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(電動通風装置等)
第286条 機関区域に使用する電動通風装置は、当該装置を使用する場所の内部及び外部に停止装置を備えたものでなければならない。この場合において、当該停止装置は、他の区域に使用する電動通風装置に備える停止装置と独立したものでなければならない。
2. 機関区域に使用する電動通風装置以外の電動通風装置(国際航海に従事しない船舶であって旅客船以外のものに設備する電動通風装置にあっては、調理室及び貨物区域に使用するものに限る。)は、当該装置を使用する場所の外部に停止装置を備えたものでなければならない。
3. 前2項の規定により電動通風装置を使用する場所の外部に備える停止装置は、当該場所の火災によりその操作を妨げられない位置に設置しなければならない。
4. 旅客船に設備する電動通風装置であって、機関区域、貨物区域又は制御場所に使用する電動通風装置以外のものはできるだけ離れた二の場所のいずれかにおいても、これをすべて停止できるものでなければならない。ただし、国際航海に従事しない旅客船であって管海官庁が承認したものについては、この限りではない。
5. 調理室の吸気及び排気に使用する電動通風装置は、調理室の内部からもこれを停止できるものでなければならない。
6. 燃料油装置のポンプ又は貨物油ポンプが電動式のものである場合には、これらの設置場所の内外のいずれにおいてもこれを停止できるものでなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
286.0(電動通風装置等)
(a)電動通風装置とは、いわゆるmechanical Ventilationであって小型通風機及び扇風機は含まない。
2. NK規則
2.2.13 通風機及びポンプの遠隔停止
−1. 通風機及びポンプの遠隔停止は、鋼船規則R編5.2.1−2.及び5.2.2−2.から−4.によらなければならない。
−2. ヒューズを鋼船規則R編5.2.1−2.及び5.2.2−2.から−4.に規定する遠隔停止回路であって動作時にのみ通電されるものの保護に使用する場合には、ヒューズ切れに対して考慮しなければならない。
(R編)
5.2.1. 閉鎖装置及び通風停止装置
−1. 通風装置の主吸気口及び主排気口は、通風をする場所の外部から閉鎖することができるものでなければならない。閉鎖の手段は、明確かつ恒久的に標示されているとともに容易に接近できなければならず、かつ、当該遮断装置の開閉を表示するものでなければならない。
−2. 居住区域、業務区域、貨物区域及び制御場所の機械式通風装置は、通風をする場所の外部の容易に接近できる位置から停止することができなければならない。この位置は、通風をする場所が火災の際に、容易に遮断されないものでなければならない。
5.2.2 機関区域における閉鎖装置及び通風停止装置
−1. 天窓の開閉、排気通風のために通常使用される煙突の開口の閉鎖及び通風筒ダンパーの閉鎖のための装置を取り付けなければならない。
−2. 通風用送風機には停止装置を取り付けなければならない。機関区域の機械式通風装置の停止装置は、2箇所から操作可能なようにまとめて配置し、その内の1箇所は当該区域の外部としなければならない。機関区域の機械式通風装置の停止装置は、他の区域の機械式通風装置の停止装置と完全に分離しなければならない。
−3. 強制給排気用送風機、燃料油移送ポンプ、燃料油装置のポンプ、潤滑油供給ポンプ、熱媒油循環ポンプ及び油清浄機には、停止装置を取り付けなければならない。ただし、−4.の規程は、油清浄機には適用する必要はない。
−4. −1.から−3.までの規定及び4.2.2 (3)(d)により要求される閉鎖装置は、制御対象となる区域の外部であって当該区域に火災が発生した場合でも遮断されない位置に設けなければならない。
(水密戸開閉装置)
第287条 船舶区画規程第52条又は第53条の規定により設ける水密戸開閉装置、警報装置又は指示器が電気式のものであるときは、主電源及び非常電源のいずれからも非常配電盤を経て給電できるものでなければならない。
2. 船舶区画規程第 102条の11、第 102条の12又は第 102条の14の規定により設ける水密戸開閉装置又は指示器が電気式のものであるときは、主電源のほか非常電源からも給電できるものでなければならない。ただし、同令第 102条の3各号に掲げる船舶に設けるものにあっては、この限りでない。
3. 船舶防火構造規則第34条第3項の規定により設ける開閉装置が電気式のものであるときは、主電源のほか非常電源からも給電できるものでなければならない。
4. 前3項の装置に使用する電気機械及び電気器具並びに電路のうち、隔壁甲板(旅客船以外の船舶にあっては、乾舷甲板(満載喫水線規則第2条第1項の乾舷甲板をいう。))より下方に設ける部分は、管海官庁が適当と認める防水措置を施したものでなければならない。
(関連規則)
1. 船舶検査心得
287.3(水密戸開閉装置)
(a)船舶防火構造規則第34条第3項は、国際航海に従事する船舶並びに遠洋又は近海区域を航行区域とする総トン数500トン以上のタンカーにのみ適用されているので、これ以外の船舶には、本項は適用されない。
287.4
(a)管海官庁が適当と認める防水措置とは、次のJIS F 8007(1989)「船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則」(注)の保護等級に適合するもの又はこれと同等以上のものであること。
(1)電動機、関連回路及び制御部分:IPX7
(2)戸の開閉指示器及び関連回路部分:IPX8
 この場合において、IPX8の検査条件は次のとおりとする。
 設置される場所から上甲板(旅客船にあっては隔壁甲板)までの水高圧力を36時間加えること。
(3)音響信号及び発光信号で戸の閉鎖を警報する装置:IPX6
(注 JIS F 8007(1998)船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則 参照)
(水中型電動ビルジポンプ)
第288条 船舶区画規程第78条第3項第1号の規定により備え付ける水中型の電動ビルジポンプは、主電源及び非常電源のいずれからも非常配電盤を経て給電できるものでなければならない。
2. 前項の水中型の電動ビルジポンプへ給電する電路のうち、隔壁甲板より下方に布設する部分は水密に保たなければならない。
(自動スプリンクラ装置)
第289条 船舶消防設備規則第5条第6号に掲げる自動スプリンクラ装置であって電気式のものは、常用の電源のほか予備の独立の電源からも給電することができるものでなければならない。この場合において、外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)及び係留船のスプリンクラ・ポンプの常用の電源は主電源でなければならない。
2. 国際航海に従事する旅客船及び係留船に備える前項の自動スプリンクラ装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)スプリンクラ・ポンプの電源は、主電源及び非常電源であること。
(2)スプリンクラ・ポンプへの給電は、主配電盤及び非常配電盤から、この目的のためにのみ備えるそれぞれ独立の電路によって行われるものであること。
(3)前号の電路には、スプリンクラ・ポンプの近くの場所に次に掲げる要件に適合する自動切換開閉器を備え付けること。
イ主配電盤から給電することができる間は、主配電盤からの電路に閉じられていること。
ロ 主配電盤からの給電が停止した場合には、非常配電盤からの電路に自動的に切り換えられること。
(4)第2号の電路には、前号の開閉器以外のいかなる開閉器も備え付けないこと。
(5)主配電盤及び非常配電盤上のスプリンクラ・ポンプの開閉器には、その用途及び通常は閉位置に保つ旨の表示を設けること。
(6)自動警報装置(船舶消防設備規則第5条第6号に掲げる自動スプリンクラ装置のスプリンクラ・ヘッドが作動した場合に可視可聴警報を発する装置をいう。以下同じ。)は、常用の電源のほか非常電源からも給電することができるものであること。
(説明)
1. 船舶防火構造規則第2条の機関区域、特定機関区域、貨物区域、業務区域
(1)「機関区域」とは、特定機関区域並びに推進機関、ボイラ、蒸気機関、内燃機関、主要電気設備、冷凍機、減揺装置、送風機又は空気調和機械のある場所、給油場所及びこれらに類似した場所並びにこれらの場所に至るトランクをいう。
(2)「特定機関区域」とは、主機若しくは合計出力 375キロワット以上の補助機関として使用する内燃機関、油だき装置又は燃料油装置のある場所及びこれらの場所に至るトランクをいう。
(3)「貨物区域」とは、貨物を積み付けるすべての場所及びこれらの場所に至るトランクをいう。
(4)「業務区域」とは調理室、調理器具のある配膳室、貯蔵品室、ロッカー室、郵便物室、金庫室、作業室(機関区域に該当するものを除く。)、洗濯室、手荷物室及びこれらに類似した場所並びにこれらの場所に至るトランクをいう。
2. 「隔壁甲板」とは、横置水密隔壁の上端に接する甲板をいう。(船舶区画規程第4条)







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