開会挨拶
中山 太郎
財団法人アジア人口・開発協会(APDA)
理事長
本日は、財団法人のアジア人口・開発協会設立20周年の記念の講演会に多数ご参加を賜りまして、誠にありがたく存じます。財団法人アジア人口・開発協会は、1982年に人口問題の解決と持続可能な開発を達成すべく設立されました。人口問題と持続可能な開発の問題の相関領域を扱う、日本で唯一の機関です。
本日は、日本が誇る各分野の世界的な権威である先生方に人口問題を深く考えるために、幅広い視点から講演をお願いいたしました。人口問題は、当たり前の問題のようですが、人口そのものを中心にして、地球科学から生命倫理まで、すべての領域に深い関わりを持っています。ご案内のように、世界の人口は増え続けています。激しい人口増加がアジア、アフリカなどにおける途上国で起こり、人口が爆発的に増加をしている一方、先進工業国では、人口の高齢化と少子化が進んでいるのが、今日の現状であろうと思います。
この地球で人間が生きていくために必要な食料と水の問題が、これからどのように解決されていくのか、また、その背景としての地球環境破壊の問題、これらの問題をどのように考えていくのかが、今、生きている人間に与えられた大きな課題ではなかろうかと考えています。さらに、これから人類と地球がどのような関係を保っていくべきなのか」、「私達は子供達にどのような世界を残していくべきなのか」などについて、お考えいただく契機となれば幸いです。
世界を変えるということは、途方もないことのように思えます。しかし、この世界に生きている一人一人が世界をつくっているのであり、私は、一人一人が変われば世界は変わると確信いたします。私どもの活動の意義もそこにあります。今後とも、皆様方のご支援を賜りながら、活動を続けてまいりたいと思います。
どうぞ、今日は幅広い分野からいろいろな貴重なご意見を賜り、設立20周年記念フォーラムが実り豊かに終了できますように、ご参加の皆様に心からお願いを申し、歓迎の辞にかえさせていただきたいと思います。今日はご参集賜りありがとうございました。
広瀬:
それでは、最初に基調講演を東京大学教授の松井孝典先生にお願いします。松井先生は、世界的に有名な地球物理学者で、我が国が誇る宝です。大変お忙しい中、本日ご講演をいただきます。ごゆっくりと、ご静聴をお願いいたします。先生、お願いいたします。
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