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(7)軸受構造による分類
 
 
(a)ころがり軸受
 玉軸受ところ軸受とある。玉軸受にはグリースの補給を必要とする開放形とグリースをベアリング内に詰めて封をした封入形又は密閉形とがある。
(注:封入形と密閉形とはシールド板の材質、構造が異なっているが目的は大体同じであるので、以下両者を封入形と呼ぶ。)
 最近の小容量発電機では、殆んど封入形が用いられる。
(b)すべり軸受
 一般に二つ割形で小容量機にはオイルリング給油方式を、大容量機には強制注油式が採用される。
(8)発電機の保護形式と冷却方式
 外被の保護形式と冷却方式の選定は発電機の環境条件の影響と構造形態の決定に密接に関係する。JEM1274−97(船用交流発電機)では次に示すものが規定されている。
(a)外被の保護形式
(i)保護防滴形(IP22)
(ii)全閉防まつ形(IP44)
(b)冷却方式
(i)自由通風形(ICO1)
(ii)入口管通風形(IC11)
(iii)出口管通風形(IC21)
(iv)両側管通風形(IC31)
(v)外被表面冷却形(IC411)
(vi)取付熱交換器形(IC611)
(vii)水冷式取付熱交換器形(IC81W)
 以上のように多種類のものが規定されているが、最も多く使用されているのは保護防滴形と自由通風形の組合せによるものであり、一方、水冷による場合は、全閉防まつ形と水冷式取付熱交換器形(IC81W)の組合せによるものが一般に用いられる。
(9)回転子による分類
(a)回転電機子形
 主電源用の交流発電機としては現在使用されてないが、ブラシレス交流発電機の励磁機用として使用されている。
(b)回転界磁形
 船用交流発電機は回転界磁形が用いられ突極形及び円筒形のものがある。円筒形と突極形は性能面ではほぼ同等であるが、保守整備の面で突極形の方がすぐれているので、現在では一般に突極形が用いられる。ただし、高速大容量の夕ーボ発電機に対しては、強度上すぐれている円筒形が用いられている。
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図2.6 突極形回転子
 
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図2.7 円筒形回転子
(10)励磁方式による分類
 交流発電機には界磁巻線に直流励磁電流を流すため、励磁機が必要である。船舶用交流発電機は、その殆んどが自励式又はブラシレス式で両方ともスペース節約の観点から励磁部品の大半を発電機本体上に搭載する励磁装置架乗形が多く用いられる。
(a)分類
  名称 励磁電源
(i) 自励式 静止励磁器〔三相リアクトル、可飽和変流器、整流器〕
(ii) ブラシレス式(ブラシなしともいう) 交流励磁機〔回転整流器〕
 
図2.8 各種励磁方式の概略結線図
(a)−1 自励式
 Gの励磁はGが発電した交流電力の一部をRTとCTを通じて直流に変換し、スリップリングとブラシを介して界磁巻線Fに電力を供給することによって行われる。
(a)−2 ブラシレス式
 Gの励磁はGに直結したExが発電した交流電力を回転子上に取付けた整流器Sにより直流に変換して供給される。一方、Exの発生電力は励磁機界磁巻線F1への励磁入力をAVRにてサイリスタS1の出力を自動調整することにより制御される。
 
(b)各方式の比較
(i)寸法、重量
(イ)発電機本体の寸法(軸方向の長さ)はブラシレス式は軸方向に励磁機が付くため長くなり、したがって、自励式の方が船舶用としては有利である。
(ロ)励磁装置は自励式、ブラシレス式ともほぼ同一方式の静止形励磁装置が用いられるが励磁電流を供給する方式の相違から励磁装置の構成とその出力に相当の差があり、このため励磁装置の構成品の容積、寸法は自励式よりブラシレス式の方が小さくて有利である。
 そして自励式の励磁装置は発電機容量に応じて大きくなるがブラシレス式の場合は発電機容量が大きくなっても励磁装置はあまり大きくならない。したがって、ブラシレス式は大容量機に有利である。
(ii)その他
  瞬時電圧降下 保守の必要性 その他 備考
自励式 直流励磁機式、ブラシレス式より小 ブラシ、スリップリングの点検手入が必要 整流器の保守は容易 実績が永いのでその意味では信頼性がある。  
ブラシレス式 自励式より一般に大 点検、手入箇所が少ない。 発電機にしゆう動する電気的部分が全くないので無線障害がない。  







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