第八編 無線電信等
(無線電信等の施設)
第三百十一条の二十二 船舶には、その航行する水域に応じてそれぞれ次に掲げる無線電信等(法第四条第一項の「無線電信等」をいう。以下同じ。)を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合は、この限りでない。
一 A4水域を航行する船舶
区分 |
無線電信等 |
国際航海旅客船等 |
イ HF直接印刷電信
ロ HF無線電話
ハ MF直接印刷電信
ニ MF無線電話
ホ VHF無線電話 |
国際航海旅客船等以外の船舶 |
イ HF直接印刷電信又はHF無線電話
ロ MF無線電話
ハ VHF無線電話 |
備考 |
|
国際航海旅客船等以外の船舶であって総トン数100トン未満のものにはMF無線電話及びVHF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
二 A3水域、A2水域又はAI水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶(A2水域又はA1水域のみ(湖川を含む。)を航行するものを除く。)
区分 |
無線電信等 |
国際航海旅客船等 |
イ |
(1)又は(2)のいずれかの無線電信等 |
|
(1) |
HF直接印刷電信、HF無線電話及びMF直接印刷電信 |
|
(2) |
インマルサット直接印刷電信 |
ロ |
MF無線電話 |
ハ |
VHF無線電話 |
|
国際航海旅客船等以外の船舶 |
イ |
(1)から(4)までのいずれかの無線電信等 |
|
(1) |
HF直接印刷電信 |
|
(2) |
HF無線電話 |
|
(3) |
インマルサット直接印刷電信 |
|
(4) |
インマルサット無線電話 |
ロ |
MF無線電話 |
ハ |
VHF無線電話 |
|
備考 |
|
一 |
国際航海旅客船等以外の船舶であって次に掲げるものは、MF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
イ |
総トン数100トン未満の船舶 |
|
|
ロ |
沿海区域を航行区域とする船舶(航行区域が平水区域から当該船舶の最強速力で2時間以内に往復できる区域に限定されていない旅客船(管海官庁が差し支えないと認めるものを除く。)を除く。) |
|
|
ハ |
平水区域を航行区域とする船舶 |
|
二 |
国際航海旅客船等以外の船舶であって次に掲げるものには、VHF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
イ |
総トン数100トン未満の船舶 |
|
|
ロ |
2時間限定沿海船等 |
|
|
三 A2水域又はA1水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶(A1水域のみ(湖川を含む。)を航行するものを除く。)
区分 |
無線電信等 |
すべての船舶 |
イ MF無線電話
ロ VHF無線電話 |
備考 |
|
一 |
MF無線電話が常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるものでない場合には、HF直接印刷電信、HF無線電話、インマルサット直接印刷電信、インマルサット無線電話、MF直接印刷電信(常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるものに限る。)又は告示で定める無線電信等であって常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるもの(以下「一般通信用無線電信等」という。)(国際航海旅客船等にあっては、HF直接印刷電信、HF無線電話、インマルサット直接印刷電信、インマルサット無線電話又はMF直接印刷電信に限る。)を備えなければならない。 |
|
二 |
一般通信用無線電信等を備える国際航海旅客船等以外の船舶であって次に掲げるものには、MF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
イ |
総トン数100トン未満の船舶 |
|
|
ロ |
近海区域を航行区域とする旅客船以外の船舶であって管海官庁が差し支えないと認めるもの |
|
|
ハ |
沿海区域を航行区域とする船舶(航行区域が平水区域から当該船舶の最強速力で2時間以内に往復できる区域に限定されていない旅客船(管海官庁が差し支えないと認めるものを除く。)を除く。) |
|
|
ニ |
平水区域を航行区域とする船舶 |
|
三 |
国際航海旅客船等以外の船舶であって次に掲げるものには、VHF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
イ |
総トン数100トン未満の船舶 |
|
|
ロ |
2時間限定沿海船等 |
|
|
四 A1水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶
区分 |
無線電信等 |
すべての船舶 |
VHF無線電話 |
備考 |
|
一 |
VHF無線電話が常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるものでない場合には、一般通信用無線電信等を備えなければならない。 |
|
二 |
一般通信用無線電信等を備える国際航海旅客船等以外の船舶であって次に掲げるものには、VHF無線電話を備えることを要しない。 |
|
|
イ |
総トン数100トン未満の船舶 |
|
|
ロ |
2時間限定沿海船等 |
|
|
五 船舶安全法施行規則第四条の二第三号の告示で定める水域を航行する船舶
区分 |
無線電信等 |
すべての船舶 |
当該告示で定める水域(当該船舶の航行する水域に限る。)において、常に直接陸上との間で連絡を行うことができる無線電信等であって管海官庁が適当と認めるもの。 |
|
2 小型船舶検査機構が小型船舶検査事務を行う場合にあっては、前項中「管海官庁」とあるのは、「小型船舶検査機構」と読み替えて、この規定を適用する。
(関連規則)
船舶検査心得
311−22.1
(a)「管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、次の各号の一に掲げる場合をいう。
(1)A3水域、A2水域又はA1水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶(A2水域又はA1水域のみ(湖川を含む。)を航行するもの及び国際航海旅客船等(施行規則第60条の5第1項第1号の国際航海旅客船等をいう。以下同じ。)を除く。)であって次に掲げるものが、専ら離島の周辺(沿海区域又は平水区域内の水域に限る。)を航行する場合又は専ら外国の沿岸を航行する場合(カリブ海において従業するえびトロール漁船に限る。)
(i)一般通信用無線電信等(設備規程第311条の22第1項第3号の一般通信用無線電信等をいう。以下同じ。)又はMF無線電話(常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるものに限る。)を備える総トン数100トン未満の船舶及び2時間限定沿海船等(設備規程第146条の10の2の2時間限定沿海船等をいう。以下同じ。)
(ii)一般通信用無線電信等又はMF無線電話(常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるものに限る。)及びVHF無線電話を備える総トン数100トン以上の船舶(2時間限定沿海船等を除く。)
(2)146−10−3.0(b)(3)の規定((iv)に係る部分を除く。)に適合する船舶であって、各号に掲げるVHF無線電話に代えて通信申合せに従って漁業通信に使用される27MHz帯を使用する無線電話を設置している場合。この場合において、備え付けることを要しない無線電信等は、各号に掲げるVHF無線電話とする。
(3)A2水域又はA1水域(湖川を含む。)を航行する100トン以上の船舶(A1水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶を除く。)であって次に掲げるものが、一般通信用無線電信等及びVHF無線電話を備える場合
(i)養殖場における投錨及びロープ張り、投餌並びに網揚げ作業等のみに従事するもの
(ii)養殖場からの漁獲物の運搬のみに従事するもの
(iii)上記(i)及び(ii)のみに従事するもの
(4)A3水域、A2水域又はA1水域(湖川を含む。)を航行する船舶(A2水域又はA1水域のみ(湖川を含む。)を航行する船舶及び国際航海に従事する船舶を除く。)であって次の要件に適合するものであること。
(i)旅客船及び施行規則第1条第2項各号に掲げる漁船以外の船舶であってMF無線電話及びVHF無線電話を設置していること。
(ii)MF無線電話により常に陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことのできる水域のみを航行するものであること。
この場合において、当該水域は、当該船舶に交付される電波法による無線局の予備免許又は変更許可を受けたことを証明する書類中に記載されたものとする。
(b)第1項第二号備考一ロ及び同項第三号備考二ハの「管海官庁が差し支えないと認めるもの」とは、航行区域が平水区域から最強速力で2時間以内に往復できる区域に限定されていない旅客船のうち、長距離カーフェリー以外のものとする。
(c)第1項第三号備考二ロの「管海官庁が差し支えないと認めるもの」とは、当該船舶が備える一般通信用無線電信等により常に陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができる水域内及び沿海区域を航行する船舶とする。
この場合において、当該水域は、当該船舶に交付される電波法による無線局の予備免許又は変更許可を受けたことを証明する書類中に記載された水域又は管海官庁が別に定めるところによるものとする。
〔海検第38号(平成8年5月31日)〕
改正 平成13年9月14日 国海安第60号
船舶設備規程船舶検査心得311−22.0(c)中管海官庁が別に定めるところによるものについて、別紙のとおり定めることとする。
なお、同項中電波法により定められる水域については、現在郵政省が所要の手続きを準備中であること及び本通達以外には当面他に水域は定める予定にはないことから、一般通信用無線電信等としては、本通達に係るもののみが当面は認められることとなる。
|