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3. 安全なくらしをめざして
 平成13年3月に、大阪のユニバーサルスタジオジャパンの近くにできたユニバーサルシティポートは、災害時(さいがいじ)には救援(きゅうえん)、復旧(ふっきゅう)などに活用される浮体式防災基地(ふたいしきぼうさいきち)と安治川(あじかわ)スーパー堤防(ていぼう)と緑地(りょくち)が一つになった港です。
 
〔浮体式防災基地(ふたいしきぼうさいきち)〕
 阪神・淡路大震災後、大きな災害が起こった時に、海からすばやく救援(きゅうえん)できるように、浮体式防災基地がつくられました。
 この海に浮かんだ防災基地は、ふだんは、此花区(このはなく)の岸辺につなぎとめられていて、港の役割をします。船でユニバーサルスタジオジャパン(USJ)を訪れる人たちの船もここにとまります。
 この防災基地(ぼうさいきち)は、大型の貨物船がとまったり、ヘリコプターが離着陸(りちゃくりく)できるようになっています。また、たくさんの救援物資(きゅうえんぶっし)や飲料水(いんりょうすい)を保管(ほかん)する倉庫(そうこ)もあります。
 緊急時(きんきゅうじ)には、防災基地は、陸地(りくち)から離され(はなされ)、タグボートのような船でひっぱられて、災害の起こった場所まで海の上を移動(いどう)します。そして、救援活動を行います。
ふだんの防災基地
 
船で移動する防災基地
 
〔スーパー堤防(ていぼう)〕
 水害からくらしを守るために、さまざまな治水事業(ちすいじぎょう)が行われています。
 その中で、堤防(ていぼう)は、洪水(こうずい)を川にふうじこめて、安全にできるだけ早く海へ流す役割をはたします。
 これまでの堤防(ていぼう)は、コンクリートで固めた強い堤防でしたが、これでは川岸(かわぎし)の自然がこわれてしまいます。そこで、最近では、川岸に緑をのこし、魚や鳥、虫や植物にやさしい堤防がつくられるようになり、川岸に豊かな自然がもどってきました。
 そして、スーパー堤防という、今までよりももっと大きな堤防がつくられるようになり、洪水や地震(じしん)がきても大丈夫な安全な堤防(ていぼう)になりました。
 また、スーパー堤防(ていぼう)の上には、木を植えたり、公園をつくったり、住宅や避難場(ひなんじょう)などがつくられます。スーパー堤防(ていぼう)によって、目の前に水辺が見える自然の豊かなまちができます。
 淀川沿いには、いくつものスーパー堤防が、すでにつくられています。
(拡大画面:20KB)
 
〔酉島(とりしま)みらい堤(てい)〕
 阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた酉島堤防(とりしまていぼう)は、地震(じしん)に強く、なだらかで、川に親しみやすく、芝生(しばふ)が植え(うえ)られた新しい堤防(ていぼう)になりました。
 そして、『酉島(とりしま)みらい堤(てい)』と名づけられました。







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