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2. 琵琶湖の自然
 琵琶湖は、日本で一番古くて、一番大きな淡水湖です。約400万年前にできたといわれ、世界で3番目に古い湖です。
 大地の変動によって少しずつ北へ移動し、約40万年前に現在の形になったといわれています。
 まわりを山にかこまれ、約460の川から水が流れ込み、流れ出るのは、瀬田川(せたがわ)と琵琶湖(びわこ)疏水(そすい)の2カ所からだけです。
 面積は、約674km2で、滋賀県の6分の1の広さがあります。
 「琵琶湖大橋」の北側を「北湖(ほっこ)」、南側を「南湖(なんこ)」と呼んでいます。北湖は、南湖の約9倍の広さがあります。
 琵琶湖の水の量は、約275億m3で、滋賀・京都・大阪・神戸などに住む約1,600万人の人々の飲み水や産業用水などに使われています。
 水面の高さは、大阪湾の海面から約85mで、大阪城の天守閣とほぼ同じ高さにあります。また、深さは、もっとも深い所で約103mで、平均すると、北湖では約43m、南湖では約4mになります。
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 長い歴史を持つ、深く大きな琵琶湖には、さまざまな環境が安定して長く続いてきたことから、1,000種を越える、非常に多くの種類の生きものが生息(せいそく)しています。
 また、琵琶湖でしか見られない固有種といわれる生きものもすんでいます。
 
 琵琶湖にすむ魚は、50種類。日本の淡水魚のほとんどが琵琶湖でみられます。
 特に、ビワコオオナマズ、ホンモロコ、ビワマス、ワタカなどの魚は、琵琶湖にしかすんでいません。
 貝類は、セタシジミやイケチョウガイなど、約40種類がすんでいます。
ビワコオオナマズ
 びわ湖だけにすむ日本で最も大きなナマズです。
 全長1m以上、体重20kg以上にまで成長します。
 
ホンモロコ
 琵琶湖だけにすむ魚です。
 体長最大15cm。
 
セタシジミ
 琵琶湖固有のシジミで、大きさは、3〜4cm。琵琶湖の重要な漁獲資源(ぎょかくしげん)ですが、最近、数が減ってきています。
 
 琵琶湖は、コハクチョウや天然記念物のヒシクイなど、渡り鳥の大切な飛来地(ひらいち)になっています。北東部には、広いヨシ原があり、水草も豊富で遠浅(とおあさ)のため、一番野鳥の集まる場所になっています。
 琵琶湖は、1993年にラムサール条約登録湿地(じょうやくとうろくしっち)になり、野鳥たちにとって大切な湿地を守っています。また、昭和46年から鳥獣保護区(ちょうじゅうほごく)に指定され、狩猟(しゅりょう)が禁じられ、水鳥の楽園(らくえん)になっています。
 年中見られる小さな水鳥のカイツブリは、ヨシ原などに、浮き巣をつくります。
カイツブリ(体長約25cm)
 
ヒシクイ(体長約85cm)







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