(B)誘導電動機の短絡電流
(i)短絡発生時の誘導電動機からの寄与電流は、電動機が無負荷状態で短絡が発生した場合、負荷時からの場合よりも僅かに大きいので、無負荷状態からの短絡とみなして寄与電流の計算を行う。
寄与電流は、同時に運転されている電動機群を1台の仮想電動機(IEC規格では等価電動機と称する。)から供給されるとみなしてよい。又、短絡電流特性が小形、大形の群毎に、大きく相異する場合は、複数の仮想電動機を想定して計算することが望ましい。
誘導電動機が、運転中に短絡される場合、短絡寄与電流を発生するが、その電流は持続的短絡電流を供給することなく、非常に短時間で、急速に減衰する。
電動機が無負荷運転中に短絡される場合、短絡寄与電流の交流成分は次式で示される。
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・・・(式7) |
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但し、
I″m: |
短絡電流交流成分の初期値〔RMS A〕 |
Zm: |
電動機の停動インピーダンス(R1+jXm)〔Ω〕 |
Zem: |
電動機ケーブルのインピーダンス(Rem+jXem)〔Ω〕 |
R1: |
固定子抵抗〔Ω〕 |
R2: |
回転子抵抗〔Ω〕 |
Rem: |
ケーブルの抵抗〔Ω〕 |
Xm: |
固定子及び回転子の漏れリアクタンス(X1+X2)〔Ω〕 |
X1: |
固定子の漏れリアクタンス〔Ω〕 |
X2: |
回転子の漏れリアクタンス〔Ω〕 |
Xem: |
ケーブルのリアクタンス〔Ω〕 |
T″m: |
ケーブル端の母線側から見た交流時定数〔sec〕 |
U0: |
電気系統の線間電圧〔V〕 |
fr: |
電気系統の周波数〔Hz〕 |
短絡電流の直流成分Imdcは次式で示される。
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・・・(式8) |
(ii)仮想電動機から供給される短絡電流の簡略計算
IEC規格では大形電動機と小形電動機に区別し、近似値として下記の数値を使用してよいとみなしている。
大形電動機
I″M=6.25I rM・・・(式9)
但し、IrM:電動機の定格電流
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・・・(式10) |
IpM=10I rM・・・(式11)
時定数
60〔Hz〕の場合 |
T″M=0.0187 |
〔sec〕 |
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TdcM=0.0117 |
〔sec〕 |
50〔Hz〕の場合 |
T″M=0.0224 |
〔sec〕 |
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TdcM=0.0141 |
〔sec〕 |
小形電動機
時定数 (大形と同じ)
60〔Hz〕の場合 |
T″M=0.0187 |
〔sec〕 |
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TdcM=0.0117 |
〔sec〕 |
50〔Hz〕の場合 |
T″M=0.0224 |
〔sec〕 |
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TdcM=0.0141 |
〔sec〕 |
この小形電動機の特性は5.5〔kW〕定格容量以下のもの、及び配線ケープルが比較的長い7.5〔kW〕定格容量のものが該当する。
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