(7)コーミングの設計と作り方
(a)概要
ケーブルが防水を必要としない甲板や隔壁を貫通する場合にはコーミング(電線貫通管ともいう)が用いられる。また、レーダー表示器その他のユニットのケーブル導入部にもコーミングが用いられる。
コーミングの設計については、貫通するケーブルの太さや、ケーブルの本数によって相違するので、参考例を示すにとどめる。
レーダーユニットのケーブル導入部に、コーミングを用いたときも、ケーブル貫通後は防湿、防火対策上からも確実な後処理を行う必要がある。
(b)非防水区画のケーブル貫通
非防水区画の隔壁や、船体構造物の厚みの薄い場所をケーブルが貫通する場合は、コーミング、カラー、ブッシュ又は当て板などでケーブルを保護する。防火壁を貫通する場合は、不燃性材料で防火構造とすること。
(c)コーミングの例を(イ)ケーブル1本の場合(ロ)ケーブルが2本以上の場合および(ハ)レーダー指示器の導入部のそれぞれについて図2・26〜図2・31に示す。
イ. ケーブル1本の場合
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図2・26
(注)
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パイプは、3/4″〜1−1/2″程度のもので、ケーブルの外径に適合したパイプ内径を有するものを用い、両端内面の角部は丸みをつける。
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木製又は鋼板隔壁
図2・27
木製又は鋼板隔壁
図2・28
ロ. ケーブルが2本以上の場合
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図2・29
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コーミング・カラーの寸法(例) |
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厚さ |
1.6mm以上 |
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A寸法 |
50mm以上 |
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B寸法 |
ケーブル本数により異なる |
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C寸法 |
〃 |
(注)
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B・C寸法は大き過ぎないように注意すること。余り大き過ぎるとコンパウンドを詰めることが不可能となりコーミングの用をなさない。
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図2・30
ハ. レーダー表示器用ケーブル導入部のコーミング(例)
図2・31
(備考)1.
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ケーブル導入後、レーダー表示器と木台を装備する前に、不燃性コンパウンドか又は防水パテ等でシーリングすること。この部分のシーリングを忘れると、レーダー表示器内部へ湿気の多い空気が入ったり、ねずみが入ったりして、機器に悪影響を与えることがある。
ケーブルに対して、コーミングが大き過ぎると、シーリング材を詰めることができなくなるので十分注意すること。
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2.
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その他のレーダーユニットで、壁掛形装備のコーミングも上図と同様に行うことが望ましい。
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