4・6・2 LANと無線LAN
Local Area Networkを略してLANと呼ぶ。ある限られた区域内での専用ネットワークのことで図4・14のように種々のLANの接続方法がある。
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図4・14 種々なLANの接続方法
(b)ループと(d)リング接続が一般に利用されている。図中の線は共有回線を示し、黒丸はノード又はステーションと呼びここから電話機、コンピュータ等の端末機器が接続される。1980年代に工場やオフィス等の構内に多数のパソコン、プリンター等を通してファイルやデータを共有するために開発されたのがLANの始まりである。
データ情報等を提供する側をサーバ、情報を受けて利用する側をクライアントと呼ぶ。図4・15にパソコンによるLANを示す。10Mbit/s〜30Mbit/sの高速でパソコン通信が行える。
図4・15 パソコン通信LAN
図4・16に種々のマルチメディア端末をもつ大型LANを示す。すべての情報はデジタル信号として光ファイバーケーブルをループ回線として共有する。
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図4・16 マルチメディアLAN
同じ回線を共有するため情報同士が衝突して混信しないようにしたり、目的の機器へ間違いなく送る必要がある。このための制御をアクセス制御MACと呼び、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access With Co11ision Detection)とトークンアクセス(Token Access)制御が行われている。CSMA/CDはある端末から信号を送信するときに共有回線上に他の信号が流れていないかを確認した上で送信する方法である。トークンアクセスは単線式線路上で上りと下り列車が衝突しないためトークンと呼ぶ輪状の鍵を駅で交換してトークンを持った列車だけが単線上を走れる方法を通信に適用したものである。図4・17にトークンによる信号の入出力を示す。黒の四角でトークンを示す。トークンを受け取った端未だけから情報を送信するので回線上での衝突が発生しない。
図4・17 トークンによるLANのアクセス
無線LAN:
有線と無線を結びつけたLANが無線LANで略してWave LAN(WAN)と呼ぶ。移動体通信には無線が必要でありネットワークは無線LANとなる。図4・18に無線LANの構成を示す。無線の端末から電波が輪状に出て共有回線に接続される。
図4・18 無線LANの構成
種々の無線LANが開発されつつある。電波は超短波からミリ波までの近距離用で免許不要の微小電力周波数拡散通信方式などが市販されている。屋外の移動体用の他、室内の無線LANは配線が不要となりパソコン等を由由に移動できるなどの利点がある。
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