTの圧縮ボルトの位置は、作業性を考慮して上部を原則とする。
(b)フランジの幅は、最低60mm、厚さは、10mmを標準とする。
 
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図3.25 MCTの取付け例
 
(3)MCTボックス
(a)甲板貫通部にMCTを使用する場合は作業性を考慮して、MCTボックスの使用を原則とする。
(b)MCTボックスは近くに隔壁又はスチフナがある場合は、それを利用したボックス構造とする。
(c)MCTボックスの板厚については、装備場所及び箱体の大きさに合わせるとともに、船体主務者と協議の上決定する。
 
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図3.26 MCTボックスの例







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