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人口と開発に関するアジア議員フォーラム
第6回大会
新潟宣言
1999年10月7日
日本国、新潟
 
前文:
1. 次の千年期と世界人口60億人の前夜、日本国、新潟に28ヵ国から96名の国会議員が集い、ICPD+5の成果と過去の成果および将来活動計画をふまえ、人口と開発に関する私たちのコミットメントを刷新する。アジアは世界人口の61パーセントを占めており、2000年期の世界の人口の動向は、アジアの政府、国会議員、そして人々がどのような人口関連の決断をするかにかかっている。
 
2. 1981年に設立されてから今日まで、AFPPDはこの地域内外の人口と開発問題および活動に関する啓発と支援を行なう上で指導的役割を担ってきた。AFPPDはアフリカ・アラブ諸国を含む、数多くの人口と開発に関する他地域の国会議員フォーラムの設立に大きく貢献し、極めて重要な意味を持つハーグでの「ICPD評価のための国際議員フォーラム(IFP)」を組織した。
 
3. ここ数十年の間にアジアは多大な進展を遂げた。この地域は地域としての統合性を持っているがその方向性は多様で、その発展段階も多岐にわたっており、その中には先進国も、開発途上国も、経済移行期の国もある。アジアの国々は近年の経済危機の影響をこうむっているか構造改革の真っ只中にいる。豊富な天然資源、水資源、食料を持っている国もあれば、その人口を扶養することができないか、またはその国民の基本的ニーズすら満たせない国もある。それぞれの国の人口の状況はそれぞれに異なっており、それが各国の経済的そして社会的現実を作り上げている。
 
4. アジアの人口は、急速な人口学的な変化を経験している国と置き換え水準よりやや多いか少ないかの国々、年少人口の多い国と急速に高齢人口が増加している国、HIV/AIDSの罹患率が高い、または急速に広がりつつある国と、まだ罹患者が少ない国もある。多くの国では人口移動―特に都市への人口移動の問題に直面している。女性の教育、乳児ならびに妊産婦死亡、思春期の妊娠率、質の高いリプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスヘのアクセス、そして平均余命に関しても、かなり大きな格差がある。
 
行動の呼びかけ:
5. ICPD行動計画とICPDの前夜カイロで採択された「人口と開発に関するカイロ宣言」を再確認する。ICPD行動計画を更に推進するための指針を与える「ICPD評価のための国際国会議員フォーラム」を含むICPD+5の一連の活動を歓迎する。
 
6. すべての政府に対し、ICPD行動計画を実施し、市民社会との密接な連携の下で、水、食料、天然資源、環境と人口の相互に関する問題を解決に向けるための長期的展望と戦略を開発することを強く呼びかける。また、男女平等(Gender Equity)実現の立ち遅れと男性の参加、特に青年期の人口を対象とした質の高いリプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスヘのアクセス、同様に高い妊娠中絶率を引き起こしている様々な要因、性行為感染症・HIV/AIDSの蔓延、および高い乳児および妊産婦死亡率の問題を解決するよう要請する。この問題を各国で議題に載せ、(その問題を解決するための)一致した行動をとり、ICPD行動計画の進展をモニターするよう同僚国会議員に要請する。
 
7. 人口と持続可能な開発問題が不可分であることを認識する。私たちはすべての政府に対し国際的な協定や条約、特に国際貿易ルールが食料安全保障と完全な一貫性を確保することで、基本的ニーズと食料や水のような人間生存に不可欠な基本的条件を満たすよう要請する。
 
8. 地域委員会を含む国連機関、特に国連人口基金に対し人口政策および戦略の形成と立案の支援を行なう上で引き続き、中心的な役割を果たすよう要請する。またASEAN、SAARCやその他の地域機構に対してもこのような活動を支援するよう要請する。また、国連に対し2004年の国際人口開発会議をアジアで開催するよう呼びかける。
 
9. 人口とリプロダクティブ・ヘルスに対する資源の不足がICPD行動計画を実施する上での最大の障害である。すべての支援国政府に対しGNPの0.7パーセントを政府開発援助(ODA)に向けるという目標を達成し、その4.5パーセントから5パーセントを人口とリプロダクティブ・ヘルス分野に向けるよう呼びかける。被援助国政府に対し、各国の国内予算の中で人口とリプロダクティブ・ヘルスヘの割合を増加させるよう要請する。また、同僚国会議員に対しソーシャルセクターへの投資をもっと増やし、特に人口と開発分野により資源を向けるために努力し、すべての当事者がその資源を効率的に利用するよう呼びかける。
 
誓約:
10. 人口60億人、次の千年期の前夜である今こそ行動を起こす時である。人口と開発問題を早急に解決するよう包括的かつ戦略的方法で取り組まなければならない。従って、私たち国会議員の活動が人々と各国政府の考え方と行動を変え、人々の抱える問題を立法ならびに各国政府の行動の中に反映させる重要な役割を担っていることを確認する。このような各国および地域の行動を支える地球規模的な支援を提供するために、ハーグで勧告されたようにAFPPDの加盟国に人口と開発に関する世界規模の国会議員のネットワークを作る上で指導的役割を果たすよう呼びかける。
 
11. 自らの個人的な関心を、各国、および地域における人口と開発問題に対する積極的な支援活動に向ける。具体的には、すべての人が基本的ニーズを満たし、平和、繁栄そして公正をもたらすため、人口政策とプログラム支援することを、強く誓約する。“世界を変えるということは途方もないことのように思えるが一人一人が変われば世界は変わる”。一人の人間として、国会議員としてこの宣言を実行に移すよう誓約する。私たちにはそうする権限とそして責任がある。
 
新潟
1999年10月6日







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