3・6 機関用及び雑用補機の種類とその用途
以下で述べる補機の種類及び台数等は、船舶の種類と大小及び機関の型式と出力によって、非常に差異があるので一般的なものをあげる。
主空気圧縮機及び高圧空気溜 |
機関始動用 |
各種冷却用油又は水(清水又は海水)ポンプ |
運動部分の冷却用 |
潤滑油ポンプ |
運動部分の潤滑用 |
燃料油、潤滑油等移送ポンプ |
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油清浄機 |
燃料油及び潤滑油中の夾雑物の除去 |
補助ブロワ(水柱500mmHg空気吐出圧力以下をファン、以上をブロワという。) |
油加熱器等その他 |
燃料油又は潤滑油加熱用 |
(1)主機用補機
冷却水循環ポンプ |
復水装置冷却用 |
復水ポンプ |
凝結した復水を給水ポンプの方へ送る |
潤滑油ポンプ |
運動部分の潤滑用 |
油清浄機 |
燃料油及潤滑油中の夾雑物の除去 |
燃料油、潤滑油移送ポンプ |
空気圧縮機等その他 |
(2)ボイラ用補機
各種復水ポンプ、各種給水ポンプ、燃料油移送ポンプ、ボイラ送風機(高圧及び低圧)
ドレン循環ポンプ(drain pump)、造水装置用循環(brine)及びエゼクタポンプ(ejector pump)、各種循環ポンプ、各種噴燃ポンプ等 その他
消防ポンプ(fire pump) |
出火時における消防用ポンプ |
ビルジポンプ(bilge pump) |
ビルジの搬送又は排出に使用するポンプ |
バラストポンプ(ballast pump) |
脚荷水を注排水するポンプ |
サニタリーポンプ(sanitary pump) |
衛生用に使用する海水吸上ポンプ |
雑用ポンプ |
雑用の海水ポンプ |
清水ポンプ |
清水(缶水及び飲料水)に使用するポンプ |
飲料水ポンプ |
飲料水用に使用するポンプ |
船尾管潤滑油ポンプ |
プロペラ軸を包む船尾管潤滑油ポンプ |
冷凍機装置 |
冷凍庫用 |
各室の通風装置用通風機 |
空調用諸機械 |
各種工作機械、電気溶接機等 その他 |
3・7 機関室電気機器配置図とその説明(漁船の一例)
図3・16のとおり、ディーゼル主機関が中央に1基あって、その軸から推力軸受、中間軸、軸受を介して船尾管で包まれたプロペラ軸に至る。両舷にNo.1及びNo.2のディーゼル機関駆動の三相交流発電機225V 60Hz 100kVAが配置され、これらの電源の制御、監視を行う配電盤は前方隔壁付近の中央部にある。そして船内の電気機器に給電される。交流電圧100Vに変圧する変圧器は前方右舷側にある。両舷には種々の補機用電動機が適当に配置され、それらの始動、停止の始動器及び制御器は右げん及び左げん側の集合始動器盤にまとめて配置されている。通信装置としては電話器及びエンジンテレグラフ、計測用としては排気ガス温度計等がある。
この漁船は総トン数300トンの小型船のため、主機関遠隔制御盤、機関室警報盤は前方隔壁付近にあるが、大型船ともなれば、これらの配電盤、制御盤等は機関制御室を設け、その中において総ての機械類を遠隔及び自動制御を行う。また、これらは操舵室とも連携されている。
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図3・16 機関室電気機器配置図(漁船の一例)
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