長春師範学院日本語学部 3年 姚建美
まず、始めに私達の大学にこれほどたくさんの図書をご寄贈いただきましたことにお礼を申しあげます。これらの様々な図書のお蔭で、私達は日本語の語学力を効率的に上達させることができますし、日本に関しても以前よりも多くのことを理解することが出来るようになりました。また、様々な資料により、我が大学の日本語図書閲覧室は充実した内容となりました。これらの資料を読めば、日本の文化・生活習慣を直接知ることが出来ますし、それらを理解することの助けとなります。例えば、私が日本の生け花や小説に興味を持ったとします。以前の私でしたら、ただ日本の生け花がとても美しいということを知っているだけでした。でも、今の私には、生け花に関する様々な本によって得られた色々な知識が有ります。生け花にはそれぞれの流派、歴史が有り、またそこには内在する文化が有るということも理解しております。実は、私は中学、高校と英語を選択していたので、日本についての知識は全く有りませんでした。でも、日本語を学び、日本に関する本を読んでいくに従って、日本人とは独自の国民性と歴史を持った民族であるということも次第に分かるようになってきました。日本の風俗、習慣、文化は民族の特徴を表すものです。私は、日本の歴史と文化(例えば、茶道、書道、歌舞伎、能など)に興味が湧いてきました。また、日本の小説を読んでみると、「なぜ、日本人はサスペンスとミステリーを好むのか?」ということにも興味が出てきます。さらにまた、日本人は漫画好きであるなとも感じます。中国においては漫画が好きと言えば、恐らくそれは子供です。この点が、中国と日本の違うところです。
寄贈していただいた図書の中には初歩的な内容の本も有りますので、私達は容易に読むことが出来ます。また、著名な作家の小説も有りますので、それらを原典で読むことも出来ます。色々な分野の本が寄贈図書には入っております。ただ、その中には現代の日本人の生活に関する本がちょっと少ない気もいたします。私達は学生ですので、日本の同世代の学生や若者の生活、勉強のことなどについて、とても知りたいと思っております。また、現代の日本の社会、経済、教育についても大変興味があります。そしてまた、日本のTVドラマや人気スター・アイドルは中国でも人気が高く流行っており興味を引かれるところですか、それらに関する情報誌や資料はあまり手に入りません。日本語学科に在籍している私達は毎年日本語能力試験を受けなければならないのですが、残念なことに、中国では日本語の参考書は英語のそれと比べるとかなり少なく、自分が欲しいと思うような参考書を手に入れることはたやすくはありません。日本語の研究生を志望しているある学生の場合、研究生試験の受験勉強のための参考書を日本にいる友人に頼んで送ってもらわなければなりませんでした。これは、本当に大変なことです。ご寄贈いただきました図書は、このような問題を解決する助けとなっております。本当に有難うございます。
私は、日本語科学生を代表いたしまして貴協会のご援助に心からお礼を申しあげます。
大連外国語学院図書館 館長 劉日昇
寄贈いただきました図書は、例えば、日本語学院院長 張先生が日本文学の授業の時よく活用しておりました。授業の下調べのための資料として詳細な内容は十分な事前準備が可能とするため、張教授が行なう日本文学の講義は評価が高く学生たちにも人気が有ります。
また、当芸術学院の歴史は浅く、芸術関係の図書は余り多くありません。この度、芸術関係の図書を寄贈していただき、環境芸術、装飾、服装デザイン等の専攻の学生たちに大いに活用されております。学生達は、授業のない時間の殆どをこれらの図書を読むことに費やし、個性的なインスピレーションを産み出そうと努めております。学生達が感性を研ぎ澄ます上で大いに役立っているのです。
広西師範大学図書館 館長 雷 磊
寄贈いただきました受験用の参考書は、中学生の高校受験指導のための参考資料として、師範専攻の学生に非常に歓迎されております。
清華大学図書館 館長 薛芳渝
寄贈(可能)図書のリストを貴協会から何度も何度も我が大学に送っていただきましたが、その都度、私共はこの寄贈リストと当館所蔵の日本語図書リストとを丹念に照合し、当大学に本当に必要と思われる図書・雑誌を選ばせて頂きました。贈って頂きました図書には内容が充実した色々な分野の書籍が含まれており、学生・研究者・教授が政治、経済、歴史、文化等の多角的な観点から日本の全容を理解する上で重要な役割を果たしております。例えば、創文社刊の書籍は学術的評価が高く、有益な資料として研究者達に非常に歓迎されております。
また、「外国新聞に見る日本」(毎日コミュニケーションズ刊)、「海から見た戦国日本」(村井章介著)、「日本の心」(黒瀬昇次郎著)、「園仁」(佐伯有清著)等の日本史、歴史文物、日本文化関係の図書の利用率については群を抜いております。我が大学では、全学生を対象に「日本民族研究」、「東アジア文化交流史」、「東アジア民族の比較研究」講座を、大学院生を対象に「中日文化交流史」講座を人文学院歴史学部に昨年から関設しております。講義を担当しているのは、元京都大学教授で日本史学博士の劉暁峰教授です。劉教授の講義では、寄贈図書が教材として、或いは参考資料として使われております。また、教授は講義の中で日本科学協会の図書寄贈プロジェクトを中日友好活動の具体的な事例として学生たちに紹介いたしております。
寄贈図書は当館の日本語の蔵書を量的に豊かにしてくれただけではなく、欠刊号の補填、定期刊行物の継続性の維持など質的にも充実させてくれるものです。今回頂きました継続雑誌の多くは、当館所蔵の継続雑誌の欠刊部分を補ってくれるものでした。例えば「Inorganic Syntheses」はVol.19とVol.21が数年来、欠刊となっておりましたが、寄贈雑誌のお蔭で継続雑誌としてようやく完全なものとなりました。
また、図書寄贈は教育・研究には欠かすことのできない辞書類を如何に確保するかという問題も解決してくれました。例えば、「Ulrich's」は当館の蔵書について研究する参考書としてばかりではなく、辞書としても重要な図書であります。ただ、これまで当館が所蔵していたものは版が古く、通常の利用に充分耐え得るものでは有りませんでした。お贈り頂きました比較的新しい版である「Ulrich's 1997-1998」(5巻組)と「Ulrich's 1998-1999」(5巻組)は当館に到着するや否や、教職員・研究者たちを大いに喜ばせてくれました。例えば、当館の郭依群教授は参考書の使い方に関する授業の教材として「Ulrich's」を使用したいと考えておりましたので、この図書が届いたという知らせにとても喜びました。郭教授は是非ともこの図書を授業に間に合わせたいと思い、目録編集員に対して緊急に目録編集をしてくれるようお願いをしました。また、「Merck Index: an encyclopedia of Chemicals, Drugs and biological, 12thed」(CD-ROM)については当大学の化学学部の教授が緊急に必要となって当館が正に購入しようとしていたものなので、時宜に叶い我が大学にとって非常に有り難い贈物となりました。
貴協会の図書寄贈は私たちの日本に対する理解を深め、必ずや日本文化の研究と中日文化交流を促進するだろうと確信いたしております。頂きました図書は大切に所蔵し、有効に活用し、充分にその役割を発揮させるよう努力するつもりです。
別添4
中国の大学図書館の写真
1. 清華大学 図書館全景
2. 上海交通大学 図書館全景
3. 吉林大学 図書館の書架
4. 南京大学 閲覧風景
5. 広西師範大学 閲覧室の寄贈図書
6. 寧波大学 閲覧風景
7. 江南大学 図書館電子閲覧室
8. 黒龍江大学 図書貸し出し風景
9. 大連外国語学院 閲覧室風景
10. ハルピン医科大学 図書館電子閲覧室
11. 長春師範大学 閲覧風景
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