日本財団 図書館


●第4章 顧客、業者との産廃処理についての話し合いと協力要請
 造船所における産業廃棄物の分別・減容・リサイクル等の処理は、事業所のみで行うのではなく、船主、船員、下請けの業者等と事業所内で発生する廃棄物の分別、持ち帰り等について協力を要請する必要があります。
 
(1)入港船など船内で発生する生活ゴミの分別要請
 船内生活ごみの最終排出場所が、造船所になることが多いのは紛れもない事実です。しかしながら、船内生活ゴミを、無分別で廃棄されると大きな労力、費用が発生することについて、船主、船員との話し合いをする必要があります。
 中小型造船工業会による「廃棄物の分別収集にご理解とご協力をお願いいたします」などのパンフレットを配布し、最低限の分別を行う要請をしましょう。
 ・燃えるゴミ、燃えないゴミ、廃家電、フロン類回収を要する廃家電など
 
(2)下請け業者による廃棄物、包装容器ゴミ等の持ち帰り、定期的納入品に関する通い箱等の使用提案
 下請け業者の作業で発生する電線、廃機械類、梱包材等については、下請け業者の責任おいて持ち帰ることをお願いしてください。
 また、定期的に搬入される部品、機器類の容器包装梱包材は、社会問題となっています。繰り返し使用できる梱包材、通い箱システムの検討を納入業者と話し合いましょう。
プリンター
ノートPC集合梱包
 
(3)廃石綿(アスベスト)、PCBを含む高圧コンデンサー等の廃棄、冷蔵庫、エアコン等フロン類を回収する必要のある家電の廃棄についての話し合い
 廃石綿(アスベスト)、廃PCB類の廃棄物処理は、第2章(2)にあるとおり、特別管理産業廃棄物であり、基本的には処分できず、保管をしなければならないと考える必要があります。廃石綿(アスベスト)、廃PCB類の廃棄物処理が事前に予測される場合には、船主と十分に話し合って処理をするようにしてください。
 また、第2章(4)にあるとおり、エアコン等の修理、交換等においては、フロン類の回収義務があります。冷蔵庫等の廃棄には、フロン類を排出しないように保管後自治体に処分をお願いし、エアコン等フロン類を充填されている機器類の廃棄方法については、経済産業省製造産業局オゾン層保護等推進室、経済産業省製造産業局産業機械課又は環境省地球環境局環境保全対策課に問い合わせてください。
 
●第5章 廃棄物処理システムの案
 産業廃棄物の処理を効率よく廃棄を行う方法として、近隣の事業所と共同して処理を行うシステムを検討することは価値があると思われます。個々の造船所のみでは、対費用効果が発生しなくとも、複数の事業所でシステムを共用すれば効果が増大します。
 以下は(株)日立プラントソフトが提案した、造船所で多く発生する廃木材等を破砕機の巡回サービスを利用して機械破砕し減容化を行うシステム案です。
 
1. 減容化処理による廃棄物処理フロー
(拡大画面:109KB)
 
2. 廃材減容化処理によるメリット
・機械破砕により廃棄物量を約1/3〜1/10に
 
(1)産廃処理回数の削減
(2)産廃処理コストの低減
(3)環境対策の推進
 
3. レンタル破砕機の特徴
(拡大画面:98KB)
 
4. 破砕機の巡回サービス
 
5. 破砕機巡回化によるメリット
・廃材破砕機をレンタルで対応
 
廃木材を炭化処理して、木炭・竹炭の製造、エネルギー化!!などの事業案もある。
 
(1)先行投資は不要
レンタル機の利用により破砕機導入の為の先行投資不要
(2)維持管理コストの大幅な削減
一社単独で導入保有するより削減効果大
(3)保守・メンテナンスの手間不要
機械のメンテナンス、管理は当社が行います







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION