6. おわりに
油排出管理分科会は、IMOが行う海洋環境保護委員会決議:60(33)「機関室ビルジの汚染防止装置の指針及び仕様」及び国際海事機関総会決議:586(14)「油タンカーの油排出監視制御装置の指針及び仕様」の見直し作業に対応することを目的に設置されたものである。
従って、当委員会の活動は、我が国の対処方針を定めるための、意見などを集約、整理して、IMOの関係会合に的確な提案を行い、適切な見直し案の成案を得ることに貢献するように、実施された。
これらの装置に関する各決議の見直し案は、ほぼその目的を達成し、採択の手続きを待つのみの状態に至っている。なお、この調査研究の過程において、我が国が提案した「IBTS」の代表例が船舶による海洋汚染防止に大きく寄与するとの関心が示された。
今後、引き続きこのシステムについての資料の提示が求められている。
当初は、IMOでは、両決議とも2年間で成案を得ることを目途としていたので、当委員会の作業もこれに追従する形で実施した。両決議のうち、MEPC.60(33)の見直しが、先行して検討が進められた。このため、我が国からの提案及び意見の提出も、MEPC.60(33)に、偏重したことも否めなかった。
2年間にわたり、MEPC及びDE小委員会に提出した資料の多くは、深刻な経済環境下にも関わらず、能動的かつ積極的に参画した製造業者および海運業者等の関係事業者を始め、関連団体の協力無くして作成し得なかったものである。これらの貢献と寄与に、衷心から謝辞を申し述べるものである。
また、関係官庁及び公的機関の多大の支援及び指導に負うところは論をまたない。当分科会が行った2年間の成果は、必ずしも十分と言い切れないものもあろうが、海洋汚染防止の国際的動向に寄与し、関係事業者に資する所があれば幸いであり、また活用されることが有れば、望外の喜びとするものである。
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