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初級講習用指導書(電気装備概論編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2 船体部の概要
 
2・1 船の要目
2・1・1 主要寸法(Principal dimensions)
 船の長さ(Length、L)、(breadth、B)、深さ(depth、D)を船の主要寸法というが、これは次のように測ることになっている。
(1)長さ(L)
(a)垂線間長(トン数法施行規則第1条第2項の4号)
 船首材の前面及びだ柱(船尾材)の後面(だ柱をもたない船ではだ頭材の中心)が満載喫水線(2・1・2の喫水を参照)と交わる二つの交点から二つの垂線をおろし、この垂線間の距離を船の垂線間長(length between perpendiculars、Lpp)といい設計の際用いられる(図2・1、参照のこと。)。
(b)全長(海上衝突予防法第3条第10項)
 船体に固定的に付属する突出物を含めて、船首最前端より船尾最後端までの水平距離を全長(length overall、Loa)といい、航海関係で用いられる。
 
図2・1
 
(c)登録長さ(船舶法施行細則第17条、トン数法施行規則第1条第2項の2号)
 船舶を登録原簿に登録する際用いる船の長さを登録長さといい、上甲板下面において、船首材の前面より船尾材の後面(舵頭材を有する船舶にあっては、舵頭材の中心位置)に至る水平距離をいう。
(2)幅(B)
 船の幅の一番広い部分において、図2・2に示すように肋骨の外面から反対舷肋骨の外面までの距離を幅(breadth)といい設計及び登録に用いられる。また、外板の外側から反射舷の外側までを最大幅(breadth maximum)といい航海関係に用いられる。
 
図2・2
 
(3)深さ(D)
 深さ(D)とは長さの中央において図2・2に示すように、竜骨の上面から上甲板梁の船側における上面までの垂直距離をいい、設計及び登録に用いられ型深さ(molded depth)ともいう。船底の最下部までの深さを最大深さ(depth extreme)といい、航海関係に用いられる。
2・1・2 喫水(draft)
 喫水とは水面に浮かぶ船の水面下の深さをいい、この深さは図2・1に示すように、水面からキールの下面までの垂直距離を指すが、設計にはキール上面までの喫水を用い、これを型深さ(moldeddraft)ともいう。(トン数法施行規則第1条第2項の1号)
 満載喫水(full load draft)とは、貨物を許容された全量まで積込んだときの喫水をいい、これは船の予備浮力、強度など船の安全を考慮して一定方式で算定される。
 船体が水面と交わる線を喫水線といい、満載のときの喫水線を特に満載喫水線(load water line、L.W.L.)という。(満載喫水線規則)
2・1・3 乾舷(freeboard)・満載喫水線の標識(load line mark)
 乾舷(フリーボード)とは、図2・2に示すように船の長さの中央において、上甲板(この場合乾舷甲板という。)の舷側における上面から満載喫水線まで測った垂直距離をいう。そして船の種類、構造、航行区域又は季節によって、各種満載喫水線があり、これに対応するフリーボードも各種あり、夏期(S)又は冬期北大西洋(WNA)満載喫水線(ロード・ライン・マーク)等のように呼ぶ。(船舶安全法第3条、満載喫水線規則、船舶区画規程)
 ロード・ライン・マークは船の長さの中央両側の船側甲板線外板に標示した満載喫水線のマークのことである。図2・3はロード・ライン・マークの代表的な一例を示したもので、これは我が国の遠洋及び近海区域の船の中央部の両舷側に標示したものである。このほか沿海区域の船舶又は漁船には、円標の代りに逆三角型又はV字型のものが用いられる。
 
図2・3
 
2・2 構造のしくみ
 船舶が水上に浮かんでいるときは、全体としては、船体の重量と浮力が釣合って浮かんでいるので船体の各部も浮力と釣合っているように見えるが、実際にはそうではなく、一般的には船体の中央部は体積が大きいから浮力は重量にまさり、また、船首、船尾では逆に重量が浮力にまさっているというように船体は部分的には下向の或いは上向の力を受ける。また、波浪を受けるときには、各方面から船体各部に機械的力を受ける。これらの力は船体に変形を起こそうとするので船体の構造は実用上これらの各種の力に耐え有害な変形を起こさないものでなければならない。以下これら船体の受ける力を分析しながら、これらに対応する構造のしくみをみよう。
2・2・1 縦の強さ
 図2・4に点線で示す船体をA、B、C、D、Eのブロックに分割して考えたとき、この船舶が浮力を受ければ実線で示した矢印のように、一般的には、A、Eブロックは下方に、Cブロックは上方に変形を起こそうとする。ところがこれに波の影響を入れればさらに複雑となる。図2・5の(a)(b)は航海中の船が船の長さにほぼ等しい波長の波に遭遇し船体が折り曲げられようとする状態を表わしたもので、この縦方向の折り曲げに対しては、甲板、外板及び骨材が抵抗する。
 船が破壊されないためには以上のとおりの各種の外部からの力に抵抗できる部材の強度が必要であるが、これは部材の厚さ組み立て方により求められる。
 
図2・4
 
図2・5
 
2・2・2 横の強さ
 船体が激浪にもまれて横揺れするとき、また、ドライドックに入ってキール盤木で支えられているときは図2・6に示す点線のようにひずみを受ける。
 これらのひずみを受け抵抗するものは甲板のビーム、フレーム及び二重底内のフロアプレート等で更に水密隔壁も、竹の節のように、横方向の力を支えることになる。
 
図2・6
 
2・2・3 局部の強さ
 以上のほか、局部的の強さも考えねばならない。例えば、船首、船底外板をたたく固体のような波の力、積載される重量物が甲板ビームをたわめる力、主機関の下部構造にかかる力、また、プロペラなどの船体に及ぼす力等に対応して局部的強さが必要である。
 以上述べたさまざまの力は個々別々でなく、同時に組合わされて起こるので船全体の構造も総合的に取扱わねばならないから各部材が弾力的に組合わされている。
 したがって、船体の構造物に穴をあけるとか又は変形を必要とする工事には、関係者と十分連絡をとるようにし独断で行ってはならない。







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