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2・3・8 変圧器の接続
 単相及び三相変圧器の接続を次に示す。
(1)単相変圧器の単独接続
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図2.31 単相変圧器の単独接続図
 
(2)単相変圧器の並列接続
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図2.32 単相変圧器の並列接続図
 
(3)単相変圧器のスコット接続
図2.33 単相変圧器のスコット接続図
 
 三相から二相を得るときの変圧器の接続方式の一種でuvとvwで単相回路が得られる。
この方式では二次側の回路の電流をバランスさせて使うと一次側の三相回路の電流もバランスして流れる特長がある。しかし、二次側の二回路の電圧は同相でなく90°の位相差をもっているので、これらを並列に接続して使用することは出来ない。
 
(4)単相変圧器の三相接続
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図2.34 単相変圧器の三相接続図
 
 以上のように単相変圧器3台をもって三相回路に用いられるが船舶では陸上のような中性点を一般に接地しないのでY結線を必ずしも用いる必要がないから、常時△−△結線として1台故障のときそれを切離してV−V結線として運転を継続する方法が広く用いられる。
(i)△−△結線
 この結線は一次、二次とも各変圧器のコイルの電圧は三相の線間電圧と等しく、コイルに流れる電流(相電流)の大きさは三相の線を流れる電流の1/√3倍になる。したがって、1台当りの変圧器の定格出力がP〔kVA〕であると三相全体としては3P〔kVA〕出力が得られる。
(ii)V−V結線
 この結線だと各変圧器の利用率が√3/2=0.866倍に減少する。三相出力としては△−△結線の場合1/√3=0.577倍に減少する。
 また、電圧降下は三相の各線間で均等でないのでこれを定常的に用いることは少ないが、△−△結線として予備の変圧器を装備していない場合には1台故障を生じても応急的対策がとれる利点がある。
(5)三相変圧器
 1台の変圧器で三相交流の変圧を行うもの。
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図2.35 三相変圧器の内部接続図
 
 JEM1273(船用乾式変圧器)の要点を参考までに次に示す。
(1)定格電圧
 定格一次電圧 450〔V〕
 定格二次電圧 150〔V〕、115〔V〕又は230〔V〕
〔備考〕定格容量50〔kVA〕以下のものは445〔V〕、440〔V〕の全容量タップを一次側に設けるものとし、50〔kVA〕をこえるものについては、その都度打合せによる。
(2)定格容量
 1、2、3、5、7.5、10、15、20、25、30、40、50、75、100、150、200又は300〔kVA〕
(3)定格周波数
 60〔Hz〕
(4)定格力率
 1.0
(5)定格の種類
 連続
(6)相数
 単相又は三相
(7)周囲温度の範囲
 0〜45〔℃〕
(8)絶縁の耐熱クラスの種類
 B種、F種又はH種







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