sylvan
会の活動は皆様のご協力により活動も少しずつ充実してきているようです。
10月27日の設立記念フォーラムには約150名の方に参加いただき、盛会で終えたことは私たちの活動に大きな励ましを頂きました。新聞各社やNHKラジオなどでお知らせしていただいたこともあり、一般の方が多数参加下さいました。北村昌美山形大学名誉教授と有馬孝禮東京大学教授に講演していただきました。
北村先生には日本の森林の実態は若い木が少なく成熟した伐採時期を迎えている木が多く日本の高齢化社会と同じですという話などをお聞きました。また有馬先生からは、木材を使うことは省エネ効果があることや、木造住宅は二酸化炭素をストックするので都市に森林があるのと同じになるなどのお話をうかがいました。
参加できなかった方から「資料がほしい」とか、タイトルの「森林の構造改革」―木を伐らなければ森が死ぬ―という意味を教えてほしいという林業をされている方もおりました。フォーラムヘの関心の高さにただ驚きと身の引き締まる思いをしております。森林・林業・木材を使うということに対して多くの人に一石を投じたフォーラムであったと思いました。
その他の活動も順調に行われ、9月27日の製材工場見学と森林散策は欲張り企画でしたが、一般参加者も交えて18名の参加がありました。工場・住宅見学も、森林散策もそれぞれに興味をそそるものがあり、大変有意義な一日でした。
また11月10日杉の間伐体験会は、一般参加者も交えて20名で行いました。間伐体験は初めての人がほとんどでしたが、木の伐り方からチェンソーの使い方まで指導を受けました。昼には岩出山でとれた野菜の入った豚汁で元気をつけ、30年生(6齢級)のスギやサワラをチェンソーや鋸で伐り、鉈で枝を落としたりと楽しい体験でした。最後にみんなで間伐した木材を集め実際に販売したら木代金はいくらになるか計算していただきました。材積1立方強で約1万円ということです。でもその木を伐るのに1日14,000円かかるということで木代金より人件費の方が高いことに、みんなびっくりです。講師の青田さんから「赤字でも次の世代に引き継ぐために伐って、植林しなければならないのです」という言葉にみんなは肩にずっしり食い込んだ丸太をとても複雑な表情で見ていました。
来春まで屋外での作業はありませんが、活動は勉強会や相談会を開催致します。相談会は住宅相談だけではなく、会員の情報ステイションや交流場所としても開放いたしましたのでご参加下さい。
【これからの活動】
▼住まいに関する勉強会
第4回 2月22日(金)
講師:小野瀬順一氏
(東北工業大学建築科教授)
テーマ「木造住宅を
地震から守るために」
時間:午後1時30分〜3時
会場:141ビル・5階セミナー室
定員:20名 会費:無料
日時・・・3月6日(水)
午後1時30分〜4時
会場:141ビル・5階セミナー室
会費:無料
▼会報配布・・・三月中旬
▼2002年総会
4月6日(土)に決定
【お詫びとお願い】
メールがウイルスに進入されて多くの方にご迷惑をお掛けしてしまいました。紙面をお借りしてお詫び申しあげます。
また会に対する御意見や各地の情報などをお寄せ下さい。
「住宅ができる世界」のしくみ
村松秀一著
彰国社 定価2200円+税
現代の住宅や町は、何かを作り出そうとする専門家達の意志を反映できず、得体の知れないしくみの中から自然に「できる」ものになってしまっているとある。
「宮大工千年の手と技」
松浦昭次著
祥伝社 定価1600円+税
日本の木造建築の知恵と技術は決して過去のものではない。また不器用だったからこそ保存修復の仕事をして来れたとある。
●森林と市民を結ぶ全国の集い
2月9日から11日までの3日間にわたり広島県で開催されます。開会式・全体の集いでの基調講演は「新世紀森林づくりへの期待」と題して川口順子環境大臣よりお話していただきます。
日時・・・2月9日 14時〜17時
会場・・・東広島市中央公民館
○分科会ワークショップ
日時・・・2月10日 9時30分〜17時
○まとめの集い
日時・・・2月11日9時30分〜11時45分
10・11日会場・・・西条グランドホテル
*詳細は森林と市民を結ぶ全国の集い事務局にお問い合わせ下さい
TEL 082(248)3567
●食・緑・水を創るわいわい市民講
座環境や生活等について学ぶ会で、どなたでも参加できます。
○国産材を活用した住まいづくり
日時・・・12月20日 18時〜19時
○森林の再生を考える
日時・・・1月17日 18時〜19時
場所・・・仙台市サポートセンター
*問い合わせ先・・・左記まで
TEL 022(222)9181
間伐体験に参加して
高熊 美佳/宮城県仙台市
間伐の作業を手伝わせていただき、とても貴重な体験をすることができました。あんなに家の近くの木を切るとは思ってもいませんでした。しかも間伐材なのに、ちゃんと住宅を建てられるだけの太さのものがとれるなんて、思ってもいませんでした。間伐体験の募集を最初見たときは「枝を落とすこと」が間伐だと思っていました。気軽な気持ちで参加したのですが、いきなり「一人一本、木を切ってもらうから」という青田さんの言葉には、さすがに目が点になりました。でも行ってよかったと思ってます。
家について、木を切ってきたと親に話すと、始めは驚かれましたが、父も子供の頃裏山の木を切って雪の中をそりで運んで、その木で家を建てたという話をしてくれました。その家は祖父宅なのですが、今までそんな話を聞いたことがなかったので、驚きました。私が間伐体験の話をしなければ、もしかしたら一生知らずにいたと思います。これから祖父宅を訪れるときには、また違った目で家を見ることができると思います。もっと父や母、祖父、祖母の話を聞かなくてはならないのだなと思いました。
会のみなさんからの情報だけでなく、身近にも貴重な情報があることを改めて知らされました。次回から母も是非参加したいと言っておりました。そのときはよろしくお願いいたします。
シルバン最新号拝読
福住展人/岩手県遠野市
最近の話題で、遠野の新しい市営住宅が地元の木を使って建築され、入居権利を得るのにかなりの倍率だったとのことです。木は、ほかの建築素材に代替できない魅力を持っています。少なくとも水と木の恩恵を永く、そして深く受けてきた日本の風土と生活史です。木あるいは森の文化がおろそかにされて良いはずがありません。このことは、漠然としたイメージでは、だれもが解っているもので、ただこれを現代から未来へ手渡していくヴィジョンとして、まだうまく表現されていないのだと思います。シルバンの役割はとても大きいと思っています。次号楽しみにしています。
半年おきに作成しているお便りなのに、世の中はなんとめまぐるしく悲しいことが起こるのだろうか。国内だけではなく世界中がそうなのである。新宿で火災が起き多くの人が亡くなったと思っていたら、今度はニューヨークで信じられない事件が起きた。
平和があってこそ経済の安定や余裕が生まれるはずなのに。世の中の状況はお便りを出すたびにますます混沌としている。そんな状況の中、少しでも明るい話題をお送りしたいと思っているのだが・・・。
私の周りでは、いろいろな活動を通して若い世代の人たちが集まり始めている。一緒に汗を流すことによって自然と向き合うことの大切さを肌で感じてくれているように思う。そんな仲間を少しずつ増やしていくことが、次の世代へ確実に大切なことを伝える手段だと信じたい。
12月は林業の神、山神様をお奉りする時期。1年間の感謝と来年も森の恵みをいただけますようにという大切な行事である。何事にも感謝を忘れず、来年こそ平和でありますように。
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