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(c)等価発電機
 主母線にて短絡が発生した場合に、発電機と電動機の両方から短絡点に流れる総短絡電流と同等の短絡電流特性を有する仮想的な1台の発電機を等価発電機と称する。
 この等価発電機の特性定数が求められると、主母線から離れた給電線端にて発生する短絡電流は等価発電機の特定定数を付加インピーダンスにより調整し、等価発電機の供給電流を計算することにより求め得る。
(i)等価発電機の特性定数
 総短絡電流の交流分Iac(t)T0、直流分idc(t)T0は、それぞれの機械の短絡電流を算術的に合算し、次式で示される。
 
(拡大画面:5KB)
 但し、下部添文字Gは発電機、Mは電動機を示す。
 1/2サイクル時の電流値の近似計算のためには、過渡短絡電流成分の減衰を無視すると、交流成分の時間経過に伴う値は次式で示される。
 
(拡大画面:4KB)
 発電機短絡電流は事前負荷を考慮し、無負荷短絡時の値の10%増しとみなすと、
 
 
 但し、
 
I″0 等価発電機の初期過渡短絡電流交流分の初期値〔RMS A〕
I′0 〃過渡短絡電流交流分の初期値〔RMS A〕
I″kd 無負荷同期交流発電機の初期過渡短絡電流交流分の初期値〔RMS A〕
I′kd 〃過渡短絡電流交流分の初期値〔RMS A〕
I″M 電動機の短絡電流の初期値〔RMS A〕
T″d0 等価発電機の初期過渡減衰時定数〔sec〕
i: 同期発電機の台数
j: 誘導電動機の台数
 
 初期過渡時間領域t=txにおける交流分Iac(tx)=K″(tx0は次式で示される。
 
・・・(式15)
 
 処で、K″(tx0の値は発電機及び電動機のt=txにおける交流分の夫々の値の合計であるから、発電機短絡電流交流分は式4、電動機短絡電流は式7により計算できる。又、直流分は発電機に対して式5、電動機に対して式8により計算し得る。
尚、計算手順を簡略化するために、この計算段階で既に数値算出済のtx=T/2における電流値を利用し、これ等を夫々合計し交流分をA0、直流分をD0として、その数値が求められる。
 即ち、
 
 
ここでI″0-I′0=G0とすると
 
 
 次に、等価発電機の直流成分の減衰時定数を求める。
 直流成分は同期発電機に対し事前負荷の影響により無負荷短絡時の値より3%増加するとみなすと、直流成分の初期値I″dc0は次式で示されるが、前計算段階で既に算出済み故、その値は容易に把握できる。
 
 但し、
 
Tdc0 等価発電機の直流分減衰時定数 〔sec〕
 
 
(ii)主母線における等価発電機のインピーダンス値
 
初期過渡リアクタンス
過渡リアクタンス
抵抗分







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